2024(令和6)年 11月号(No.132) 了雲寺 釈幸華 |
慶聞抄(きょうもんしょう)
いとこの結婚式にて。右端が小学生の筆者。
歓喜!歓喜!
10月半ばの日曜日に、父の33回忌、並びに母の17回忌をお勤めしました。弟や子どもたちの家族は勿論のこと、来てほしい従妹たちへの周知徹底に励みました。「従妹会しいや」というのが母の常の遺言だったからです。(残念ながら父方で呼ぶような付き合いはなくて。)
年賀状での予告に始まり、夏の終わりに手紙でご案内、月初めに電話で駐車場などの細目連絡を電話・ラインでと、我ながら周到に取り組みました。それでも、(だからか?)結果は、想定していた人員の半分ほどの出席でした。理由は、高齢、不調、多忙と、致し方ないことで。時を改めてまた会う機会を作るようにします。
母の里寺の住職をしている一つ年下の従弟が調声人をしてくれて「仏説阿弥陀経」を皆でお勤めしました。声楽の専門家だけあって、本堂の空気を震わせるほどの声量。こんな小経のお勤めは、ひょっとしたら日本国中どこにもないのではと思うほど。負けじと声を張り上げましたが敵うはずもなく、「獅子吼」のお説法もかくやあらんです。
そのうち唱和しながら思いました。これは、歓喜の歌ではないかと。お内陣できらめくのは朱蝋燭(父母の7回忌からそうしています)。先日お磨きに励んだ輪灯がそれを反射し、洗いに出した上卓の打敷の金糸が映えます。
お勤めの後、従弟は子どもの頃の思い出を交えてご法話をしてくれました。懐かしい伯父さん伯母さんたち、御祖父さんと(遺影でしか知らない)御祖母さん。かけがえのない日々、なんて幸せな子ども時代だったのでしょう! そして、今この時を共に出来た(出来なかった人もいるけど)今日のありがたさ!
ご法話の中の、親鸞聖人のご和讃はこれです。
安楽浄土にいたるひと
五濁悪世にかへりては
釈迦牟尼仏のごとくにて
利益衆生はきはもなし *浄土和讃
阿弥陀さまのご本願のはたらきによって、お浄土に往生し仏さまと成らせていただいた人は、大いなる慈悲のこころをおこし、再びこの迷いの世界に還(かえ)り来て(還相回向といいます)、お釈迦様のように迷いのなかで苦しむ一切の生きとし生けるものを自在に救うはたらきをしていく、とうたわれています。
母は(2人の男兄弟は先に往生したので)4人姉妹の末っ子です。いずれも坊守で、晩年は毎月「姉妹会」と称して寺を巡り集まっていました。うちで開催された時に挨拶に寄ると、「これが最後かもしれへんなぁ」と口々に言って合掌してくれるのでした。こんなことを言えば失礼かもしれませんが、決して優れた人格者たちとは言えません。けれど、お念仏を誰よりも喜んでいた人たちであったのは確かです。
親鸞聖人の思想は、師の法然聖人の念仏往生思想を承け、その極致に達したものと位置づけることができます。悟りへの道を歩む能力の乏しい、いや全く能力を持たない者のために開かれた、言い換えれば100%救う側の阿弥陀仏の力(他力)のみによって成立する教えということができます。*内藤知康師「龍谷パドマ7」
宴が終わりお見送りした後、従弟から電話がありました。「帯、忘れてしまった」あらあら、送りますわ、と言ったその翌日、ご法礼をお渡ししてなかったことに気がついた私でした~!
合掌
釈明和 の
明る~く和む今月の一言
山の公園にて。
やっと秋らしくなりました。今年の夏は異常な暑さでしたね。
さて、夏の光熱費を見直していますと、7月、8月、9月は跳ね上がっていて、思わずのけぞりそうになりました。
今年は、どこのご家庭でも悲鳴をあげておられるのではないでしょうか。
それでもクーラーで快適に過ごせたおかげで熱中症にもならず、夏バテにもならず元気に過ごせたから感謝なんですよね。そう思うと安いもんだ ❤
皆さんも予定外の出費や病気などで、多くの時間とお金を費やしてしまうことって あるかと思います。
不幸って何故か重なるもので、一難去ってまた一難💦 なんてこともありますよね。
なんで~??とイライラしたり、はぁーとため息をつくこともありますね。
そんな時は、良かったぁ、有難う~と言ってみてください。
おかげで安くついた、おかげで時間ができた。
と思えば、チカラが湧いてくると思うんです。
ブッダの言葉にこのようなものがあります。
「ものごとはこころにもとづき、こころを主とし、こころによって作り出される」
岩波書店「ブッダの真理のことば感興のことば」
いつも使っているスマホでも、とても便利で必要と思う人もいれば、不便で煩わしいと思う人もいる。赤ちゃんにとっては、舐めるおもちゃでしょうし、犬にとってはただの板なんです。
その人がどう感じるかで、ものごとは決まっていきます。
つまりは、自分の心によって世界が変わるということですね。
だから、光熱費がいくら高くなっても有難うの感謝の気持ち!!
(・・・ いやいやいや、程度っちゅうもんがあります、、、、)
合掌
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