【 売れる営業 】実務営業コンサルタント 島田安浩 アクト株式会社代表

「営業紙芝居×顧客LTV最大化」実践講座 
営業実務コンサルタント島田安浩が「営業で悩む人を無くす」ために情報発信

営業事件簿 10 『 取り込み詐欺! 』

2008年07月25日 13時22分13秒 | Weblog
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 No129) 『 取り込み詐欺! 』
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 ■ 昨日は、仙台で講習会を開催しました。


   未明の地震で、新幹線が止まっているとニュース
   で流れていたので、「ヤバイ」と思ったら、


   仙台までは、通常通りに新幹線が走ってましたので、


   助かりました。



 ■ 講習会は、やればやるほど、私自身の勉強に成るので、


   開催するのは、私自身の肥やしに成って、非常に良いです。


   来週末8/2は、東京で実施しますので、“生・島田”を
   見に来て下さい!



 ■ さて~、事件簿に飽きられたのか、アクセスが減ってますが、


   気にせず、事件簿をしばらく続けます!


   今日は、取り込み詐欺です。


   皆さんは、名前を聞いた事はあると思いますが、


   実際にやられたことは、無いと思います。


   私の実体験談を、お話しします…。




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■目次

【1】現金注文

【2】支払回数の変化

【3】一気にやられた!?

 ★ 確認下さい。
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【1】現金注文
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 ■ 私にとって、余り思い出したくない事件です。


   部下の見込みでした。


   確か、埼玉の浦和辺りの事務所でした。


   部下に、同行を依頼されて、一緒に訪問した。…


   丁度、今時分の暑い時期だった。



 ■ 事務所は、小さな1室で、殆んど何も無い感じだった。


   お客さんは、


   「全国に、拠点が5カ所あるので、各拠点に家庭用の
    FAXを欲しい。」


   と言うことで、何社かに当たっていると言う話だった。


   1台、6万円ほどの安いFAXだったので、


   余り、乗り気はしなかったが、


   部下は、売れない営業マンで、そんな契約でも


   まとめて5台の注文を非常に欲しがっていた。



 ■ 通常は、ビジネス用のFAXしか殆んど販売していなかった。


   ビジネス用だと、30万円程度するのだが、


   リース契約すると、毎月の支払は6,000円程度だった。


   だから、通常は、企業向けはリース契約でしか、


   契約を貰う事はしていなかった。


   これは、お客様としても、月々安価の支払いで済むし、


   リースは100%経費計上できるなどの、メリットもあった。


   販売する側は、お客様と契約をするのだが、


   実は、リース契約をする場合は、お客様とリース会社の契約の


   仲介をする形に成って、お金は、リース会社が、


   一括して、支払ってくれるので、未回収に成る危険が無くて、


   売る側としては非常に良いシステムだった。



 ■ この6万円のFAXの場合は、単体ではリース契約が出来ない。


   金額が安くて、資産計上が出来ないのでリースの適用外に成るが、


   5台まとめると、リースは可能だった。


   そこで、お客様との交渉では、リース契約をして貰うように話しを
   した。



 ■ それに対して、お客様が、


   「お金は有るので、現金一括で支払いたい。」と


   異常なほど、リースを嫌っていた。


   何となく、嫌な感じがした。…


   そこで、現金で払うのはOKだが、先に支払って貰う
   事を条件にした。



 ■ お客様は、先に支払う事と、その代り、結構きつめの
   値引を要求されたが、それでも、利益が取れたので、


   その条件で、最初の契約を行った。


   ここから、徐々に、相手のペースにはまるとは、


   その時は、思ってもみなかった!



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【2】支払回数の変化
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 ■ 最初の、FAXに関しては、キチンと支払って頂き、


   こちらも、5台FAXを導入した。


   そこで、少し“オカシイ”事が有った。


   通常は、設置まで全てこちらで行うのに、


   このお客様は、それは不要だからと、


   物件を箱のまま導入させたことだった!


