猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

伴奏者

2016-12-20 01:23:55 | 日記
1992年のフランス映画「伴奏者」。
1942年の冬、ドイツ占領下のパリ。世界的なプリマ、イレーヌ(エレナ・ソフォーノヴァ)の
専属ピアニストになった少女ソフィ(ロマーヌ・ボーランジェ)は、美しく奔放な彼女に憧れる
一方、憎んでもいた。常にスポットライトを浴びるのは当然、と傲慢なところもある女だっ
たが、事業家の夫シャルル(リシャール・ボーランジェ)はあふれるばかりの愛をイレーヌ
に注いでいた。やがてナチの台頭凄まじく、対独協力者に見えたシャルルはカバン1つで
妻とソフィを連れてロンドンに渡る。しかしそこでイレーヌを待ち受けていたのは、若い愛
人ジャック(サミュエル・ラバルト)だった。

クロード・ミレール監督の戦時下を舞台にした人間ドラマ。ソフィはピアノの腕を認められ、
世界的に有名なプリマ、イレーヌの専属ピアニストになる。ソフィはイレーヌに憧れを抱き
ながらも、常に注目され喝采を浴びるのはイレーヌであり、自分はいつも影の存在であ
ることから、複雑な思いも持っていた。だがイレーヌとシャルル夫妻はソフィをかわいがっ
てくれていたので、ソフィは2人を尊敬していた。ところがイレーヌに愛人がいるとわかり、
シャルルのことを思うとソフィは苦悩するのだった。シャルルも妻に愛人がいることに気づ
いてはいたが、何も言えないのだった。
クロード・ミレールは登場人物の、特に少女の繊細さを描くのがとてもうまい人だと思う。
私は実はロマーヌ・ボーランジェが好きではないのだが、この映画のロマーヌはとてもい
い。華やかなプリマに憧れ、彼女の伴奏者に選ばれたことを喜び、しかし憎しみも持って
いる、その細やかな心情を見事に体現していた。父親のリシャール・ボーランジェもまた、
渋さと中年の男の悲哀を描写していて、とても良かった。これぞフランス映画。王道中の
王道で、ラストも良かった。




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コメント (2)
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