山陰の名湯として名高い玉造温泉は、JR玉造駅からタクシーで5分。玉湯川沿いに数寄屋造りの和風旅館が建ち並ぶ温泉街は、落ち着いた風格が漂い、歓楽街の面影は一切ない。
川沿いには、足湯が何か所も設けられ、水の流れを見ながら足湯を楽しむ若者が多いのに驚いたが、のどかな光景と違和感がなく融和し、旅情をより一層ひきたてた。
また、「神話通り」と呼ばれる遊歩道沿いには、神話にちなんだオブジェが随所に置かれ、脇に説明板が建っている。オブジェ毎にカメラ台が設置されており、セルフ・タイマーで記念写真を撮る新婚カップルの姿が微笑ましかった。
さらに上流へと歩を進めると、願い石で知られる「玉作湯神社」に着く。古くから勾玉作りが盛んだった地方らしく、願い事がかなうという「願い石」を買い求める人も多かった。
加賀温泉郷は、泉質・料理でひけを取らないので、「レディ・カガ」だとか「川床」などと二番煎じのアイディアでは無く、点から線に結びつける知恵をしぼり、観光客の減少に歯止めをかける必要がありそうだ。