プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★虚無感

2007-06-30 10:21:48 | 日記・エッセイ・コラム

 「おもしろきこともなき世をおもしろく」とは、安倍総理が尊敬する高杉晋作の句。就任からわずか9ヶ月の間に、次々と重要法案を成立させた総理の胸中には、結びの「おもしろく」が心地よく響いているに違いない。

 予想通りとはいえ、会期延長した国会で、政府懸案の法律がすべて成立した。民主主義の原則をこれ程、痛切に思い知らされたことはない。審議不十分との思いもあるが、かといって、無制限に議論を続けるのも考えものだ。中身はどうあれ、一応、体裁が整った以上、実のあるものにして貰いたいと願う。

 さて、安倍総理は就任後、訪中・訪韓、予算成立に引き続き、国民投票法、教育3法、イラク特措法、社保庁改革、公務員人材バンク、政治資金規正等々の重要案件をこの短期間に成立させた。「成果をあげて国民に信を問いたい」との言葉と裏腹に、恐怖すらおぼえる。強行採決も議会制民主主義の合法的な側面であることを、有権者ひとり一人がわきまえて、国政を見つめる必要性を改めて思い知らされた気がする。

 晋作の師にあたる吉田松陰は、人間の人生には長い短いに関係なく四季があるとのたまった。総理は、まさに冬から春に向かう気分だろうが、秋から冬に差し掛かった私は、与えられた時間を、「おもしろ おかしく せいいっぱい」満喫したいと思っている。


★梅雨の晴れ間~再始動~

2007-06-28 09:38:15 | 日記・エッセイ・コラム

 京都での転倒事故からほぼ1ヶ月。傷あとのかさぶたの煩わしさも感じなくなり、久し振りに1時間ジョグに挑戦した。10日の美瑛ヘルシーマラソン後、週2回30分前後のジョグで調整していたが、梅雨の晴れ間が良い汗をかけと背を押した。

 自宅から3.5キロ程離れた野田山のふもとにある「大乗寺」までの往復は、私の好きなコースのひとつだ。大乗寺は、永平寺の四門首の一つで総持寺とも深いかかわりを持つ古刹で、来年、開山700年を迎える。観光コースに組み込まれていないおかげで、境内は閑静で厳粛な空気に包まれている。

 子供の頃に遊んだ野田山スキー場は緑地公園となり、今はあじさいの花が咲き誇っている。高台から金沢市街地を見やりながら、思いっきり息を吸い込むとすがすがしい。以前は、往路26~7分、帰路22~3分で走ったが、今朝方は往路に32分を要した。

 帰りの急な下りでは、ずいぶん臆病になったものだと思いつつも歩いた。女房に、「痴呆が進むと、転ぶ頻度が多くなるそうよ」とからかわれたが、怪我をしたらもとの木阿弥と自重した。平均心拍数は129で、好調時よりも10近く高かった。それでも、ようやく本格的にジョギングが楽しめる身体に戻りつつあることを実感できたことが収穫だった。


★責任の格差~民と官~

2007-06-27 09:50:37 | 日記・エッセイ・コラム

 食品加工の「ミートホープ社」の偽装事件は、内部告発から会社閉鎖に追い込まれ、従業員71名全員が解雇された。理不尽と承知しつつも、従うしか道が無かった従業員の弱い立場は同情する。高齢者が、これから他に職を求めることも難しいだろう。が、食に関する日本人の潔癖性は、性善説が拠り所だけにやむを得ない。

 「消費者も安い物を求めるのが悪い」との社長の迷言が余計、反感をあおった。スーパーなどが捨て値同然でバーゲンをし、それに群がる消費者の姿も愚かしい。が、それを「あんたにだけは、言われたくない」というところか。

 偽装は、食品業界だけでない。コムスンやNOVA、或いはマンションの強度不足、企業の粉飾決算も偽装工作だ。いずれも、民間企業が犯した事件は、公の場で糾弾され裁かれる。行政は、「規制緩和で緊張緩和したのだ」と、世論の批判に迎合するかのように、罰則強化を含めた再発防止策で、規制を強化するが、常に後追いである。

