(原題:CHASING AMY )97年作品。登場人物たちの面倒臭い性格を、笑って許してしまえるかどうかで作品の評価が決まると思う。私は彼らを全面的に肯定しないまでも、まあ“こんな奴らもいるよね”といった具合で認めたい。また、LGBTQに関する突っ込んだネタを先取りしていた点もボイントが高いだろう。
漫画家のホールデン・マクニールは、仕事上のパートナーであり友人のバンキーと一緒に、新作発表のためコミックマーケットへ足を運ぶ。そこで彼は新進作家のアリッサと知り合う。底抜けに明るくキュートな彼女に魅了されたホールデンは交際を申し込むが、実は彼女は同性愛者だった。それでも彼はアリッサを諦めきれない。だが、過去の奔放すぎる性体験を明け透けに話す彼女にホールデンは次第に困惑の度合いを高めていく。そんな彼を見ていたパンキーも頭を抱え、ついには仰天するような“提案”をブチあげる。

自らの過去に何ら拘泥しないアリッサと、物分かりが良いようで実は相手のプロフイールを死ぬほど気にしているホールデンとの関係性がおかしい。さらにパンキーの、一筋縄ではいかないスタンスも実に興味深い。まあ、端から見れば“何やってんだコイツら”と呆れられるような状況なのだが、それぞれの立場を考えてみると、けっこう切実で放っておけない感じだ。
特にアリッサの、自らの境遇を恥じていない振る舞いには、観ていてグッと来るものがある。要するに“素”の自分を受け入れてくれる相手を探すことこそが、恋愛の、そして人生の醍醐味なのだろうと納得させてくれる。劇中サイレント・ボブ役で出演もしている監督ケヴィン・スミスの作品はこれ一本しか観ていないが、けっこう軽妙かつペーソスが溢れていて好感が持てる。
主演のベン・アフレックとジョーイ・ローレン・アダムスは好調で、どこかチグハグな男女関係を絶妙に表現している。バンキー役のジェイソン・リーもナイスな助演ぶりだし、ケイシー・アフレックやマット・デイモンがチラッと出ているのも嬉しい。デイヴィッド・パーナーの音楽も悪くない。同年のインディペンデント・スピリット賞にて、脚本賞と助演男優賞を受賞している。
漫画家のホールデン・マクニールは、仕事上のパートナーであり友人のバンキーと一緒に、新作発表のためコミックマーケットへ足を運ぶ。そこで彼は新進作家のアリッサと知り合う。底抜けに明るくキュートな彼女に魅了されたホールデンは交際を申し込むが、実は彼女は同性愛者だった。それでも彼はアリッサを諦めきれない。だが、過去の奔放すぎる性体験を明け透けに話す彼女にホールデンは次第に困惑の度合いを高めていく。そんな彼を見ていたパンキーも頭を抱え、ついには仰天するような“提案”をブチあげる。

自らの過去に何ら拘泥しないアリッサと、物分かりが良いようで実は相手のプロフイールを死ぬほど気にしているホールデンとの関係性がおかしい。さらにパンキーの、一筋縄ではいかないスタンスも実に興味深い。まあ、端から見れば“何やってんだコイツら”と呆れられるような状況なのだが、それぞれの立場を考えてみると、けっこう切実で放っておけない感じだ。
特にアリッサの、自らの境遇を恥じていない振る舞いには、観ていてグッと来るものがある。要するに“素”の自分を受け入れてくれる相手を探すことこそが、恋愛の、そして人生の醍醐味なのだろうと納得させてくれる。劇中サイレント・ボブ役で出演もしている監督ケヴィン・スミスの作品はこれ一本しか観ていないが、けっこう軽妙かつペーソスが溢れていて好感が持てる。
主演のベン・アフレックとジョーイ・ローレン・アダムスは好調で、どこかチグハグな男女関係を絶妙に表現している。バンキー役のジェイソン・リーもナイスな助演ぶりだし、ケイシー・アフレックやマット・デイモンがチラッと出ているのも嬉しい。デイヴィッド・パーナーの音楽も悪くない。同年のインディペンデント・スピリット賞にて、脚本賞と助演男優賞を受賞している。