猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

恐怖に襲われた街

2024-11-30 22:10:36 | 日記
1975年のフランス映画「恐怖に襲われた街」。

パリの高層マンションで女性が転落死する事件が発生。捜査に
乗り出したパリ警察の敏腕警部・ルテリエ(ジャン=ポール・
ベルモンド)の元に、ミノスと名乗る男(アダルベルト・マリア
・メルリ)から電話がかかってくる。彼は自分が事件の犯人だ
と話し、連続殺人を予告。ルテリエは次の標的とされる看護婦
・エレーヌの警護に当たるが、彼女は殺されてしまう。しかし
エレーヌの死によって犯人の意外な正体が明らかになる。次の
標的がポルノ女優・パメラだと突き止めたルテリエは彼女の自
宅マンションへ向かう。

ジャン=ポール・ベルモンド主演のサスペンス・アクション。
こんなフランス映画があったとは知らなかった。パリの高層マ
ンションから、未亡人のノラが転落して死亡した。敏腕警部・
ルテリエは捜査に当たるが、彼は過去の銀行強盗事件の犯人を
追っていた。彼はその事件で相棒を亡くしており、犯人に強い
憎しみを抱いていた。そのため銀行強盗事件を優先させ、転落
死事件にあまり関心を持っていなかった。
ノラは死ぬ直前にいたずら電話を受け、通報していた。ノラの
死因は、ストーカーへの恐怖で心臓が止まり、その後窓から落
ちたのだとわかる。そしてルテリエ宛てにノラのストーカーか
ら電話が入った。ミノスと名乗るその犯人は、身持ちの悪い女
性を嫌悪し、嫌がらせをしているようだった。ルテリエは署長
の命令で仕方なく事件の捜査に取り掛かる。
アクションものだと思ったが、警察の地道な捜査もよく描かれ
ており、サスペンスとしてもなかなかおもしろかった。とにか
くベルモンドのアクションがすごい。この人こんなに動ける人
だったんだ、と思った。ジャッキー・チェンばりのアクション
を見せ、迫力があった。特にパリの建物の上でのルテリエとミ
ノスの追っかけ合いや、ヘリコプターから宙吊りになってビル
の窓を破ってのダイブなどはすごかった。
しかしパリの刑事がこんなに動けるかな、という気持ちはあっ
た。こういうアクションはジャッキー・チェンの専売特許では
ないだろうか。まさに香港映画。でもミノスの義眼やルテリエ
がそのことに気づくエピソードはおもしろかったし、サスペン
スフルだったのでまあいいか。


お久しぶりのノエル
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ベル1年 & ノエル誕生日

2024-09-25 21:00:51 | 日記
ベルが亡くなってから9月6日で1年だった。あっという間だった。
あまりにも突然の別れだったので、1年経っても私は気持ちの整理
がつかない。もっとしてあげられることはなかったのか、という気
持ちに悔やまれてならない。でもその一方、あれが運命の日で、い
ずれにしてもベルは亡くなったのだろう、という思いもある。
今頃ベルは天国で、ちゃぴやななやさくらと一緒に元気に遊び回っ
て、幸せに暮らしていることだろう。病気のない国で。そして私た
ち家族を見守ってくれていることだろう。いつかみんなにまた会え
る。私はそう信じている。

