ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

「Le Fils」@東京芸術劇場シアターウエスト

2024-05-02 12:00:00 | 観劇記&鑑賞記

岡本健一&圭人の親子共演の舞台。
Florian Zellerの家族三部作の内の一つ、
「Le Fils(息子)」です。



初演を観たし、めちゃめちゃ辛いストーリーだし
どうしようかちょっと迷ったのですが、
ちょうど健ちゃんがインスタで先行予約を受付けているのを見つけ、
作品的にも小さい箱向けだと思ったので
観に行ってきました。

結末は分かっていたのですが、
悲劇に向かって突き進んでいく感じが辛い。。。
生きることが辛いと言う二コラ(岡本圭人)に対して
「そんなこと言わないで」と言っちゃう母・アンヌ(若村麻由美)、
「父さんがお前の年の頃はもっと大変だった」
と言っちゃう父・ピエール(岡本健一)。
そりゃあ逃げ場がないよね…。
せめて病院の先生がもうちょっと信頼できそうだったらなぁ…

で、二度目の観劇でやっと気づいたのですが、
ピエールも二コラと同じセリフを言ってるんですね…
「(生きることを)続けられない」って…。
ピエール、大丈夫かなぁ。
再婚相手との間に生まれた子、まだ幼いんだけど。
アンヌも立ち直れないんじゃないかなぁ…。
誰も幸せになれない作品なんですよね。。。

二コラの幻を見て、現実を思い知って
絶望の淵に突き落とされ号泣するピエール。
そして暗転、カテコとなるので、
最初はまだ泣いてるんですよね。
そんな演者の熱演に拍手が鳴りやまず、
ダブル、トリプル、カドラプル…まだ止まりません。
ようやく顔に笑顔が戻る健ちゃん。
結局セクスタプル(6回)のアンコにスタオベとなりました。
(何て言うのがググったよw)

演じている皆さん、魂を削られるような作品だと思うんですね。
それに対して、観客ができるのは拍手を送ることだけ。
みんなそんな思いで拍手を送っていたように感じました。
そして、その思いがステージ上の演者さんにも伝わったかな、と。
あー、推し事ってこういうことだよなぁと、改めて思いました。
舞台でも音楽でも、身を削って見せてくれるものを
観客け取って、声援で応える。
言葉にしなくてもきっと伝わってる。

シアターウエストだと出演者の表情までよく観えて
細かいお芝居も盛り込まれていた気がします。
やっぱりこれくらいの空間がいいですね。
観に行って良かったです。

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