慶(きょう)聞(もん)抄(しょう)
2018(平成30)年 11月号
(NO、60) 了雲寺 釈幸華
シュウメイギク
ビハーラ活動者研修会
ビハーラ活動のまね事はしてきたつもりですが、きちっと研修を受けたことはないので、思い切って今年6月から来年7月の間に断続的に取り組まれる第27期活動者養成研修会に応募しました。既に福祉やカウンセリングの基礎知識など西山別院での学習を終え、9月末に実践実習として、特別養護老人ホーム・ビハーラ本願寺での1泊2日に参加しました。(実は、2泊3日だったのが台風24号のせいで<おかげで>最終日はカット)
京都府の城陽市、JR山城青谷駅から歩いて20分。甲子園でお馴染みの平安高校の運動場の跡地に、お坊さんのいる「あそかビハーラ病院」と並んで建っています。介護を必要とされる方がビハーラの理念のもとに、仏教・医療・福祉が協同したケアを受けられています。。入居者100名、短期入所者8名。私たち研修生の参加者は10名。北海道から九州から。JR1本で来られる私は、地元の方に次いで2番目に近い人でした。僧侶、介護士、看護師、医療関係者、学生、ご門徒さん、老若男女、いろいろ。
安穏ホールでの餅つき・・ウェブサイトより
施設の特徴は、何といっても他ではない如来さまのいらっしゃる地域交流スペース、安穏ホールでしょう。お夕事は正信偈でしたが、中には教本も見ないで大きなお声でお勤めなさる方が何人かおられました。その後の5分間の法話が私の担当でして、こんなお話をしました。
お供えもの
おばあさんが一人でお住いのお家にお参りした時のことです。お勤めが終わって、お仏壇の手のとどくところにいつものように封筒が置かれてありましたので、今月のお布施は前回いただいたのにまた?と思いつつ、お経本とともに頂こうとしたその時、後ろから声がかかりました。「あっ、それ、違うんです!」 申し訳なさそうな声が続きます。「夏休みで帰ってきている孫が、大学に戻るので、今日挨拶に寄るって電話があって・・。どうせ、お目当てはお小遣いでしょうから、用意しているんです。」
どおりでいつもの白いのと違う、ピンクの、しかも周りに可愛らしいお花が印刷してある封筒でした。「そら、そうですよね。おばあちゃんに若い人が期待するのっていうたらお金ですもんね」と、私も孫の顔を思い出して話を合わせながら、それにしてもこんなややこしいところに置かんでも・・と内心バツの悪さに耐えておりました。
しかし、思い返してみると彼女のしたことは道理です。お菓子や果物、買ってきたら先ずはお仏壇へ。いただきものならなおさらお供えします。孫の顔を見ると、おばあちゃんは言います。「お供え物、お下げしておいで」 言われて初めて孫はお仏壇の前に座ります。座ったら、手を合わせて頭の一つも下げるでしょうね、おばあちゃんがそうしてるの、見てるから。こうして、仏さまとご縁を結ぶきっかけが一回でもできるというものです。何と素敵なはからいではありませんか。
Aさんと
実習の中心は傾聴活動です。スタッフがAさんのそばに椅子を寄せてくださいました。Aさんは私の着ている赤いTシャツの色が綺麗だと褒めてくださいました。何回も。どこから来たのかと聞かれて、大阪からだと答えると目を大きく見開いて驚かれました。何回も。記憶が数分しかもたないのですね。そんなAさんがガラスの向こうの庭に、赤い花が咲いていることを教えてくださったのが今でも不思議です。 合掌
記念撮影
*報恩講11月5日 お寺カフェ 11月21日
2018(平成30)年 11月号
(NO、60) 了雲寺 釈幸華
シュウメイギク
ビハーラ活動者研修会
ビハーラ活動のまね事はしてきたつもりですが、きちっと研修を受けたことはないので、思い切って今年6月から来年7月の間に断続的に取り組まれる第27期活動者養成研修会に応募しました。既に福祉やカウンセリングの基礎知識など西山別院での学習を終え、9月末に実践実習として、特別養護老人ホーム・ビハーラ本願寺での1泊2日に参加しました。(実は、2泊3日だったのが台風24号のせいで<おかげで>最終日はカット)
京都府の城陽市、JR山城青谷駅から歩いて20分。甲子園でお馴染みの平安高校の運動場の跡地に、お坊さんのいる「あそかビハーラ病院」と並んで建っています。介護を必要とされる方がビハーラの理念のもとに、仏教・医療・福祉が協同したケアを受けられています。。入居者100名、短期入所者8名。私たち研修生の参加者は10名。北海道から九州から。JR1本で来られる私は、地元の方に次いで2番目に近い人でした。僧侶、介護士、看護師、医療関係者、学生、ご門徒さん、老若男女、いろいろ。
安穏ホールでの餅つき・・ウェブサイトより
施設の特徴は、何といっても他ではない如来さまのいらっしゃる地域交流スペース、安穏ホールでしょう。お夕事は正信偈でしたが、中には教本も見ないで大きなお声でお勤めなさる方が何人かおられました。その後の5分間の法話が私の担当でして、こんなお話をしました。
お供えもの
おばあさんが一人でお住いのお家にお参りした時のことです。お勤めが終わって、お仏壇の手のとどくところにいつものように封筒が置かれてありましたので、今月のお布施は前回いただいたのにまた?と思いつつ、お経本とともに頂こうとしたその時、後ろから声がかかりました。「あっ、それ、違うんです!」 申し訳なさそうな声が続きます。「夏休みで帰ってきている孫が、大学に戻るので、今日挨拶に寄るって電話があって・・。どうせ、お目当てはお小遣いでしょうから、用意しているんです。」
どおりでいつもの白いのと違う、ピンクの、しかも周りに可愛らしいお花が印刷してある封筒でした。「そら、そうですよね。おばあちゃんに若い人が期待するのっていうたらお金ですもんね」と、私も孫の顔を思い出して話を合わせながら、それにしてもこんなややこしいところに置かんでも・・と内心バツの悪さに耐えておりました。
しかし、思い返してみると彼女のしたことは道理です。お菓子や果物、買ってきたら先ずはお仏壇へ。いただきものならなおさらお供えします。孫の顔を見ると、おばあちゃんは言います。「お供え物、お下げしておいで」 言われて初めて孫はお仏壇の前に座ります。座ったら、手を合わせて頭の一つも下げるでしょうね、おばあちゃんがそうしてるの、見てるから。こうして、仏さまとご縁を結ぶきっかけが一回でもできるというものです。何と素敵なはからいではありませんか。
Aさんと
実習の中心は傾聴活動です。スタッフがAさんのそばに椅子を寄せてくださいました。Aさんは私の着ている赤いTシャツの色が綺麗だと褒めてくださいました。何回も。どこから来たのかと聞かれて、大阪からだと答えると目を大きく見開いて驚かれました。何回も。記憶が数分しかもたないのですね。そんなAさんがガラスの向こうの庭に、赤い花が咲いていることを教えてくださったのが今でも不思議です。 合掌
記念撮影
*報恩講11月5日 お寺カフェ 11月21日
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