第8話
『父の思いに涙!
今だけ今だけはこうさせて下さい』
急いでレストランに戻った若葉。
しかし既に解散した後で、桜川だけが残っていた。
ランチの前に日向から電話があり、
若葉に確認して欲しいことがあるとのこと。
本気で新堂と結婚する気があるのかどうか。
若葉は気持ちは変わらないと言った。
事務所に戻った若葉はみんなに謝る。
見ず知らずの人を介抱してたと、
新堂にも嘘をついてしまった若葉。
結婚の準備を進めると言い、
今後のスケジュールを考えると新堂。
保育園に日向を迎えに行った若葉。
「婚約発表ぶっちしたそうですね。
それで落ち込んでるんですか?」
「違います。
初めて・・・初めてついてしまったもので。」
「嘘をですか? 図星ですね。」
それを聞いていた園長が、
自分に嘘をつくと痛い目に遭う。
後悔した時にはもう遅いと・・・
部屋に帰った若葉に草太から電話が。
昼間のことを謝り、お礼を言う草太。
それと婚約おめでとうございますと言い、
若葉が何か言おうとしたが、すぐに電話が切れてしまう。
その直後、新堂から電話が来て、
結納の日にちゃんと挨拶をした方がいいから、
父親に来てくれるよう言ってくれと言われ焦る若葉。
来られないならこちらから山形に行くとまで言われてしまい、
仕方なく父親と連絡をとることにした。
翌日、保育園に行くと、
健康診断だから母子手帳を出すよう言われる。
その時、ビー太郎と日向が話をしていた。
「ビー太郎くんのお父さん、元気?」
「う~ん・・・分かんない。
若葉が婚約しちゃったから、ガッカリしてんじゃないか?
ところで若葉は?」
「あの人のことはもう見限りました。」
父は来られないと新堂と話をしながら来た時、
事務所にその父親が訪ねて来て驚いた若葉は、
慌てて父親を陰に引っ張って行く。
都合があって来られないって、
電報に書いて寄越してって言ったでしょと怒る若葉に、
そんな訳にはいかないと言い、挨拶に来たと父。
阻止しようとする若葉だったが、
桜川がにこやかに挨拶をした。
「すいません。突然上京して来て。
あの、アポイントもなく・・・」
「いいのよ。私もあなたと同じで、
苦労してここまで来た口だから。」
そう言って桜川は、若葉の父を自分の部屋に通す。
昔の若葉の写真を見せながら、
父親は桜川と楽しそうに話をしていた。
しかし若葉は父を自分のアパートに行っててと、
会社から無理矢理追い出す。
新堂には父親が来たことは内緒にする若葉。
そよ子から、若葉の父親は草太に似てると言われる。
保育園に日向を迎えに行った時も、
父親が訪ねて来た話から結納の話になった。
「お父、いいのか?」
「いいって何が?」
「若葉さん、迷いはないんですか?」
「迷うことなどありません。
私は上昇あるのみです。」
輪番当番が若葉だったため、
アパートに子供たちを連れて帰る。
子供たちも若葉の父が草太に似てると話が出た。
桜川から仕事のメールが入り、
子供たちを父親に預け事務所に戻る若葉。
仕事しながら、今頃大変になってるんじゃないかとの
若葉の想像を他所に、
父親は子供たちに絵本を読み聞かせていた。
子供たちを父親に預けて来たと桜川に言った若葉。
「あなたのお父さんなら安心ね。」
「そうですか?
あの人はその・・・色々と不器用なので。」
「自己破産してたそうね。」
「そこまで話したんですか!?
でも免責を受けているので、
今は社会復帰してローンも組めるように。」
「分かってるわ。破産制度は
人生をやり直すチャンスを与える為に作られた制度。
後は自分次第で人生逆転勝利も出来る。
でしょ?」
急いでアパートに戻った若葉だったが、
部屋には誰もいなく、机には書き置きが。
『みんながル・佐藤でご飯が食べたいというので
しりとりしながらでかけてきます。父より』
若葉の父にも何か作りますと言った草太に、
しょうゆ飯でいいと言う父。
「昔、若葉とよく2人で食べたんで。
娘を嫁に出す父親の心境というか・・・」
その時、若葉の前に現れたのは、
あの借金取りの鷲津。
その頃、新堂の母親が若葉のことを調べたと、
新堂に結果を見せていた。
草太と若葉父が話をいていた。
若葉父は母子手帳はお守りだと言う。
そしてビー太郎が言ってたことを草太に話す。
自分の笑顔は父ちゃんにもらったんだって。
そこへイクメントリオが入って来たと同時に、
若葉も店に現れる。
「お父さん、何してくれたの?
折角社会復帰したのに、
また騙されて保証人なんかに。」
「違うよ。騙されたんじゃなくて、
今、一緒にやってる養鶏場の仲間が
一緒に手広くやろうって。」
「だから、それが騙されてるって言うの!
どうしてチャンスをあげても同じこと繰り返すの?
この借金、新堂さんのお母様が肩代わりしてくれたって。
私の努力をどうしてこんな形で。
電報で飛んで来たのもこの為でしょ。」
「違うよ。それは違うよ!
肩代わりなんて知らないし、
向こうのご両親さ会ったこともないし。」
泣き出す父を置いて、日向と出て行く若葉。
そして結納の日、若葉は父親と頭を下げる。
そんなつもりで肩代わりしたんじゃないと言う新堂母に、
お金は必ず自分が返すと若葉。
「500万なんて、結納金と思えば大した額じゃ。」
「大したお金です。
私にとってはとてつもなく大きな。」
「あなたのそういうところが、
私は新堂家に相応しいと思ってるの。
だから恥だとは思わないでね。」
若葉父も頭を下げる。
「申し訳ございません。
申し訳ございません。
このご恩は一生、一生忘れません。
よろしくお願い致します。」
それを見て、若葉も一緒に頭を下げた。
若葉父は帰ることになり、草太たちに挨拶する。
草太に通帳と印鑑を預け、若葉に渡して欲しいと。
「若葉が生まれた時から、コツコツ貯めたお金です。
あいつがお嫁に行く時の為にって。
借金取りも取って行かなかった。
こんなはした金恥ずかしい限りですが。」
「分かりました。必ず若葉さんに届けます。」
若葉の部屋に通帳と印鑑を持って行った草太。
「毎年2,705円の積み立て?
何? この半端な。
24年で6万6558円。
こんな僅かな積み立てなんの役に?」
「確かに少ないかもしれないですけど。
その、嫁入りの足しにして欲しいって。」
「バカバカしい。」
「いや、それでもちゃんと受け取ってあげて下さい。
お父さんの24年分の思いが詰まってるので。」
通帳を手にしているところへ鷲津がやって来た。
最後にもう一度若葉の顔を見ておこうと思ったと。
若葉の持っていた通帳を見て、
若葉父の唯一の貯金だったと言う。
あの時は3万ちょいしかなかったと。
「欲しいなら差し上げます。
その代わり、2度と私につきまとわないで下さい。
それからこれ、私と父が結んだ委任契約書です。
これで賃金業法21条1項9号により、
今後いかなる債務が発生したとしても、
あなたが債務者の父に直接会うことは出来ません。」
「父親思いだな。」
「自分の身を守ってるだけです。」
「相変わらずだ。
あん時もそうやって食ってかかって来た。」
「債務放棄後もあなたが嫌がらせをしたからです。」
「本当にいいのか?」と通帳を手に言う鷲津。
「ええ。」
「じゃあ、遠慮なく頂いてくよ。」
イクメン林の鞄に間違って若葉の母子手帳が入った。
生まれた時の体重が2,705gと書いてあり、
草太があることに気付き若葉に電話し、
積み立ての金額は若葉の体重だと言う。
それを聞いた若葉は走り出した。
若葉父がトラックに乗ろうとしていたら、
若葉が走ってくるのが見えて笑顔になるが人違いで、
ガッカリしながらトラックに乗る父。
若葉は鷲津の事務所に通帳を返してくれと乗り込む。
「差し上げますって言ったのはあんただぞ。」
「確かに言いました。
ですから、同じ金額で買い取らせて下さい。」
「わざわざその為に乗り込んで来たのか?」
「あの6万6558円は、
私にとって、ただの6万6558円じゃなかったんです。
何にも代えられない、特別な6万6558円なんです。」
気付いたんなら持って行けと鷲津。
若葉父に母子手帳を渡そうと追いかける草太。
しかし間に合わず、父は行ってしまった。
通帳を見つめ、子供の頃を思い出していた若葉。
若葉のところへ草太がやって来て母子手帳を渡す。
「これ、お父さんに返せなかったので、
後で山形に送ってあげて下さい。
これお守りだって肌身離さず持ってたみたいなんで。」
母子手帳を開いて中を見る若葉。
中には2人で楽しそうに写ってる写真があった。
「この手帳はお父さんのお守り。
その通帳はこれからずっと若葉さんのお守りですね。」
若葉が涙を流す。
草太の背中に頭をもたれ泣き出す若葉。
「今だけ・・・いいですか?
今だけです。
今だけこうさせて下さい。」
草太の服に捉まる若葉の手を、
そっと上から握る草太。
結納まで交わしちゃったよ~!! ∑(゜Д゜;)
しかも500万まで肩代わり。
どうすんの~(゜Д゜≡゜д゜) オロオロ
益々断れないじゃんか!!
しかしあれだね、新堂怪しすぎ・・・(‐∀‐;)
もう!!
いい加減早く若葉と草太くっついて欲しい!!
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