小動物記 2
A.雑木林
1.今日はタヌキの話をします。タヌキはケモノ偏(へん)に里と書き、漢字からして
人にとっても縁の深い動物だということが分かります。我が家の隣の雑木林にも住んで
います。私がこの地に越して来て20年が経ちます。それ以前から住んでいるようで
す。
2.雑木林は、大きいものではありません。幅も狭いものですが傾斜地の雑木林とし
て、道路に沿い西は小学校前に続き、東は私のところで少しきれて家が続き、再び船橋
市境まで繋がります。小さいながら貴重な生態系を作っています。
3.家は雑木林を造成した傾斜地にあります。大きなこぶしの木があったそうです。林
には桑の大木もありました。たわわに果実を実らせるその木は、鳥たちや小動物たちの
格好の食料の木となっていました。しかし、残念ながら伐られてしまいました。
4.伐られてしまったのは残念ですが、この桑を挿(さ)し木したものが少し大きくな
りました。元の大木まで育つよう、今年は、もう一度、若木を林に植え直そうと思いま
す。
B.タヌキと木の葉
1.昔話にタヌキと木の葉の話がたくさんあります。曰く、タヌキは人間に木の葉のお
金を払う。また曰く、タヌキは何かに化けるとき、木の葉を頭の上に乗せてドロンと変
身する。昔、私も、タヌキに食べ物を与えていた時がありました。その時、彼らはしば
しば食器に大きめの木の葉を残して行くことがありました。おそらくこんなことが、タ
ヌキと木の葉のお金の話として、昔話に残されたものと思います。
C.タヌキと植樹
1.彼らは植樹を行います。おそらく、彼らは意識してそれをやっているのだろうと思
っています。方法は簡単です。好みの果実を種ごと食べ、それを好みの場所でフンにし
て出します。そこには、その果実の木が根付きます。これが家の敷地などに行われる
と、それは、人へのお礼も兼ねているのかも知れません。
D.タヌキと木登り
1.昨年の台風26号では、伊豆大島では大変な被害が出ました。我が家でもテレビの
アンテナが傾きました。アンテナにはスイカズラが巻き付いており、それも除去して修
理をしました。翌日、今度は屋根にかかった木の枝を切るために再び屋根に上りまし
た。するとそこには昨日はなかった動物のフンがあります。タヌキが、「おじさん何を
やっているのだろう」と、様子を見に、屋根にかかった木の枝と、それに巻き付いたカ
ズラを足場にして登って来たものと思われます。彼らは木にも登ると、うすうす思って
いたのですが、その跡(あと)を初めて見ました。
E.雑木林の保護
1.3月に町会の寄り合いがあり、雑木林の保護をお願いしました。雑木林に棲(す)
む小動物を保護するには、雑木林の保護をお願いするしかないと考えた次第です。する
とハクビシンもいるという話が出ました。ハクビシンもいるようです。しかし、私の知
っているのはタヌキです。そこで、タヌキとハクビシンを間違っているのではないかと
思い、10年ほど前に撮った写真を取り出し、確かめました。やはり、タヌキです。下
に添付します。
2.ハクビシンは、もう10年以上も前のことになりますが、近くに森林公園という公
園があり、そこに散歩に出かけた夕刻のこと、カラス達が騒がしい時がありました。そ
の様子を、私は、ヘビがカラスの卵でも狙って、それでカラスが騒いでいるのではない
かと思っていました。しばらくすると、数人の若者(そのように見えたのでそのままに
書きます)が、小動物をカゴに入れてやって来ました。訊(き)くとハクビシンだと言
います。罠で捕獲したようです。
3.今考えて、その時カラスが騒いだ原因が、ハクビシンにあったのか、ハクビシンを
捕獲しようとする人間達にあったのかは分かりません。しかし何れにせよ、タヌキは保
護獣です。付近には畑もあるとはいえ、こんな人間の居住域に棲んでいるのです。保護
してやらなければなりません。また、雑木林の生態系には許容量があります。ハクビシ
ンも、この雑木林の許容量の中に収(おさ)まり、人家に被害を及ぼさない限りは、そ
のままにしてやってよいと思っています。
補足.雑木林の容量とは、この雑木林が育む生物の営み(木の葉も含みます)の総量の
ことです。小動物たちはこの循環の中で彼らの命を繋いで行きます。この中で、人間や
人間が飼育する犬や猫を除き、生態系の頂点に位置するのはタヌキやハクビシンです。
もし、この生態系の中でハクビシンが、カラスや他の鳥たちといった小動物を捕食し、
捕食されたものの個体数が減り、生態系のバランスが変化するようであれば、やはりハ
クビシンは駆除されなければならないでしょう。
タヌキ
H16年に撮った写真をコピーして置いたものです。
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