第7話
『良い人でもイクメンでもないずるい大人なんです』
折角草太に想いを伝えに行った若葉だが、
店にリリカがいたのを知り、
勢いで新堂との結婚を決めてしまう。
リリカはビー太郎に会いたがったが、
心の準備が必要だからと一先ず帰らせた。
草太のことにイライラしながら帰った若葉は、
取り敢えず落ち着こうとした。
そこへ新堂が訪ねて来る。
色々誤魔化すが表札が出てて誤魔化せず。
新堂はかえって興味が湧いたと、
上がらせて欲しいと言うが、苦しい言い訳でやり抜く若葉。
結局2人は外へ行くことになり、
連れて行かれた場所は貸し切り宝石店。
好きな指輪を選んでと。
翌朝、これ見よがしに指輪をはめて歩く若葉。
それを日向が見て言った。
「ずっと気になってたんですが。」
「やっぱり気付いてしまいますか。
目立ちますもんね、この大きさでは。」
「新堂先生ですか?」
「勿論です。他に誰が?」
「ちゃんと向き合えって言ったのに。」
「何か。」
「なんでもありません。」
大人な日向。
保育園では草太にリリカのことを聞くイクメントリオ。
「リリカちゃんに比べたら、
若葉ちゃんなんてかわいいもんだ。」
草太はいいようにこき使われ、
押し切られて結婚したのに、
あっという間に黒人ダンサーと駆け落ち。
「悪女だ。まさに悪女だ。」
それでも草太はそんなんじゃないとリリカを庇う。
「まあ、あなたが誰とどうなろうが、
私には関係ありませんけど。
何故ならあと1ヶ月でこのシッター業務も終了。
加えて私と新堂先生は婚約しましたもので。」
若葉の婚約は職場でも話題に。
桜川は若葉の指輪をチェック。
「クラリティはVS1。値段は700万ってとこかしら。
プライベートに口挟む気はないけど、
試用期間は残り1ヶ月。
日向のことも仕事も・・・」
「しっかりやり遂げます。」
「その指輪も無駄にしないようにね。」
「私は、一度受けたことは最後までやり遂げます。
それがポリシーなので。
婚約したからには必ず結婚します。」
外出した若葉は草太を目撃。
気になって言い訳をしながら尾行。
お店まで入って行き、
何話してるのか気になって近付いて行った時、
音を立ててしまって2人に気付かれた。
リリカに名刺渡し自己紹介した若葉は、
慌てて帰って行く。
保育園に行った若葉は園で
ヒヨコを飼うことになったと聞き、
ヒヨコはペットじゃなく家畜だと言い放つ。
若葉を追って出て来た草太は、
今日のことをちゃんと説明したいと言う。
「私に説明する必要が?」
「あるんです!
いや、若葉さんには分かって欲しいっていうか、
正直な気持ちを伝えておきたくて。」
草太はリリカとのことを若葉に話す。
元々プロのダンサーになるのが夢だったが、
男に捨てられ、未婚の母になったと。
アパートの隣人だった草太が手を貸すようになり、
流されて結婚もした。
そこにチャンスが来て、ダンス講師の男について行ったらしい。
「なら、一緒にニューヨークに行けばいいじゃないですか。
あなたを縛るものは何もないでしょう。
ビー太郎くんのためにも、
ニューヨークに行くのが筋だと思います。
私も正しい相手と迷わず邁進していくつもりです。」
家にヒヨコを連れて帰って来たビー太郎。
夜も面倒をみなきゃならないと言う。
ちゃんと育てろと、愛情注げば寂しくないはずだと
草太はビー太郎に説明する。
「うん。
いっぱいナデナデして遊んでやればいいんだろ?
楽勝、楽勝!!」
「楽勝な訳ないだろ!
いや、育てるっていうのはな、そんな適当なものじゃなくて。
自分の時間を割いて、自分の楽しみも我慢して、
こう自分を犠牲にして、そうやって育てるもんなんだよ。」
「お父は我慢してるのか?」
「いや、違う。そういう訳じゃない。」
「お父、おいらに何か隠し事してないか?」
「いや、それは・・・」
「お父なんか嫌いだ!!」
ビー太郎は別の部屋に篭ってしまう。
保育園ではヒヨコを抱かせてと群がる園児たち。
それを見た若葉は、ストレスかかるからやめるよう言う。
ちゃんと育てたいなら、頭を使えと言うと、
どうしたらいいのかと今度は若葉に群がる園児たち。
若葉はヒヨコの育て方を園児たちに教える。
「成長した時にどうするにせよ、
一度育てると決めたなら、
決して放棄せず育て上げなさい。
あなたたちがこのヒヨコの本当の親でなくても、
それが育てる者の責任というものです。」
新堂から、今度の土曜に職場のみんなを
ランチにでも誘って婚約のことを言おうと言われた若葉。
草太がリリカに電話してるのを見ていたビー太郎。
その時、ヒヨコの様子がおかしいのを見て、
箱を抱えて若葉のところへ行く。
「助けて欲しくて!
相談出来るの、若葉だけだから。
ヒヨコが死にそうなんだよ。」
若葉がヒヨコを世話してあげる。
「あいらが目を離したからかな。」
お父とケンカしたんだとビー太郎。
自分に隠し事してるって・・・
「そんなお父嫌いだ。
でもおいら、おいらのことがもっと嫌いだ。
ヒヨコが死んだらおいらのせいだ。
若葉言ったろ?
