DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

ウラジ、ヘイをも飲み込む

2011年07月07日 05時43分02秒 | 世界ボクシング
先週末2日土曜日、ドイツで行われた試合結果です。
3団体ヘビー級王座統一戦:
IBF/WBO王者ウラジミール クリチコ(ウクライナ)判定3対0(117-109、118-108、116-110)WBA王者デビット ヘイ(英)

*クリチコ兄弟王朝崩壊もアリと予想されていた一戦。結果は王朝をより磐石にするものでした。

ヘイがこれまでのウラジの挑戦者達より上回った点。それは試合後に「ヘイにパンチを当てるのは非常に難しかった」と言わしめたこと。そしてウラジの左目下(ほっぺ)を赤くした事ではないでしょうか。

特に1ラウンドは警戒心からか硬さが見られたウラジ。2回以降は普段どおりのボクシングを展開し、ポイント差を広げていきました。普段以上に防御への意識をおいていたウラジ。ヘイの右強打への対策として、常に体重を後ろ足となる右足に置いていました。そのため、ただでさえヘイにとり遠距離に位置していたウラジが、さらに遠くに位置していました。

体重、身長、リーチ共に大きく劣っていたヘイ。パンチを打ち込むにも距離があるためどうしても大振りになってしまいます。ウラジの左ジャブは持ち前の機動力とクイックネスで対処できましたが、ウラジが右を出したらお手上げ状態。ウラジがその気になれば、明確なダウンの一つぐらい奪えたでしょう。

パンチのハンドスピードならヘイ有利との声もあがっていましたがどうしてどうして。パンチ力はもちろん、スピードでもウラジが後塵をとることはありませんでした。後半に入るとウラジが違う左を打ち始めます。試合序盤はダメージを与えるためのジャブを放っていましたが、ヘイのスピードに対抗するための早いジャブに切り替えました。このパンチ、数もかなり放たれたため、ヘイのカウンター狙いも難しくなりました。

ヘイの頑張りもありましたが、結局はウラジの圧勝。同じ巨人でも、鈍なニコライ ワルーエフ(露)とは物が違うことを証明。WBA王座を吸収すると共に、IBF王座のみだと10度目の防衛に成功したことになります。

私(Corleone)の採点は117対109でウラジ。3回と最終回をヘイに与えました。そして7回にはウラジが上からヘイを押さえ込んだため減点1を科されています。11回にはこの試合で唯一のダウンシーンが見られました。ダウンといっても、ウラジがヘイの体を引き、そのままキャンバスにタッチというまったくダメージは無しというものですが。減点、ダウンのシーンが表すように、両者の体の大きさは違いすぎました。

試合前、さんざん悪態をついていたヘイ。試合後はしっかりとウラジ、そして兄ビタリと握手をしていました。素晴らしい事です。

ヘイですら相手にしなかったウラジミール。今後は防衛記録をどこまでも伸ばしていってもらいたいです。
コメント (2)
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