昨日のブログを読み返してみて、「歌は世に連れ 世は歌に連れ」などと、古い諺だなと改めて自分の年輪を噛みしめている。流行歌が、歌う者にも聴く者にも一種の共感を与えるのは、その時代の世相を反映し、心に訴えかけてくるからに違いない。
だから、「歌は世に連れ」は誰にもストレートに伝わる。だが、「世は歌に連れ」となると、語呂合わせとして憶えたが、厳密な定義は理解出来なかった。 ところが、最近、長年抱き続けたこの疑問が氷解したのは、ラジオからジローズの「戦争を知らない子供たち」が流れてきた時だった。昭和40年代に流行ったこの歌を口にした当時の子供達が、今は「戦争を知らない大人たち」になったことに気付いた。
「戦争が終わって 僕らは生まれた 戦争を知らずに 僕らは育った おとなになって 歩き始める 平和の歌を 口ずさみながら、、、」「青空が好きで 花びらが好きで いつでも笑顔の すてきな人なら 誰でも一緒に 歩いていこうよ きれいな夕日が 輝く小道を、、、」
分かったようで分からない歌詞だが、歌とはそういうものなのかも知れない。 親の気持ちは親にならないと分からないように、年老いて年月の経過を振り返ると、世の中と流行歌の関係は人生のひだを刻み込む連関作用に思えてならない。