連休の一日、柳川市(福岡県)に出かけて川下りを楽しんできた。私は実家も福岡県内にあり、一時期を除いてずっと九州に住んでいるのだが、柳川市内を縦横に走る堀割を小舟で巡る名物の“川下り”には子供の時以来行ったことがなかったのだ。今回は嫁御の要望もあり、久々に足を運んだ次第である。
天気には恵まれたが、カンカン照りの中で1時間も小舟の中でジッとしているのは堪えた。そういえば、子供の頃に行ったときはちょうど春休みだったことを思い出す。今の時期でこんな具合なのだから、真夏なんかに行くものじゃないだろう。船着き場では菅の笠をレンタルしていたが、帽子を被っていない時にはあれは必須アイテムだ(笑)。
それにしても、堀から見る柳川の街には風情がある。川面が新緑に映えて美しい。岸沿いの民家には堀へと続く階段が備えてあり、これは昔洗濯などに使っていた名残である。あちこちで合鴨が泳ぎ、岩場ではカメが甲羅干しをしている。花菖蒲の季節はまだ先だが、岸に生えた実を付けたキンカンの木や栴檀の花などが目を楽しませてくれた。
柳川を舞台にした映画としては、高畑勲監督の「柳川堀割物語」が思い出されるが、もうひとつ有名な作品に大林宣彦監督の「廃市」がある。あの映画のラストに登場する鉄道は、旧国鉄の今はなき佐賀線だ。柳川市には現在西日本鉄道が通っているが、昔は国鉄も走っていたのである。今でも存続していれば何か観光資源にはなったかもしれない(ちなみに、筑後川にかかる鉄橋は今では国の重要文化財に指定されている)。
川下りを終えた後は、もちろん名物のウナギのせいろ蒸しに舌鼓を打ち(高かったけどね ^^;)。旧柳川藩主の立花氏別邸を見物した。ちょうど神社(水天宮)の祭が開催されていて人通りがかなり多く、そのせいで疲れたが、まあ充実した一日だった(^^)。