アメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官は、10月3日、千鳥ヶ淵墓苑で献花さ
れました。感謝の気持ちを心から申し上げます。
A.自己とは何か?
1.自己とは自然である。
2.では、自然である自己は何によって自己を確証するのか?
3.自己は都市を含む自然に向き合い、自己を対象化することによってそれを行う。
4.その方法はどのようなものであるか?
5.自己は都市を含む自然=世界の中から、自己を対象化しようとする対象世界(分
野)を選び出し、その世界に自己を対象化する。この行為を職業、或いは、仕事とい
う。この行為において、自己は対象世界が善であり美であることを目指す。即ち、自己
の行為は善でなければならない。
6.自己は世界の中に一者のみではない。同様に生きる他の自己がある。これを他者と
呼べば、他者との関係によってのみ人と人との繋がりが生じ、コミュニティが生じる。
この場合、最初のコミュニティという言葉には、対象となる集団の厳密な性格規定を持
たせず、自己と他の自己が関わりを持つ場合の雑多な繋がりを言う。自己と他の自己と
の関係は、相互尊重によって保たれる。この関係を保つ手段は、コミュニケーション、
即ち、対話である。
7.ここから、最初のコミュニティは、いわば「群れ」の状態から。集団の性格規定を
伴うコミュニティへと改革され、小コミュニティの集合である中コミュニティ、大コミ
ュニティへと向い、国家を成立させる。そして国家間の関係である世界が成立する。
8.世界はこうして作られる。自己の集合が世界である。そしてこの自己を主体とい
う。
9.ここに、コニュニティや国、世界の在りように関わる自己=主体がある。
10.これを保障する制度が民主主義である。そして、自由な自己=主体が保障されるこ
とである。
11.民主主義とは制度である。一国のリーダー、政党の綱領、憲法が、「自国は民主
国家である」と言明するものであっても、その国が民主主義国家であることを保証する
ものではない。
12.民主主義とは、議会と複数政党と選挙があり、選出された議員によって内閣が構
成され、選挙によって政府を運営する内閣を交代させることのできる制度である。日本
は、議員内閣制の国家であるが、アメリカのように大統領制の国もある。制度は法に明
文化される。
13.現代の法は対話によって作られ、改革される。
14.議会と選挙は、国民が、国家と自分たちの在り方を相互に対話し、決定する場所
である。国民は、この故に、自分たちの対話の所産である法を守り、国制を守ろうとす
る。
B.何故、自己とは何かを書くのか?
1.それは、日本にいわれのない言いがかりをつける人々への反論のためです。
2.「自己とは何か?」が表現しようとしているものは、日本は、個人の行動において
も、制度においても、自由と民主主義の国である事を示します。その徳性は善の国で
す。
3.日本にいわれのない言いがかりをつける人々の意図は、日本人を貶(おとし)め、
彼らが日本を侵略しようとする行為を正当化することにあります。彼らはコミュニスト
です。そしてその提灯(ちょうちん)持ちです。彼らのやり方は昔から変わりません。
敵とするターゲット(例えば、地主、役人)を貶(おとし)め、ターゲットは極悪非道
の地主であり、役人であるというイメージを人々の間に植えつけ、ターゲットを疲弊さ
せ倒して行くという手法を取ります。この手法は、近年では彼らの「文革」の紅衛兵運
動に見られました。2012年の反日デモもこの手の扇動によるものです。2012年
9月、尖閣列島をめぐり、中共の外相が、国連で「盗んだ」と発言しました。2013
年5月には、中共の首相がポツダムで「盗み取った」と発言しました。これらはすべ
て、彼らの結党以来のやり方がどんなものであったか、暴露するものに他なりません。
4.尖閣諸島の主権の帰属に関して言えば、日本は第二次世界大戦の敗北によって、多
くの領土を失いました。南西諸島の島々もそうです。これらの島々はアメリカが施政権
を持ちました。代表的な都市は沖縄の那覇(なは)市です。沖縄は、1972年5月、
日本に返還されました。そして、この中には尖閣諸島を含んでいます。つまりこうで
す。日本国民は、一度、尖閣諸島を含む沖縄の主権、換言すれば沖縄の人々は日本国民
であるという主権の行使の在り方を、ポツダム宣言と日本の敗戦によって、失いまし
た。そこにはアメリカの施政権下で行政組織がつくられました。そして、アメリカが沖
縄を日本に返還するという行為は、沖縄の人々が行使する主権が、再び、それは、日本
