猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

龍三と七人の子分たち

2016-02-15 05:32:00 | 日記
2015年の日本映画「龍三と七人の子分たち」。
かつてヤクザの組長だった龍三(藤竜也)は息子・龍平(勝村政信)の元で隠居
生活を送っているが、龍平はヤクザの息子と白い眼で見られた過去から、父子の
仲はうまくいっておらず、龍三は家庭の中でも窮屈さを感じていた。連休に龍平が
妻の実家へ帰省、留守を預かる最中に詐欺集団・京浜連合からオレオレ詐欺の
電話がかかる。ひっかかりかけた龍三は、彼らの存在を知り、詐欺で人々を騙す
連中を成敗しようと、昔の仲間を呼び寄せて世直しに立ち上がる。

北野武監督のアクション・コメディ映画。愉快痛快、スカッとおもしろかった。何も
考えずに安心して観られるのがいい。藤竜也を初め、七人の子分たちは近藤正臣、
中尾彬、小野寺昭などそうそうたるメンバー。みんな年を取ったなあ。安田顕をリ
ーダーとした京浜連合がオレオレ詐欺などの詐欺行為をしていると知った龍三は、
昔の仲間を集めて「一龍会」を作り、若い奴らに好き勝手にはさせないと、成敗に
乗り出す。
テンポがいいし、とにかくセリフがおもしろい。ツービートのコントみたいで単純に
笑える。私が1番好きなセリフは、序盤の龍三のメダルの話をしている時のセリフ。
最高におかしい。8人の俳優陣の演技はさすが。こんなにもじいさん達が活躍する
映画って他にあっただろうか。龍三と龍平の会話もいい。子供の頃から龍三にさ
んざん迷惑をかけられてきた龍平の態度は冷たいが、龍三は何も言えない。
笑える中にも高齢化社会への問題をさりげなく投げかけていたりして、シニカル
でもある。こういうところはさすが北野武だなあ~、と思う。終盤はアメリカ映画
みたいにバスが暴走し、街中の物を壊していくという展開になるが、それでもた
だのアクション・コメディでは終わらない。ラストの龍三のセリフと物悲しいエンディ
ングの曲で、映画全体を締めるのである。
主要キャスト8人をじいさんにするなんて、たけしにしか思いつかないだろうな~。



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コメント
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