人懐こくてかわいかったベル。






9月9日はノエルの7歳の誕生日だった。ついこの間まで子猫だった
のに、もう7歳なんだなあ。ノエルはうちの猫の中で1番やんちゃ。
これからも元気に暮らしてね。

ペット保険の会社が送ってくれたバースデー・カード。かわいい。

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腸閉塞で入院した話

2024-09-19 22:15:51 | 日記
私は8月下旬に腸閉塞で入院していました。ある日の朝、ひどい胃の
痛みと吐き気で目を覚まし、苦しんでいました。ちょうどその日内科
の予約をしていたので、よろよろしながら内科に行きました。採血と
腹部エコーを撮って、先生が「白血球の数がとんでもないことになっ
ている」と。「お腹の中で何らかの炎症が起きている」と言われて、
すぐに抗生剤の点滴を打たれました。そうこうしている間にも胃痛は
激しくなっていき、何度も嘔吐しました。ものすごく苦しかったです。
そして「腸閉塞だと思うから入院してください。放っておくと大変な
ことになります」と言われました。え~入院!と思ったけど、それ以
外の選択肢はないほど苦しくて苦しくて。すぐ病室に行きましたが、
トイレは車椅子で連れていってもらうほど。
絶食で点滴治療が始まりましたが、あまり胃痛や吐き気は和らぎませ
んでした。4日目に、「あまり良くなっていないからもっと大きな病
院に移転しましょう」と言われてがっかり。腸閉塞の治療には鼻から
管(イレウス管)を通すのが効果的らしいのですが、その病院にはその
管がないと。そこで私は別の病院に移転になりました。
そしてイレウス管を鼻から通す処置がとても辛かったのです。鼻に管
が通っているので邪魔だし、顔と喉が痛い。もうたまりませんでした。
先生は「辛い治療だけど、劇的に治りますから頑張って」とおっしゃ
って。顔と喉の痛みに耐えながら、胃痛は少しずつ治っていきました。
腸閉塞って病名は何となく聞いたことはあったけど、こんなに症状が
重くて辛くて、治療もこんなに辛いなんて知りませんでした…もう2
度と罹りたくないです。
という訳で入院しており、退院後も体調がとても悪かったので、ブロ
グの更新もできず、皆さまのブログへの訪問もできませんでした。だ
いぶ間が空いてしまいましたが、またよろしくお願いします。
でもまだ体調は良くなったとは言えず、近々また検査入院するかもし
れません。(腸閉塞ではありません)その時はまた記事の更新や皆さ
まのブログへの訪問ができなくなりますが、申し訳ありません。早く
戻ってきたいものです。



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狂気の行方

2024-08-17 21:22:31 | 日記
2009年のアメリカ・ドイツ合作映画「狂気の行方」。

サンディエゴの閑静な住宅街で殺人事件が起きる。実母を殺した
ブラッド・マッカラム(マイケル・シャノン)は何者かを人質にと
って自宅に立てこもる。ヘイヴンハースト刑事(ウィレム・デフ
ォー)らはブラッドの説得にあたる一方で、現場に駆け付けたブ
ラッドの婚約者イングリッド(クロエ・セヴィニー)やブラッドを
よく知る舞台演出家のリー・マイヤーズ(ウド・キア)、そして事
件現場となった向かいの家の住人ロバーツ母娘から、事件に至る
経緯を聞く。

1979年にアメリカで実際に起きた実母殺害事件から着想を得た、
サイコ・サスペンス。監督はヴェルナー・ヘルツォーク、製作総
指揮にデヴィッド・リンチ。過干渉な母親と2人暮らしで極度な
マザコンだったブラッドは、ペルーに行ってから人が変わったよ
うになり、異常な言動を繰り返していた。また、舞台俳優だった
ブラッドはギリシア悲劇の主演俳優として稽古に参加していたが、
母殺しの役を演じる中で更に言動が異常なものとなっていき、遂
には役を下ろされてしまう。
ブラッドの異常さに恐怖を感じた母親は、ある朝、向かいのロバ
ーツ家にブラッドと共にやってくる。ところがロバーツ母娘と4
人でコーヒーを飲んでいる最中、ブラッドは舞台で使うつもりで
叔父からもらった剣で母親を殺してしまう。海外に旅行したのを
きっかけに人が変わったようになるというのはたまに聞く話だが、
そこまで影響を受けるともはや精神病なのではないかと思う。帰
国してからブラッドは自分が演じるギリシア悲劇の主人公と自分
を重ね合わせていたのではないかと思う。
主人公がどうして母親を殺すのかはわからないが、ブラッドは日
頃から過干渉な母親とマザコンである自分に嫌気がさしていたの
ではないだろうか。そして母親を殺し、自宅に人質をとって立て
こもってしまう。ヘイヴンハースト刑事は説得にあたるが、ブラ
ッドはピザを注文しろなどと言い、ヘイヴンハースト刑事は銃を
置いてブラッドにピザを渡す。ブラッドの目的が何なのかわから
ず、刑事たちは困惑する。ブラッドの婚約者のイングリッドや舞
台演出家たちがやってくるが、イングリッドは極度なマザコンの
ブラッドとよく婚約する気になったなあと思う。
私はヴェルナー・ヘルツォーク監督の映画を知らないので、この
映画がヘルツォーク監督らしい映画なのかわからない。私から見
ればデヴィッド・リンチ・ワールドだ。色使いなんかも、ブラッ
ドの異常な表情なんかも。ブラッドは間違いなく統合失調症だと
思う。実際の母殺し事件に着想を得ているそうだが、どこまで参
考にしているのだろう。オチまで一緒だったとしたら、その事件
の犯人は相当頭がおかしい。まさか一緒ではあるまい。デヴィッ
ド・リンチの妙な映画、という感じだったが、それほどおもしろ
くなかった。



