猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

すべては海になる

2015-08-15 07:01:39 | 日記
2010年の日本映画「すべては海になる」。
夏樹(佐藤江梨子)は大型書店で働く27歳。夏樹はお勧めの本のポップを書くのが
得意で、それに惹きつけられた様々なお客が、彼女が作った本棚に集まっていた。
ある日夏樹は万引きを目撃。捕まえたのは、いつも淋しげに時間を潰していた中年
の主婦だった。しかし盗まれた本はなく、夏樹の間違いだったとわかる。謝罪に訪れ
た家で、彼女は高校生の光治(柳楽優弥)と出会う。

本が好きで、本を心の支えにして生きている2人の男女の物語。なかなかおもしろ
かった。男女と言っても27歳の女性と男子高校生なので、恋愛関係にはなりそうで
ならないのだが。信頼関係といったところか。
書店員の夏樹は万引きと間違えてある主婦を捕まえてしまう。店長と一緒に謝罪
に行くが、実はその主婦は万引きの常習犯だった。主婦の夫もそれを知っていな
がら夏樹を責める。この家庭は、暴力的で威圧的な父親、そのためいつもビクビク
していてノイローゼ状態の母親、不良の妹がおり、崩壊寸前だった。長男の光治は
そんな家庭をなんとか立て直したいと思っていた。光治が書店を訪ね、夏樹に、自
分がなんとかするからもう謝罪には来なくていい、と告げたことから、夏樹と光治は
急速に親しくなっていく。
でも実際、書店員とお客が携帯電話の番号やメールアドレスまで交換して、あんな
ふうに仲良くなったりするものだろうか、と思った。夏樹は大手出版社勤務の鹿島
(要潤)と付き合っているが、光治はそれに嫉妬したりする。10歳くらい年上の女性
に対して、恋愛感情なのかよくわからない気持ちを持つ。夏樹も微妙に光治のこと
が気になる。その心情を佐藤江梨子と柳楽優弥は繊細に表現していて、とても良
かった。
ぶん殴りたくなるくらい憎たらしい光治の父親のキャラクターや、本当の愛を見つ
けられなくて悩む夏樹、鹿島のクールな態度、光治の不安げな表情など、どれも
良かった。この映画は公開当時に佐藤江梨子のベッドシーンが話題になったらし
いが、スリップ着てるし、大したことはない。でもとてもスタイルがいいのが印象的
だった。



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