プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★孫帰る

2015-09-21 10:23:19 | 日記・エッセイ・コラム
 シルバー・ウイークに入り、子供や孫が帰って来るのを駅頭で出迎えるありふれた光景。

「夏休み 孫よ早来い 早帰れ」と詠んだ川柳を思い浮かべた。永田町の狂気の沙汰とは違い、温かい人間模様の縮図のようで、思わず口元がほころぶ。

 さて、わが家の老夫婦は、娘が孫を連れて帰るのを、半年前から、一日千秋の思いで待った。日本から約7,500㎞も離れたパースに住む娘家族と顔を合わせる機会は、滅多にない。

 明日からの3週間は、長いようで短い。残り少ない時間を考えると、あと何回会う機会があるか?と、考えると、先の川柳のような気持にはなれない。

 当分、ブログを休止し、孫との貴重な時間を過ごすつもりでいる。

★脱!ゆでガエル現象

2015-09-19 10:50:00 | 日記・エッセイ・コラム
 安全保障関連法案が参院本会議で可決された。今朝の中央5紙の社説で、立ち位置の違いを再認識したが、私達が心すべきは、厳然たる事実。

 今後、自衛隊の部隊行動基準が制定され、新たな任務が追加されて、平時の米艦防護も可能になる。また、海外派遣や集団的自衛権の行使に必要な新兵器を購入し、日米間の合同演習が強化される。

 当然、防衛費の来年度予算が大幅に増え、その財源を負担するのは、国民。反対を叫んだ人達も、逆の立場に回って支えることになる。

 この矛盾の最大の責任は、過去3回の国政選挙で、「アベノミクス」に浮かれ、大勝させた有権者。得票数が少なくても、多数の議席を獲得出来る選挙制度。

 「人民が自由なのは、議員を選挙する間だけで、議員が選ばれるや否や奴隷となる」とのルソーの言葉。

 政治に無関心な生活を送り、知らぬ間に「大きなツケ」を支払うことにならぬように留意したいもの。

★新たな安全神話

2015-09-18 09:21:11 | 日記・エッセイ・コラム
 国会周辺でのデモの規模が日を追って拡大し、野党が結束を固めたが、「多数決主義」の宿命で、安保法案の成立は、もはや、時間の問題となった。

 国際社会に普通の国として仲間入りし、PKO活動も活発化する。中東だけでなく、南シナ海や朝鮮半島の有事への備えも出来る。

 日米同盟もさらに強固となり、新たな安全神話が普遍性を帯びる。これで、安倍総理が掲げてきた「戦後レジームからの脱却」が実現する。

 とすれば、万事めでたい話だが、現実的には、戦後70年間、憲法9条の下で、一貫して平和を希求してきた日本のアイデンティティの崩壊を意味する。

 国際的には、「自衛隊は、海外で一人も殺していない」という平和国家ブランドが消える。と同時に、新興国に対する貧困、教育、感染症対策等の貢献施策に対する評価も変わりかねない。

日本国憲法第9条を読み返し、次の選挙で、どう意思表示するかを考えたい。

9条:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和
   を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力
   による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
   する手段としては、永久にこれを放棄する。

  2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦
   力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを
   認めない。

★日本版軽減税率制度(終):迷走

2015-09-16 09:53:49 | 日記・エッセイ・コラム
 与党税制協議会は、財務省が示した「還付型」を見送る気配が濃厚になった。

打開策が見えない理由は、対象品目の線引きと複数の税率適用による複雑さが最大の要因だが、軽減税率導入に着手して、2年以上迷走している。

一応、財務省案と並行協議となっているが、欧州型「付加価値税」は、失敗だと指摘する専門家は多い。「痛税感の緩和」は、税の軽減ではなく、税金を払って良かったと思わせる政策に求めたい。

生活弱者を救済するなら、別建ての救済策でカバーするべきで、複雑怪奇な税制を導入するより、はるかに合理的だ。

安倍総理は、「デフレ脱却に懸念あり」として、1年半先送りしたが、当初計画なら10%にアップの時期。

選挙公約に拘ったり、国民に迎合する損得勘定で、議論している限り、迷走が続き、展望は無い。

★日本版軽減税率制度②逆進性の隘路

2015-09-15 08:39:06 | 日記・エッセイ・コラム
 公明党は、消費税が持つ「逆進性」を排除するため、軽減税率の導入が必要だと主張している。

「逆進性」は、税金額ではなく、税の負担率を尺度とするので、所得の低い人ほど高くなるが、軽減税率を導入しても、有効では無い。

なぜなら、一般的に、低所得世帯は、安価な食料品を購入する工夫をする一方、高所得世帯では高級な食料品を購入するので、消費税額に差を生じる。

そこへ、一律に軽減税率を適用すると、低所得世帯よりも高所得世帯の方が、高額の現金給付を受けるのと同じ効果をもたらす。

その矛盾をクリアするために、財務省が知恵を絞った結果、示されたのが、還付式軽減税率制度なので、私は賛成だ。

しかし、我が国の財政状況を考えれば、軽減税率を導入せず、一律に10%を徴収し、税金の使い方に工夫を凝らす方が、煩雑な処理も不要で、建設的だ。

消費税率の引上げの目的は、「社会保障の安定財源の確保と財政健全化」の同時達成であり、孫子の世代に重い借財を背負わせないためのはず。

国民ひとり一人が痛みを分かち合わない限り、支え合う社会の構築は、望めない。