TV番組”笑点”メンバーの三遊亭好楽が、5月に真打ちに昇進する三番弟子に、「林家九蔵」を襲名させようとして、見送りになった。
9代目林家正蔵(三平の長男)が、異議を唱えたからで、複雑な人間関係を垣間見る思いがする。
三遊亭好楽は、8代目林家正蔵(後の彦六)に入門し、17年間、「林家九蔵」を名乗っていたが、8代目正蔵の没後、5代目三遊亭円楽門下に移った後、現在の芸名に改名した。いわば、林家一門と袂を分かった。
今回、弟子の真打ち昇進を機に、愛着のある林家九蔵を継がせたいと思い、8代目正蔵の遺族や、一門の兄弟子の林家木久扇の了解を取り付け、2代目九蔵からも名前を返上して貰ったうえで、発表にこぎつけた。
ところが、9代目林家正蔵が、「三遊亭に行かれたんだし、その一門で林家を名乗るのはおかしい」と、クレームをつけた。その背景には、一門の凋落と、かつて、三遊亭円楽が、立川談志と一緒に、落語協会から離れた因縁話も見え隠れする。
余談だが、立川一門には、志の輔などの人気落語家が沢山いるが、今なお、定席から締め出されている。
どんな組織でも、構成員の個性や感情が異なるので、摩擦を避けられない。落語界といえども、一笑に付すとは行かないのが落ちのようだ。(^_-)-☆