国民と共にあり、日本国民としてして行使するものだということを、アメリカが認めた
ことに他なりません。ここには尖閣諸島も含まれています。これから明らかなように、
尖閣諸島の主権は日本国民に帰属します。これは国際法上も、日本国民とアメリカの
人々と、そして、沖縄の人々との信義の上からも、明らかなことであり、戦後既に68
年を経過していますが、ポツダム条項の遵守(じゅんしゅ)義務に何ら背馳(はいち)
するものでもありません。そしてこの論理を逆にたどれば、中共コミュニストが、何
故、当事者でもないのにポツダム宣言と尖閣諸島にこだわるかという理由も見えて来ま
す。それは、彼らが尖閣諸島を領有することができれば、沖縄もその独立や直接の帰属
という形をもって、要求(侵略)できるという下心に他なりません。これこそ、ニュー
インペリアリズム(新皇帝主義)の道を行く、彼らのやり方なのです。
5.続いてもう少し彼らのやり方を見ましょう。それは韓国の「韓国挺身隊問題対策協
議会」という団体が進めている反日慰安婦キャンペーンです。この運動については、す
でにこのブログの「元慰安婦、金さん、吉さんを考える」で書きました。
6.これに加えて、産経新聞が、アメリカ・カリフォルニア州、グレンデールに慰安婦
像が新たに設置された記事を載せています。設置のセレモニーの写真には、上記の金さ
んが慰安婦像の横に並んで座っています。この記事の重要なところは、この像の設置を
推進した団体に中華人民共和国系の反日組織・「世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連
合会)」の存在があることを、突き止めている所です。また同記事は、この慰安婦像の
設置と、「抗日連合会」の創設者で現在の副会長であるイグナシアス・ディン氏につい
て、中国共産党直轄の英字紙 “チャイナ・デーリー”が長文の記事を載せていることを
伝えています。 また、ディン氏は、今年6月、サンフランシスコ市議会が決議した橋下
大阪市長に対する非難決議文の起草者であることも述べていると言います。
7.これでこの慰安婦像のアメリカにおける設置運動の正体が分かりました。正体は、
隥小平氏、若しくは、江沢民氏の指示に基づく中共コミュニストの反日活動です。中共
コミュニストはサンフランシスコ市議会へも入り込んでいます。(私は、これをここに
書くことに対して、怒りの意識しか持ち合わせません。何故なら、彼らは日本人に対し
て耐え難い苦痛を与えていることを知り、その効果を知っているからです。)彼らの目
的は、日本侵略と新皇帝主義国家、中華人民共和国が世界に進出するための戦略上の第
一段階の達成です。巷間(こうかん)では、これはどうも中共コミュニスト達の用語の
ようなのですが、「第二列島線」の確保です。
8.これらの彼らの野望は、現在の世界の中で具体的な形として見ることができます。
日本侵略は、尖閣諸島に対する彼らの現在の行動がそれを示します。「第2列島線」の
確保は、今年6月、習近平氏が、アメリカのオバマ大統領と会談した際、「太平洋には
米・中両大国を受け入れる十分な空間がある」と発言したことに示されます。尖閣諸島
は、小さな小島の争奪に留まりません。私達はそれを心に銘記し、備え、世界の人々
に、中華人民共和国のコミュニスト達を非難して頂くよう、訴えます。
9.元慰安婦の金さんが、「自分は謝罪されていない」と発言されている問題について
触れておきます。私達日本人は、先の大戦で犠牲、或いは、耐え難い苦痛を一身に引き
受けることになられたアジアの人々に、何度も何度も謝罪して来ました。これは本当で
す。私達は、日本の戦争責任について考えて来ました。私達の前の世代についても同じ
だろうと思います。
10.私が成人するのは1960年代後半です。慰安婦の女性たちの事について申し上
げれば、これは私の無知と同時に、当時、戦乱続きであった東アジアと東南アジアの主
要な問題が、慰安婦をテーマとして挙げさせさせなかったことによると思うのですが、
私は慰安婦の存在を知りませんでした。戦乱とは、朝鮮戦争(1950.6~1953.7)、
ベトナム戦争(1960.12~1975.4)、カンボジア内戦(1970.3~1990.6)、第
1次ベトナム・中華人民共和国戦争(1979.2~1979.3)、第2次ベトナム・中華人
民共和国戦争(1984.4~1984.7)を言います。
11.中華人民共和国の指導者がはっきりと反日の態度を示したのは江沢民氏です。こ
の路線が、隥小平(としょうへい)氏の時代に既に確立されていたものなのか、毛時代