それが育てる者の責任だって。
だから・・・」
泣き出すビー太郎を見て、
若葉は公園で待ってる草太のところへ走って行く。
「情けない!
なんでちゃんと話さないんですか?
いいですか?
私は今、あなた方に構ってる暇なんてないんです。」
「すいません。」
「すいませんじゃありません。
あなたが優柔不断で何も決めないから、
ビー太郎くんがあんなに混乱してるんじゃないですか。
リリカさんに3人でやり直そうと言われて、
まずはあなた自身の答えを出したんですか?」
「あ、いや、それは・・・」
「自分の気持ちも整理出来ないから、
ビー太郎くんに何も説明出来ないんです。
あなたがそうやってどっちつかずでウジウジしてるから、
私だって振り回されて振り回されて。」
「えっ?」
「とにかく逃げずにちゃんと向き合え。
そう言ったのはあなたでしょ。
そんなあなたが逃げてどうするんですか?
まずは自分がどうしたいのかハッキリ決めて、
それからビー太郎くんに話しなさい。
あなたには説明する責任があるんですから。
分かったらちゃっちゃと話して来い!」
リリカに電話をする草太。
草太は3人で暮らすつもりはないと言う。
「ビー太郎のためにはそれが一番いいと思う。
母親と父親が揃って3人で一緒に暮らして行くことが。
でも、親にはなれても夫婦には戻れない。
前の俺だったら、流されて一緒に暮らしてたと思う。
自分が我慢すればいいって思ったと思う。
でもそんな中途半端な気持ちで暮らしても、
ビー太郎を幸せには出来ないし、
自分の気持ちに正直に向き合うって決めたんだ。」
「本気で好きな人が出来たんだ。」
「うん。
でもその人は他の人と結婚するみたいだけど。」
「鮎川若葉さんか。」
ビー太郎と若葉の部屋で話しをする草太。
ビー太郎のことを迎えに来たと。
「お父は一緒にニューヨーク行くのか?」
「俺はここに残る。」
「そしたらおいら、お父と一緒にいれないの?」
「お前がお母と行くなら、そういうことになるだろうな。」
「そんなの・・・」
「焦らずゆっくり考えて正直に答えていいぞ。
俺のことは気にすんな。」
「おいら・・・おいら・・・
おいらお父といる!
だっておいらお父の子だもん。」
リリカにビー太郎を会わせる草太。
ビー太郎は草太の後ろにいる。
「そっか。
ビー太郎は草ちゃんを選んだか!」
最後にビー太郎を抱きしめてニューヨークに行くリリカ。
リリカが若葉に電話をする。
「草ちゃんのこと、よろしくね。」
保育園へ行って草太のことを聞くが、もう帰ったと。
気になりつつも、仕事に行く若葉。
若葉は桜川に言われる。
「そういえば、あなたが新堂先生を選んだこと、
日向は納得いかないみたいよ。
そのダイヤは本物でも、
心の方はフェイクだと思ったようで。」
婚約披露のランチに行く前に、
草太から電話がかかって来た若葉。
「すいません。
俺、ビー太郎のことで嘘つきました。」
「何言ってるんですか?」
「俺は最低な男です。」
「意味がよく分かりませんが。」
「俺、最初からこうなるよう
ワザと仕向けたんだと思います。
ビー太郎が俺を選ぶように。」
公園でお酒を飲みながら話してる草太。
若葉はランチに行かずに草太のところへ。
「何を昼間っから・・・」
若葉が来なくて留守電をいれる新堂。
草太を部屋へ送って来た若葉。
「なんなんですか? 一体。
何がワザとなんです?
リリカさんはもう空の上だし、
今更悩んだって仕方ないでしょう。
いずれにせよ、ビー太郎くんが自分で出した答えですし。」
「違う。違うんです。
あなたはビー太郎に選択させることが、
正しかったと思いますか?」
「勿論。個人の意見を尊重した正しい」
「あれは俺の打算なんです。
あいつに選ばせるって言ったのは、
そう意識してはなかったんですけど、
今思うと、ズルイ考えで言ったことです。」
5歳の子供に正しい選択なんて出来ないと。
ビー太郎のこと分かってたようで、
全然分かってなかったと草太。
「俺は、いい人でもイクメンでもない。
ただのズルイ大人なんです。」
そう言いながら涙を流す草太を見て、
思わず抱きしめる若葉。
「私も、母親の顔を覚えていません。
温もりの記憶もありません。
もし私が同じ選択を迫られたら、
やっぱりビー太郎くんと同じ選択をしていた気がします。
でも、何が正しかったかなんて誰にも分かりません。
分かるのは結果だけです。
ビー太郎くんをあなたが幸せにすればいい。
それだけです。」
抱きしめあう2人。
若葉の携帯にはずっと着信が・・・
若葉は婚約を早まったよね~。
まぁ、職場だけのお披露目だし、
物凄い問題にはならない気もするが、
社会人としてのモラルは問われるわね。
新堂も別に若葉を好きって訳じゃないと思うから、
なんとかなりそうな感じですけど。
それでもやっぱり婚約したのは拙かったかな(‐∀‐;)
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