 昨夜、塩崎官房長官は、社保庁の「ボーナス自主返納でお詫び」に関連し、「これに応じない職員は、新機構へ採用しない」旨の談話を発表した。社保庁の職員を全ていったん解雇し、新らしく創る『日本年金機構』には、やる気のある職員だけを雇用するとの考え方を強調したものだが、見識を疑う。返納総額10億円で、全員が身分保証されるのかとの疑問がわく。

 年金制度自体の欠陥が噴出しているのに、新機構法案を急ぐ理由が全く理解できない。看板を塗り替えたら、またまた大切な情報が欠落し兼ねない。一番実務に詳しいのは現組織構成員以外にはいない。不祥事の後始末を最後までさせるべきだ。民間とちがい、身分は保証されているのだから。


★明細書すかして見れば、、、

2007-06-25 10:25:29 | 日記・エッセイ・コラム

 今日が給料日のサラリーマン諸氏も多い。梅雨特有のうっとおしい気分を吹き飛ばすために、飲み屋へ行きたいと思っているお方は、先ずは給与明細書を見てからにして頂きたい。きっと、酒の場での話題に事欠かない。

 給料が現金支給だった頃と異なり、口座振込制度は、消費税の内税方式と同様、税負担の実感がわき難い。おまけに、サラリーマンの所得税率は、1月に半分になったので、いったん手取り額が増えた。今月から、住民税がアップしてチャラになる仕組みだが、半年間のタイムラグが増税感を増幅させる。

 本来、「三位一体論」の具現化であり、地方の裁量権が増えるので歓迎すべきことなのだが、増税感を払拭出来ないのは、「定率減税の廃止」の影響が大きいからだ。小渕内閣は、景気回復策として「恒久減税」を掲げ、「法人と個人双方に優遇策」を講じた。が、景気が回復基調に入るや、小泉&安倍政権は、個人の定率減税だけを廃止し、「国際競争力をつけるため」として、企業の優遇策を継続した。

 安倍首相は、「成長無くして再建なし」と大企業優先路線を推進する。スコップで雪かきするより、ブルで一掃した方が速いとの理屈で、GDPアップを主眼に置いたのだ。ついに、今年の「骨太の方針」のタイトルから「構造改革」なる四文字が消えた。小ブログで、「改革なくして成長無し」の次は、「改革無くして再建無し」とすべきと繰り返し主張してきたが、成長神話にすがる為政者には、「民のかまど」を覗く繊細さは望めないようだ。


★「沖縄慰霊の日」に思う

2007-06-23 09:46:45 | 日記・エッセイ・コラム

Epsn0011_4 23日の沖縄は、梅雨明けのまばゆい夏の陽射しを受けて、海原は限りなく青いだろう。空は一点の曇りもなく、青く澄み渡っていても、沖縄県民にとって重い日だ。昨年訪れた時の写真を取り出してみた。広島や長崎に原爆を投下された日もそうだが、本来、我々日本国民がいちように担ぐべきだ。Epsn0006_7

 私は、自宅の防空壕あとをかくれんぼ遊びに利用した世代で、生々しい戦争体験はない。したがって、戦争の悲惨さを現実として理解しようもない。しかし、現在、進行中のイラクをはじめとした世界各地で起きている人と人が争う愚かさを理解することは出来る。

 その点では、民族間や宗教観の違いによる争いが無い日本に生まれて幸せだと喜んでいる。これからもそうあって欲しいとも願っている。反面、単一民族で宗教的にも寛容で自由な日本人には、他民族国家の複雑な問題を解決できるはずも無い。そんな日本人が、正義面して、アメリカ追随型の国際協力を推し進める愚を容認できない。

 安倍総理は、憲法改正を「戦後レジゥムからの脱却」といい、集団的自衛権の解釈を検討させている。それと機軸を合わせるかのように、教科書の記述を意図的に変える動きが進行している。文部科学省が、沖縄決戦の集団自決は、日本軍の強制ではないとの見解をとった。為政者には、争いの犠牲者は、常に一般大衆であることを忘れて欲しくない。