2019年の日本映画「記憶にございません!」。
国民からは史上最悪の嫌われ総理と呼ばれた総理大臣の黒田啓介(中井貴一)
は、演説中に一般市民の投げた石が頭に当たり、記憶を失くしてしまう。各
大臣の顔や名前はもちろん、国会議事堂の本会議室の場所、自分の妻や息子
の名前すらもわからなくなってしまった啓介は、金と権力に目がくらんだ悪
徳政治家から善良な普通のおじさんに変貌してしまった。国民の混乱を避け
るため、啓介が記憶を失ったことは最高機密として隠され、啓介は首相秘書
官の井坂(ディーン・フジオカ)たちのサポートにより、何とか日々の公務を
こなしていった。
三谷幸喜監督・脚本のコメディ。暴言や傲慢な態度から史上最低の支持率を
叩き出した総理大臣の黒田啓介。演説中に一般市民から石を投げられ、頭に
当たって記憶喪失になってしまう。病院のベッドで目覚め、何が何だかわか
らない彼は、病院を抜け出してパジャマ姿で夜の街をうろつくが、突然車が
何台も停まり、秘書官を名乗る者たちから「お迎えにあがりました、総理」
と言われ、総理大臣官邸に連れ戻される。そして自分が記憶喪失であること
はトップシークレットであると告げられる。
啓介は昔のことは覚えているのだが、国会議員になってからの記憶を一切失
くし、当然自分の政策や妻子の名前や顔も思い出せない。こういうのって映
画や漫画などでよく見ると思う。昔のことは覚えているのに最近のことを忘
れてしまう、というもの。記憶喪失にはそういうタイプが多いのだろうか。
啓介が記憶喪失であることを知っているのはごく身近にいる数人だけ(妻子
も知らない)。とにかくいろんな公務を控えている状況で、議員たちにも知
られては困るのだった。
とてもおもしろい映画で、小ネタがちょこちょこあって笑える。総理大臣官
邸の料理人(斉藤由貴)を妻だと思って抱きつき、びっくりされて、事務秘書
官(小池栄子)から「奥様ではございません」と言われたり、「僕に総理なん
て無理だよ~」と困惑したり、「何でこんなに支持率が低いの!?」と驚い
たりと、とにかく笑える。生活に少し慣れてきて、妻と息子と一緒にレスト
ランへ行くが、息子の名前を何度も間違え、ワインを注文する時「未成年じ
ゃないよね?」と聞き、息子に「未成年です」と呆れられるシーンなんかと
てもおもしろい。優しく穏やかになった啓介に妻は恐怖を感じている。
啓介は次第に真摯に政治と向き合うようになってきて、本気でこの国を変え
たいと思い始める。私は三谷幸喜の映画はほとんど観ていないが、登場人物
がやたら多いイメージがある。この映画もやたら人が出てくるし、そしてキ
ャストの演技が皆とてもいい。中井貴一のコミカルな演技はもちろんだが、
冷静沈着で無表情のディーン・フジオカも良かった。ラストはちょっと感動
的だし、とてもおもしろい政界コメディだった。
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国民からは史上最悪の嫌われ総理と呼ばれた総理大臣の黒田啓介(中井貴一)
は、演説中に一般市民の投げた石が頭に当たり、記憶を失くしてしまう。各
大臣の顔や名前はもちろん、国会議事堂の本会議室の場所、自分の妻や息子
の名前すらもわからなくなってしまった啓介は、金と権力に目がくらんだ悪
徳政治家から善良な普通のおじさんに変貌してしまった。国民の混乱を避け
るため、啓介が記憶を失ったことは最高機密として隠され、啓介は首相秘書
官の井坂(ディーン・フジオカ)たちのサポートにより、何とか日々の公務を
こなしていった。
三谷幸喜監督・脚本のコメディ。暴言や傲慢な態度から史上最低の支持率を
叩き出した総理大臣の黒田啓介。演説中に一般市民から石を投げられ、頭に
当たって記憶喪失になってしまう。病院のベッドで目覚め、何が何だかわか
らない彼は、病院を抜け出してパジャマ姿で夜の街をうろつくが、突然車が
何台も停まり、秘書官を名乗る者たちから「お迎えにあがりました、総理」
と言われ、総理大臣官邸に連れ戻される。そして自分が記憶喪失であること
はトップシークレットであると告げられる。
啓介は昔のことは覚えているのだが、国会議員になってからの記憶を一切失
くし、当然自分の政策や妻子の名前や顔も思い出せない。こういうのって映
画や漫画などでよく見ると思う。昔のことは覚えているのに最近のことを忘
れてしまう、というもの。記憶喪失にはそういうタイプが多いのだろうか。
啓介が記憶喪失であることを知っているのはごく身近にいる数人だけ(妻子
も知らない)。とにかくいろんな公務を控えている状況で、議員たちにも知
られては困るのだった。
とてもおもしろい映画で、小ネタがちょこちょこあって笑える。総理大臣官
邸の料理人(斉藤由貴)を妻だと思って抱きつき、びっくりされて、事務秘書
官(小池栄子)から「奥様ではございません」と言われたり、「僕に総理なん
て無理だよ~」と困惑したり、「何でこんなに支持率が低いの!?」と驚い
たりと、とにかく笑える。生活に少し慣れてきて、妻と息子と一緒にレスト
ランへ行くが、息子の名前を何度も間違え、ワインを注文する時「未成年じ
ゃないよね?」と聞き、息子に「未成年です」と呆れられるシーンなんかと
てもおもしろい。優しく穏やかになった啓介に妻は恐怖を感じている。
啓介は次第に真摯に政治と向き合うようになってきて、本気でこの国を変え
たいと思い始める。私は三谷幸喜の映画はほとんど観ていないが、登場人物
がやたら多いイメージがある。この映画もやたら人が出てくるし、そしてキ
ャストの演技が皆とてもいい。中井貴一のコミカルな演技はもちろんだが、
冷静沈着で無表情のディーン・フジオカも良かった。ラストはちょっと感動
的だし、とてもおもしろい政界コメディだった。
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