Nov. 15 2005 鮟鱇烏賊蛸鰈手長海老

2005年11月15日 | 風の旅人日乗
11月15日 火曜日

スペイン、VIGO。

朝6時に起きて原稿仕事を始める。
外はまだ真っ暗で、
満月に近い月が西の空に傾いている。
そのすぐ南側に、
地球に接近していてまだ大きく見える火星が橙色に輝いている。

VOLVO OCEAN RACE中のみんなも、
同じ空を見ているのだろうか。

8時に仕事に一区切りをつけて、
ホテルの近くのヨットハーバーに散歩に出かける。
まだ仄暗い朝の冷気が心地よい。

散歩から戻ってホテルの部屋でシャワーを浴びてから、
1階のカフェテリアに降りて、
ミルク・コーヒーとクロワッサンの朝食。
外国でいつも思うのだけれど、
日本の味噌汁と納豆と焼き魚の朝飯が、
ぼくにとっては世界一正しい朝食だ。

カフェテリアで新聞を広げて、
写真を見ていると、
タイガーウッズが何かの試合で活躍しているらしい写真の横に、
VOLVO OCEAN RACE参加のMOVISTAR
(MOVISTARはスペインでiモードの携帯電話通信を展開している会社)
が、
ポルトガルのPortimaoという港に入っている
カラー写真が掲載されていた。

記事の内容は相変わらず分からんが、
おそらくこのレグの復帰は、無理だろう。

部屋に戻って午後2時まで仕事をして、
それからVIGOの街を散歩。

この町は中小の造船所と、
水産資源の水揚げ港として成り立っている街のようで、
瀬戸内の尾道界隈と同じ光景と匂いを持っている。
魚市場に立ち寄ってみると、
アンコウ、イカ、蛸、カレイ、牡蠣、手長海老、
などなど、旨そうなやつばかりがいた。

この町は、路地裏が面白い。
古びた石作りの家。
狭くてゆるくカーブしている石畳の道。
中世のヨーロッパ映画の世界に迷い込んだかのようだ。

北緯42度14分 西経8度45分に位置するこの町の
人口は30万人。
過去、10万人がアメリカ大陸に移民したという。

おそらくもうニ度と来ることはないだろう
VIGOの町をゆっくりと歩いて回る。