2002年作品。平凡な4人の主婦たちが、殺人事件に手を染めていく過程をつづるクライム・ストーリー。桐野夏生の同名小説の映画化だ。
原作がかなりの長編で、しかもベストセラーという状況にあって、大胆に登場人物を絞り込み、中盤より原作と遊離した展開にしてしまった作者の思い切りの良さが印象的だ。それはすなわち四人のヒロインの内面を“男がらみ”で捉える原作のスタンスを改変し、作劇的な意味での女性の“自立性”を前面に押し出したということだ。
原田美枝子をはじめ倍賞美津子、室井滋、西田尚美といった力のある女優陣を配しているためか、各キャラクターの粒立ちは目を見張るばかりで、かなり強引なストーリーをカバーして余りある。会話の面白さも特筆ものだ。
ただし、終盤の持って行き方は少し冗長である。もっとも、彼女たちの儚い“願望”をメインにしたドラマ構成であるため、原作あるいはアメリカ製の犯罪劇のような簡潔なラストを用意できなかった事情もある。そのへんは痛し痒しだ。ともあれ、平山秀幸監督作品にしてはマシな部類かと思われる。
原作がかなりの長編で、しかもベストセラーという状況にあって、大胆に登場人物を絞り込み、中盤より原作と遊離した展開にしてしまった作者の思い切りの良さが印象的だ。それはすなわち四人のヒロインの内面を“男がらみ”で捉える原作のスタンスを改変し、作劇的な意味での女性の“自立性”を前面に押し出したということだ。
原田美枝子をはじめ倍賞美津子、室井滋、西田尚美といった力のある女優陣を配しているためか、各キャラクターの粒立ちは目を見張るばかりで、かなり強引なストーリーをカバーして余りある。会話の面白さも特筆ものだ。
ただし、終盤の持って行き方は少し冗長である。もっとも、彼女たちの儚い“願望”をメインにしたドラマ構成であるため、原作あるいはアメリカ製の犯罪劇のような簡潔なラストを用意できなかった事情もある。そのへんは痛し痒しだ。ともあれ、平山秀幸監督作品にしてはマシな部類かと思われる。



