Nov. 11 2005 ガリシアワイン

2005年11月11日 | 風の旅人日乗
11月11日 金曜日

朝5時起き。

昨日(日本)、今日(スペイン)と、日本の正しい勤め人の皆さんと同じような、早起きが続いている。

甘く味付けされたクロワッサンとコーヒーだけの朝食を慌しくお腹に詰め込んだあと、ボルボが用意してくれたバスでホテルからサンセンソという町に出発する。そこに今回のボルボ・オーシャンレースの参加艇が集まっている。約1時間のバス旅行である。

バスが突っ走る道の両サイドに広がる景色は、約2割が、林かトウモロコシ畑だが、残りの8割、つまりほとんどが、ブドウ畑だ。
ここはガリシアと呼ばれる地域で、スペインでも有数のワイン生産地だ。ポルトガルとの国境に近く、ポルト・ワインで有名なポルトも、国境を渡るとすぐの位置にある。

バスが到着したサンセンソは、素晴らしく素敵な海辺の町だった。
目の前に参加艇がずらりと舫われている桟橋に面したボルボのメディアセンターで煎れてもらったコーヒーを飲んでいると、なつかしい面々が次々に自艇に出勤してくる。

この日はサンクセンクソから翌日のスタート地Vigoまで、参加艇たちがパレードをする。
取材者として、そのお付き合いだ。
この日は、今回のレースに参加するいろんなセーラーと話をする機会ができて、とても楽しい時間を持つことができたが、なんと自分は今回も見る側でしかない。
現役セーラーを自認する者としては少々辛い時間でもある。

サンセンソからVigoまでの約15マイルの海路、小さな舟を大西洋の海に浮かべて果敢に一本釣りを営むスペインのおじいさん漁師を目にして、感動と敬意を感じた。この人たちのDNAが、確実にボルボ世界一周レースに挑む若者セーラーたちに受け継がれているのだ。