2000年の日本映画「おしまいの日。」。
大学時代に知り合い結婚した三津子(裕木奈江)と忠春(高橋和也)。保険会社に勤める
忠春はノルマに追われ、深夜に帰宅して朝食もとらずに出かける多忙な日々を送って
いた。三津子は夫の体を心配し、毎日夕食を作り、ひたすら待ち続けていた。次第に
三津子の心配は過剰になり、忠春はそんな三津子を愛しながらも重荷に感じ始める。
三津子は心配のあまり精神を病んでいく。
新井素子の小説の映画化である。私は原作を読んでいないのでおもしろかったのだが、
原作を読んだ人は重要な描写が省略されていて物足りなかったようだ。とにかく忙しく、
あまり家にいない夫。食事もまともにとらず、睡眠時間も充分ではない。そんな夫の体
を非常に心配する妻。日本ではありがちな光景かもしれない。だが妻の三津子は夫の
忠春を愛しすぎて、心配しすぎて、精神が不安定になっていく。
三津子は偶然高校時代の友人・久美と再会し、三津子がノイローゼ状態にあることを
気づいた久美は、何かと三津子のことを気にかける。実は久美は夫とうまくいっておら
ず、離婚話も出ていた。三津子夫婦と並行して久美夫婦の関係も描かれる。三津子が
久美みたいに気が強くて、何でも言える性格だったら、恐らく精神を病むことはなかった
だろう。おとなしくて心配性で、日記に書くのも夫のことばかり。これでは病んでもおかし
くはない。
ひたむきに夫を愛し、心配し、心が崩れていく痛々しい妻の様子を演じる裕木奈江の
演技力はさすが。私は昔から裕木奈江のファンである。彼女はやっぱり演技がうまい。
ラストも本当に痛々しい。三津子と忠春の結婚は何だったのだろう。もし忠春があんな
に多忙な人ではなかったら?もし三津子があんなに心配性ではなかったら?2人は幸
せになれたのだろうか。ほんのちょっとしたズレで人間関係は変わっていくのだと考え
させられた。辛い映画だった。

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大学時代に知り合い結婚した三津子(裕木奈江)と忠春(高橋和也)。保険会社に勤める
忠春はノルマに追われ、深夜に帰宅して朝食もとらずに出かける多忙な日々を送って
いた。三津子は夫の体を心配し、毎日夕食を作り、ひたすら待ち続けていた。次第に
三津子の心配は過剰になり、忠春はそんな三津子を愛しながらも重荷に感じ始める。
三津子は心配のあまり精神を病んでいく。
新井素子の小説の映画化である。私は原作を読んでいないのでおもしろかったのだが、
原作を読んだ人は重要な描写が省略されていて物足りなかったようだ。とにかく忙しく、
あまり家にいない夫。食事もまともにとらず、睡眠時間も充分ではない。そんな夫の体
を非常に心配する妻。日本ではありがちな光景かもしれない。だが妻の三津子は夫の
忠春を愛しすぎて、心配しすぎて、精神が不安定になっていく。
三津子は偶然高校時代の友人・久美と再会し、三津子がノイローゼ状態にあることを
気づいた久美は、何かと三津子のことを気にかける。実は久美は夫とうまくいっておら
ず、離婚話も出ていた。三津子夫婦と並行して久美夫婦の関係も描かれる。三津子が
久美みたいに気が強くて、何でも言える性格だったら、恐らく精神を病むことはなかった
だろう。おとなしくて心配性で、日記に書くのも夫のことばかり。これでは病んでもおかし
くはない。
ひたむきに夫を愛し、心配し、心が崩れていく痛々しい妻の様子を演じる裕木奈江の
演技力はさすが。私は昔から裕木奈江のファンである。彼女はやっぱり演技がうまい。
ラストも本当に痛々しい。三津子と忠春の結婚は何だったのだろう。もし忠春があんな
に多忙な人ではなかったら?もし三津子があんなに心配性ではなかったら?2人は幸
せになれたのだろうか。ほんのちょっとしたズレで人間関係は変わっていくのだと考え
させられた。辛い映画だった。

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