午前5時半過ぎ、空模様を気にしつつ走り出したのだが、自宅から300メートル程離れたところにあるイタリアン・レストランの駐車場にパトカーが3台。進入禁止のロープが張り巡らされ、二人の屈強な警察官が両手を後ろに組んで立っていた。何かの事故現場らしかったが、野次馬の姿もなく、異様な光景を横目に前を通過した。
20分近く走った頃、心配していた雨が降り出した。西の空は明るかったが、東の空には黒雲が立ち込めていた。反対コースを選べばよかったと反省したが、本降りになると困るので、Uターンして急いで帰宅した。
朝食時、妻がNHKテレビ・ニュースの全国版に「金沢で殺人事件」とのテロップを見つけた。私がジョギング時に見たのは、殺人事件現場だったのだ。1階部分がレストランで2,3階がアパートになっていて、被害者は2階に住む22歳男性会社員だった。連日、物騒な事件が報じられても遠くの出来事のように感じていたが、身近な事件だけに緊迫感がまったく違う。
知らずにいれば怖くないことでも、知ることによって恐怖を感じるのは、事件だけではない。厚生年金データ不一致のニュースに、世の中の舞台裏を知らない方が無難なのかも知れないと、別次元の恐怖感をもった。