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シチリア・サマー

2024-08-11 21:43:55 | 日記
2022年のイタリア映画「シチリア・サマー」。

1982年、初夏のイタリア・シチリア島。バイク同士で衝突し、気を
失った17歳のジャンニ(サムエーレ・セグレート)に、16歳のニーノ
(ガブリエーレ・ピッツーロ)が駆け寄る。生い立ちも性格も異なる
2人は惹かれ合い、芽生えた友情は激しい恋へと変化していく。一緒
に花火を打ち上げたり、秘密の約束を交わしたりするなど、2人で過
ごすかけがえのないひとときは、しかし、ある日突然終わりを迎える。

実話を基に、少年たちの初恋を描くラブストーリー。舞台は1982年
初夏、16歳のニーノはバイク同士でぶつかり、気絶して息もできな
くなった17歳のジャンニに駆け寄り、人工呼吸を施し命を救う。2
人は育ちも性格もまるで違うが、この運命的な出会いをきっかけに、
友情が芽生え瞬く間に激しい恋へと変化していく。ニーノの家族は両
親と姉、姉の幼い息子。家族は庭で昼食を摂るが、ニーノの両親はニ
ーノに卒業祝いのプレゼント、オートバイを用意していた。
両親や親戚からたくさんの愛情を注がれ、明るく素直に成長したニー
ノはさっそくバイクの試運転に出かける。一方別の町で整備工場に勤
めるジャンニは、ゲイであることをからかわれていた。その頃、ジャ
ンニは町から遠く離れた客の家に、バイクを納車しに行くよう指示さ
れる。ジャンニは出かけようとするが、知り合いの男から体の関係を
迫られ、激しく抵抗したジャンニは納車するバイクで走り出す。激怒
した男はバイクで追いかけ、しつこく絡んでくる。そこへ帰宅途中の
ニーノと出くわし、道に倒れ込む。男は逃げるが、呼吸が苦しそうな
ジャンニにニーノは人工呼吸を施す。
そして自分の不注意だったからと、何かあったらすぐに連絡するよう
にと、連絡先を書いたメモをニーノはジャンニに手渡す。ジャンニも
得意先へ無事バイクを納車し、帰宅する。ジャンニはまた問題を起こ
したら矯正院へ送り返すと、整備工場の経営者から言われていた。ジ
ャンニはバスに乗ってニーノの家へ行き、花火師であるニーノの父親
にここで働かせて欲しいと頼む。父親は花火師の仕事は間に合ってい
るが、別の仕事を紹介すると約束する。そしてニーノの家族と昼食を
食べ、ニーノに「いい家族だね」と言う。
ニーノの父親は自分の兄が責任者をしている採石場で働くよう勧める。
ニーノはジャンニの仕事が終わる頃やってきて、ニーノが独り占めし
て泳いでいる川の入り江に連れて行く。そこで泳いだり、ニーノは自
分の夢は花火師の父親の跡を継ぐことだと話したりする。2人の友情
が恋に変わるのに時間はかからなかった。2人はかけがえのない時間
を共にするが、彼らがゲイだという噂が流れる。40年前のイタリア
は保守的だったのだろうか。宗教的なものもあったのかもしれないが、
同性愛者は嫌悪されていたようだ。シチリアの青い空と海、新緑、美
しい風景がたくさん見られるからこそ、ラストシーンは悲惨だ。これ
が実話だと思うと尚更かわいそうである。何故2人の少年はあんな目
に遭わなければならなかったのだろう。重たい映画だった。



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