   まあ、工事費がかからなくて済んだので、良かったが、


   何か、違和感を覚えた。



 ■ その後も、部下は良く、その会社に行っているようだった。


   ほどなくして、当時、結構人気が有った、電子手帳を


   20個買いたいと言う話をして来た。


   1個が、2万円ぐらいしたので、40万円だ。


   もう、部下には、その会社に販売するのを止めるように話した。


   なぜなら、家電屋さんじゃないので、そんな単価の物を


   販売するのを目的としてないし、20個も欲しがる理由が
   不明確だったからだ。



 ■ それでも、部下は、その会社の部長と仲良く成っていたようで、


   どうにかならないかと言うので、支店長に一任することにした。


   支店長は、「良いんじゃないの!」


   と、非常に安易にOKしていた。



 ■ そして、部下がお客さんと話をして、今度は支払いの仕方を

  
   変更して欲しいと、言う話に成った。


   最初に、半額を支払って、月末にもう半額を支払うと言うものだった。


   私は、非常に嫌な感じがしたので、


   契約を止めるように話したが、支店長が、OKしたので、


   部下は、その条件で契約を取って来た。



 ■ この時も、値引して入れていたので、家電量販店より


   お客様は、安く買えた。


   支払いも、キッチリ約束通り、支払って貰えた。


   これが、罠とも判らずに、担当の部下は相手を非常に信用
   していた。


   支店長も同じだった、…。




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【3】一気にやられた!?
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 ■ 私は、その部下が、そのような契約を取ることが、


   非常に嫌だった!!


   なぜなら、私たちが扱っていたのは、ビジネス用の


   電話機やFAXやコピー機やパソコンだった。


   それを、リースで導入するのが、当たり前だった。


   その営業をして欲しいのに、本来の営業は、全然売れなくて、


   そのお客様の、良く訳の分からない契約を取って喜んでいた。


   しかも値引いているので、粗利も少なかった。



 ■ もう一つ、気に成っていたのが、FAXが浦和の事務所に


   付いていないと言う話を部下がしていたことだった。


   5ヶ所で使う為に買った筈が、なんで、使っていないんだ!?


   私の中では、


   「転売目的の購入!」


   と、ほぼ断定していた。


   そのように考えると、説明が付く。


   家庭用のFAXも、人気の機種だったし、電子手帳も
   みんな欲しがった。


   しかも、家電量販店より安く購入しているので、


   転売は、可能だった。



 ■ 大きな注文が入った。


   今度は、ノートパソコンを5台と言う注文だった。


   今では、ノートパソコンも結構安いが、当時は、


   1台が、50万以上の高級品だった!


   つまり、250万もの売上に成る。



 ■ 部下は、非常に喜んで、興奮しながら私に報告して来た。


   私は、この契約を取らないように指示した!


   でも、無駄だった。


   部下は、前回の件もあったので、支店長にも相談していた。


   支店長も大喜びだった!!


   支店の数字が、伸びるので、喜ぶのは当然だった。



 ■ そして、今回は、金額も大きかったので、


   部下と同行して、再度、事務所に私も一緒に行った。


   FAXは付いていない。


   以前と、全く変わっていなかった。


   支店長は、「とにかく取って!」と言うスタンスだった。


   私は、契約はしない方が、良いでしょう。


   絶対に転売目的です!


