♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2020年6月号

2020-05-21 10:41:13 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)


      2年前に漬けた梅酒

コロナとともに

   ここにきてセンスをアピール知事マスク

この「闘い」が数か月で終わるようなヤワな相手でないというのがだんだん分かってきて、異常時の日常が始まりました。ソーシャルディスタンス(密を避ける距離)にも慣れたし、フェースシールド(顔を覆う透明膜)を店員さんがかぶっていてもどうってことはありません。

ステイホームと言われ、どれだけの「不要不急」のお楽しみを断念させられたことか。行きたいお店は休業中だったり、時間短縮で出直さなくてはならなかったり。そして、ああっ、私のささやかな楽しみであるNHKの朝の連ドラや大河ドラマが6月で中止になるとは! 

入院中の家族に思うように会いに行けないとか、収入が途絶えて生活に困るとか、深刻な事情を抱えておられる方たちには、しょーむないことでグチグチ言って申し訳ない。

この憎きウィルスですが、様々な言説の中で一番印象深かったのは、生物学者の福岡伸一さんのお話でした。

ウィルスは自己複製だけしてる利己的な存在ではなくむしろ利他的な存在だというのです。・・ウィルス表面のたんぱく質が、私たちの細胞側にある血圧の調整に関わるたんぱく質と強力に結合する。さらに細胞膜に存在する私たちのたんぱく質分解酵素が、ウィルスたんぱく質に近づいてきて、これを特別な位置で切断する。すると、その断端が指先のようにするすると伸びてウィルスの殻と私たちの細胞膜とを巧みに手繰り寄せて融合させ、ウィルスの内部の遺伝物質を細胞内に注入する・・えっ!それって、戦国時代の調略を思わせる裏切りではありませんか!後でどれだけ抗原抗体反応で手柄を立てるとしても、初動の細胞レベルでは私たちの方が積極的にウィルスを招き入れる挙動をしているのです。

これは、学問をしている人にとっては周知のようで、後に読んだ養老孟司さんのお話の中でも、「私たちの遺伝子の4割はウィルス由来」というのがありました。科学の目は軽々と我・彼の垣根を超え、いのちの真の姿を教えてくれています。「単独で存在するものは一つとしてなく、全てのものは縁に繋がってある」何と仏教に聞いてきた通りではありませんか。

ひるがえって、今私たちの世界はどうでしょう。「コロナ後」の社会構築を共に模索しなければならないというのに溝は深まるばかりです。    以下は、本願寺新報5月10日「赤光白光」より。

「山川域異 風月同天」(生まれた国は違っても、天に吹く風や月に国境はなくつながっている。)2月初旬、中国の武漢で感染症の蔓延が発覚した時、日本から贈られたマスクの段ボール箱に添えられていた漢詩で、現地のSNSで話題となった。これは1300年前、長屋王が中国に贈った千領の七条袈裟の縁に縫われていたもので「寄諸仏子 共結来縁」(この袈裟を仏教を学ぶ皆さんに贈ります。ともに仏縁を結ぼうではありませんか)と続く。鑑真和上はこの言葉にこころ動かされ、来日を決意されたと伝わります。              合掌


いただきもののえんどう豆を寒天にして。
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