妻を残し自由席探しに出たが、通路に人があふれ空席がある筈も無かった。荷物を網棚に置いたまま、デッキに出て思案していたら、同じ扱いを受けた乗客が数人、デッキに出て来た。
かなり高齢の女性が、「次の電車の指定券持ってたけど、改めてお金を払うから」とお願いしてもダメだったと愚痴るのを聞いた中年男性が、「返金手続きを要求したら」と言った。
福井・鯖江・武生・敦賀と各駅で乗客が増えてきたが、ガラス越しに、かなりの空席が見えた。次の京都まで50分以上あり、返金よりも座りたいので、車掌に掛け合うことにした。
検札済みの切符を見せ、「この座席のお客さんが来るまででいいから」と言うと、「構いませんよ」との返事。対応次第では、文句を言おうと構えていたので、肩すかしを食ってしまった。
指定席券を持ちながらデッキに居た人達に声を掛けると、5人程が空席に座った。その後、車掌がとった行動は、ナント、3人の子供連れの夫婦に対する空き席の販売だった。
予想通り、京都で半数近くの乗客が下車した。指定席完売だった筈なのにと、怒りが再燃したが、新大阪での乗継ぎ時間の方が不安になり、自制した。