チケットの前売りの時点で,面白そうな予感がしていたこの作品。
3枚チケットを取っていたのですが,
3回目にハタと,この作品をじっくり味わうにはペース配分が必要である,
と気付きまして(勝手な思い込みとも言う)。
1幕はハイスクールの場面なので,まーみんなよく喋るんですよ。
まさしくマシンガントーク。
で,つい,セリフをしっかり追おうとして,かなり集中しちゃうんですね。
2幕は,やや落ち着いてきますが,やっぱり3人ともよく喋るので,
集中して観ます。
そうすると,3幕でやや疲れちゃうんですね
でも,この作品,3幕が一番緊張感を要すると思うのです。
キャシーのセリフがグンと減りますが,
「各々が好きなことを言いあうティーンエイジャー」から,
相手の言うことを理解した上で,敢えて斜め返しをするようになります。
その間合いとか,本当はどう思ってるのか,
なんかを読み取るには,かなりの集中力が必要です。
というわけで,当日券で1回追加しちゃいました
久しぶりだなー,当日券買うの。
雨の日の夜で,発売開始25分前くらいに行ったら,先頭でしたw
価値観の違いから,激しくやり合うメアリーとジョアン。
ついにメアリーは,ジョアンの夫との関係をバラし,
ジョアンは激しい怒りと悲しみで去っていきます。
その哀しげな背中に向かって「ジョアン…ジョアン…本当はね……まぁいいわ。」
と,こちらも哀しい口調で独り言を言うメアリー。
バカにされるのは我慢ならないけど,
傷つけたかったわけではない,メアリーの心情が見て取れます。
そして改めて見ると,キャシーは2幕から,ちょっと影が出てきてますね。
6年付き合った彼にフラれて傷心なキャシーを尻目に,
同じく6年付き合った彼と,卒業と同時に結婚するジョアンは
浮き足立っていて,だから自分の苦しみをジョアンには話せなかったんだろうな,と。
女3人って微妙ですよねー。
大抵2対1になりますからw
当たり前ですが,相手の発する言葉に対する表情で,
どう思っているかが分かります。
そういった表情まで楽しめるのが,このサイズの劇場のいいところです。
ジョアンが「聞いて驚かないでよ!私,教会で聖歌隊を教えているのよ!」
と言うセリフに対して,キャシーはフッと静かに笑うのに対して,
メアリーは「驚いた!!」と大げさに言って見せます。
2人の性格の違いが良く出ているなー,と。
そして改めて,ジョアンは暴言よく吐くなー,とww
傷心のキャシーに「あなたの人生泥沼ね」だの,
人から借りたマニキュアを塗りながら「この色,不潔だわ」だの「安っぽい」だの。
後ろから張り倒したくなるタイプ(爆)
まぁ,憎めないキャラなんでしょうね。
メアリーは見た目も華奢だから,ホントにキュート!
観終わった後,しばらくメアリーのしぐさを真似しちゃうほどww
ぶっ飛んでるけど,自分に素直で可愛い女性です。
キャシーは,静かで落ち着いた女性。
3幕では腰に手を当てるポーズが多いのですが(立ち芝居が多い),
教師をやっている時,そのポーズで虚勢を張っていたのかなぁ,などと。
先生って言ったって,学校出たばかりの新人じゃ,
生徒にナメられないようにするのに精一杯ですよねー。
それでそんなポーズを取るクセがついたのかしら…
なんて推測してみました。
終演後の挨拶で,倉田さんはずっとやりたいと思っていたけど,
役者が経験値が上がるのを待っていた,とのこと。
(「年を取るのを待っていた」と言っちゃう曽世さんw)
皆さんテンポが良いだけでは無く,緩急もしっかりあって,
早口なのにちゃんと伝わって,ちゃんと笑いも取れて,
技術あっての作品だよなぁ,としみじみ思いました。
トークイベントの回では,それぞれをイメージする曲を披露,ということで
私が観た回では,ジョアンが「部屋とYシャツと私」,
キャシーが「歌舞伎町の女王」を,芳樹さんのギター伴奏で歌ったのですが。
改めて聞いても「部屋とYシャツと私」の歌詞は重いですねぇ
そして,Yシャツ磨いたら,薄なるでー,なんて思うのは野暮ですねww
ともあれ,また一つ,ライフのレパートリーが増えたな,と。
他のキャストでも見てみたいし,
更に言うなら,この3人の10年後,20年後も見てみたいなぁ。
どんな人生を送るんだろう。。。