のものであるのか、或いは、江沢民氏自身の決定であるのか、判然としません。しか
し、日本は、隥氏の訪日によって、氏の改革開放路線を、国を挙げて応援する姿勢を取
りました。これは、多分に日本人の心情の中で、日本が廃墟の中から戦後復興を遂げて
来た自分たちの姿と、中国の建国の姿が重なったためと思われます。外務省には親中派
の閥(チャイナ・スクール)があると言われ、親中派の政治家が跋扈(ばっこ)しまし
た。そして中国は豊かになりました。彼らは、アメリカ、ロシア、ベトナムとの関係を
改善し、カンボジア、ミャンマーは小康状態を保つまでなりました。
12.このように、北朝鮮の問題は未解決であるものの、先の大戦後のアジアの戦乱期
を経た後に、慰安婦の存在は浮上しました。人々が平安を取り戻して慰安婦の存在に目
が向くようになったとも言えます。そしてそれは反日運動という明確な意図を持って登
場しました。彼女たちに対する私の人としての態度は、先に「元慰安婦、金さん、吉さ
んを考える」で書いた通りです。
13.既に書きましたが、慰安婦等を介在にした反日運動は、明確に中華人民共和国の
コミュニストの反日戦略の一翼として進められました。その手口はB-3で書いた通り
です。彼らに善意は通じません。例えば、河野談話がいい例です。談話は、心から謝罪
しています。しかし、彼らの目的は謝罪されることではありません。彼らの目的は、河
野氏が謝罪したという事実を得ることにあります。彼らはそれを善意の第3者に広めま
す。すると人々は、日本人はそんなに悪いことをしたのだと思います。これが彼らの真
の狙いです。誰かが弁解したとします。そんなものは通じません。反省もせずに悪あが
きしているとなります。彼らはこれを次々と広めていきます。そして日本人の悪いイメ
ージを人々の間に作って行きます。これを彼らが何故やるのかといえば、それは、彼ら
の「第2列島線」を確保するための、心理戦に他ならないからです。
14.そこで、この彼らへの能動的な対処方法考えてみましょう。第1に、彼らの土俵
に乗らない。第2に、慰安婦像の設置は日本人の名誉を毀損するものであることを、韓
国、アメリカ、そしてこれから設置される都市があるとすれば、その国と都市の裁判所
に提訴する。 第3に、国連に女性委員会の設置を日本から提起し、慰安婦を世界の問題
として考え、女性憲章と平和女性像を作る。同種の委員会が既にあれば、そこに提起し
て行う。第4に、現在の反日慰安婦運動は、日本を侵略する目的をもって、中共コミュ
ニストが組織的に行う反日活動であり、国連憲章に違反することを、国連内で提起す
る。これらのことが考えられます。第3の提起は、韓国の人々も一緒に取り組める前向
きのテーマであり、共に前へ進んで行くための踏み石となります。
15.コミュニストは、慰安婦のような心に負を伴う問題を責めたてることによって、
相手があたかも極悪人であるかのようなイメージを作り上げて行くことを得意としま
す。これは、共産主義者が昔からやって来た常套手段です。これを世界の人々に訴え
て、論理的な対応を取るには、それなりの時間と労力の積み重ねを必要とします。決し
て感情的に対応してはなりません。ましてや、彼らは既にアメリカで文化人のシンパサ
イザー(同調者・共感者)を作り上げています。
16.現在の日本は、平和主義の国です。これは私達日本人の経験 ――先の大戦に至る
戦争の日々と敗戦の苦難―― と、この苦難は私達だけでのものではない、アジアの人々
の苦難でもあるという思いが、そうさせました。そして、この平和主義は受動的なもの
ではありません。理を通し、平和を守るために戦いもします。
17.日本人は平和を願い祈ります。千鳥ヶ淵墓苑では、戦没者の鎮魂と共にアジアの
方々の鎮魂のために祈りが奉げられます。日本の寺々では、盆の供養で亡くなられた
方々の魂の安らかんことが祈られます。毎年8月15日に行われる戦没者追悼式では、
戦没者の慰霊とアジアの人々の苦難に対して思いが致されます。沖縄では6月23日に
亡くなられた方々への哀悼と平和への祈りが奉げられます。広島と長崎では8月6日
と、8月9日の被爆の時間に、犠牲者の追悼と世界が平和であることを祈ります。靖国
神社と全国の護国神社で人々は、戦火で無くなられた方々の御冥福と平和を祈ります。
そしてこれらの中に、草莽の謝罪の気持ちは無数に込められています。
18.しかしこれだけでは得心されない金さんのために、日本人が政府として、そして
国会において、アジアにおいて犠牲となられた方々に謝罪しているものの代表的なもの
