Nov. 4 2005 かつて生きた海の文人

2005年11月04日 | 風の旅人日乗
11月4日 金曜日

逗子駅前の本屋さんで、
葉山でセーリングを楽しんでいるMさんに
久し振りにお目にかかる。

Mさんは元・全日空のキャプテンで、
定年後の現在も、
別の会社でまだ空を飛んでいる
ベテラン・パイロットだ。

別れ際、
「2年後くらいに面白いことを
計画しています。
そのときには報告します」
と嬉しそうに話してくれた。


その本屋さんで探していた本は
見つからなかったが、
『海のサムライたち』という、
白石一郎氏著の面白そうな本を発見して
購入。

かつて白石氏の直木賞受賞作
『海狼伝』をメチャ楽しんだ。
白石一郎氏は、
日本ではメジャーになれない「海洋文学」に
こだわって作家人生を貫いた人だ。

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「日本は
四面を海に囲まれた島国でありながら、
日本国民の海への関心はきわめて低い。
 これは環境に適応するはずの
人間としては
おかしなことと言えよう。
本来、人々は海を眺めれば、
遥か水平線の彼方に
何があるだろうと空想し、
その彼方からやってくる船や人物に
大きな興味を寄せるはずだ。・・・」
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という文章で始まる前書に、
強く同感し、心を惹かれた。

不肖ワタクシがK誌に不定期連載中の
「海人 ウォーターマンの肖像」という、
海に関わって生きている人間を
紹介するページに、
是非登場いただいてお話を伺いたい
と思うのだが、
現実には、氏は残念なことに昨年、
志半ばで亡くなってしまっている。

日本人に、
自分たちが海洋民族であったことを
思い出してもらいたい、
という氏の願いと志を、
別の形で引き継いでいきたいと
願う。