   と話したが、


   「良いじゃん!転売されても、今までもお金は払ってくれたじゃん!!」


   これが支店長の意見でした。



 ■ そして、お客様は不思議と、今回は余り値引を強く要求しなかった。


   その代り、もう3回目の取引だから、


   「末締めの末払にしてくれないか?」


   と言う条件を出して来た。


   私は、上司と相談しますと言うことで、


   一旦、客先を後にして、公衆電話から事務所に電話して、


   支店長に、おかしいから止めるように話した。


   でも無駄でした。


   「良いじゃん、取ってよ!」


   支店長の決断がそうなら私がとやかく言えないので、


   部下に、その条件を支店長が飲んだので、契約して、


   社内稟議だけ書くように伝え、契約を取りました。



 ■ 商品は、いつものように箱に詰めたまま渡しました。


   私は、とにかく、支払いが気に成っていましたので、


   部下に、入金の確認をキチンと行うように指示して、


   客先に、週に1回は、電話するように伝えておきました。



 ■ 「やられました!!」


   危惧した通り、入金は無かったのです。


   ずぐ、部下と一緒に、事務所に行ったら、


   もぬけの殻に成っていました!!


   電話もつながりません。


   私たちだけじゃ無く、数社の会社が、来ていましたので、


   計画的な犯行でした。


   「やっぱり!」


   思った通りに、やられていました。


   支店長に報告したら、


   「困ったね~だから、反対したのに~!!」


   って、今度は、責任を擦り付けようとしているのが、


   見え見えでした。



 ■ 部下と一緒に、会社に戻って、部長と対策を練りましたが、


   計画的な、取り込み詐欺にやられているので、


   回収は不可能だろうと言うことで、


   損金処理をするしかないと言うことで、


   担当の部下は、稟議書と始末書書かされ、


   私も、始末書を書かされました。



 ■ 実は、この事件は、典型的な取り込み詐欺のケースに


   引っ掛かった例です。


   でも、それ以上に私がショックだったのは、


   支店長Fの対応でした。


   契約の指示をしたのは、Fなのに、取り込み詐欺に成った途端、


   責任を私と、部下に押し付けて、逃げたのでした。


   これが、キッカケと成って、その後、支社長とは


   犬猿の仲に成りました。


   と言うか、あのFが居なかったら、まだ、あの会社に


   務めていたのかも知れません。


   辞めるキッカケをくれた、ある意味、恩人でもあります。



 ■ 全く無かった、冬のボーナス!!


   責任を擦り付けられた、私と部下は、


   冬のボーナスが、大幅カットされていました。


   数万円しか貰えなかったです。


   当時の私は、ず~と、予算クリアをしていたので、


   通常なら、50万程度は出てもおかしくなかったです。


   支店長はと言うと、たくさん貰っていました!(笑)


   世の中には、そんな上司も居るんですね。


   初めてで、最後の私が係わった取り込み詐欺事件は、


   支店長の人間性を知った事件でした。



 結構、計画的にやっている会社が有るので、ご注意下さい!

 私がハマった例は典型的な例だと、思います。

 お金は、先に貰うが基本ですね!


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 ■ 島田からのお知らせで~す!

   東京で講習会を開催します。

   ぜひ、ご参加ください。



 ■ 日時

   東京:8月2日土曜日13時から17時までと成ります。

 ■ 場所

   東京:駒込地域文化創造館です。

 ■ 内 容

   ・ 売れるように成る軌跡

   ・ ビジネスの大枠を理解する

   ・ 売れる営業マンの立ち位置(スタンス)を理解する

   ・ SP ・ EP ・ 感情確認について

   ・ アプローチについて

   ・ シナリオの作成方法

   ・ 伝説のシナリオを披露!

   (92~93年に日本で一番レーザーFAXを販売したシナリオです。)

   ・ 営業を舞台劇と考える

   ・ 売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識

     * 説明しない 

     * 黙る 

     * お願いしない

    * 7つのクロージング方法

    * 決まらなくてもOK

    * やりそうで誰もやらないことをやる


 ■ 金額:5,250円(税込)


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 ◆ 予 約


   今すぐ、http://www.cotucotu.com/kousyukai.html から

   申込下さい!



 以上、よろしくお願い致します。





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  プロ指導専門ティーチィングプロ
         島田 安浩 より
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  アクト株式会社
  電話049-256-9421 FAX049-256-9431
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