を以下に挙げます。
a.1965年2月 日韓共同コミュニケ
b.1982年8月 宮沢内閣官房長官談話
c.1992年7月 加藤 〃 発表
d.1993年8月 河野 〃 談話
e.1994年8月 村山内閣総理大臣談話
f.1995年6月 衆議院国会決議
g.1995年7月 アジア女性基金の拠金の呼びかけ
h.2000年 アジア女性基金事業実施に際する森内閣総理大臣の手紙
i.2001年 元慰安婦の方々に対する小泉内閣総理大臣の手紙
j.2005年8月 小泉内閣総理大臣談話
k. 〃 衆議院国会決議
19.元慰安婦の女性たちに対する償(つぐな)いは、「アジア女性基金」という基金
を設立して行われました。日本の外務省の資料によりますと、この基金は、1995年
7月に設立されました。そして、総理大臣のお詫びの手紙と一緒に、韓国の場合、女性
一人に200万円の「償い金」が支給され、5年間で300万円相当の医療・福祉事業
が実施されました。金さんが所属されているであろう「韓国挺身隊問題対策協議会」は
これを受け取らなかったと言います。なお、日本と韓国の間では、「日韓基本条約(日
本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約)」が、1965年12月に効力を発効
しました。この条約により、日本は、韓国に3億ドルの無償供与、2億ドルの政府借
款、3億ドルの民間借款の提供を行いました。そしてこれをもって、韓国と韓国民の日
本に対する請求権の問題は完全に解決しています。
別記: 「雇用特区」について
1.政府が、「雇用の流動化を促(うなが)す特区(雇用特区)」法案を、今秋の国会
に上程することをメドに検討していることを、10月3日、菅官房長官が明らかにしま
した。
2.雇用特区は、八田達夫大阪大学社会経済研究所招聘(しょうへい)教授が、座長を
務める“国家戦略特区ワーキンググループ”で作業を進めているものですが、既に、We
b上では「首切り特区」、「ブラック企業特区」などと揶揄(やゆ)されています。
3.日経Webが、八田氏の記者会見の内容を載せています。曰く、「監督機能を強化
するために、例えば労働基準監督署のスタッフを増やす」。曰く「弱い者いじめになら
ないようにする策を万全に講じなければいけない」。ここにひとつの現実があります。
雇用特区がなくても、既に、企業は働く人たちを自由に使い捨てています。厚生労働省
の統計で、平成12年に総労働人口(5153万人)に占める非正規労働者(1813
万人)の割合は、35.2%に達しました。国民は相対的に貧困化しました。ブラック
企業と言われる会社があります。監督機能の強化が必要なのは、こういう企業に対して
です。
4.特区内の条件適用基準に、「外国人従業員の比率が一定以上」というのがありま
す。その特区には外国の低賃金の出稼ぎ労働者があふれます。外国から一旗揚げようと
思う人がやってきて、特区でアウトソーシングの会社を作り、外国人労働者を5年サイ
クルでじゃんじゃん雇い入れます。日本人経営者も同じようにします。特区は貧困特区
となります。日本が産業構造を高次化させなければならない時に、低賃金特区を提案す
る人の頭は、日本の産業を低次のまま留まらせるつもりなのでしょう。高学歴の外資系
企業の場合は、そもそも日本の雇用形態を彼らのものに近づけて来たわけであって、W
ebを見ても、彼らの雇用調整は正規・非正規従業者とも、特に雇用特区のようなもの
を必要としないと思われます。
5.特区に本社を置く企業の支社や支店、工場の扱いがどのように論じられているので
しょう? もしも、支社や工場までにその効力が及ぶとなると、日本は法の下の不平等
国家となってしまいます。
6.この特区案は、何年かの後に一般法として全国に適用できるように改正が行われる
と、余剰人員を抱えている企業の人員整理の負担を軽くすることを可能にします。企業
はしばしば経営計画を立てるとき、銀行やコンサルタント企業、株主から、余剰人員の
削減を求められます。この時の負担の軽減です。そして労働組合の弱体化です。この結
果、日本の非正規労働者の数はさらに増加することになります。
7.何れにしろ、この「雇用特区」案は、働く人たちの希望や企業経営者の明日を切り
開こうとする意欲に対して、彼らを後ろ向きにさせる効果を持っているように思えま
す。やることは別にあります。法案の提出は見送って頂きたく存じます。
夕焼け
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます