現地時間の先ほど(25日・土曜日)、英国で行われた試合結果です。
3団体統一ヘビー級戦:
挑戦者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)判定3対0(117-112、116-112、115-113)王者アンソニー ジョシュア(英)
*2012年ロンドン五輪のスーパーヘビー級(ジョシュア)と、ヘビー級(ウシク)の金メダリスト同士の対決となった一戦。試合前の予想では、体格で勝り、中量級並みの柔軟なボクシングもこなせるジョシュアが、ウシクに無難な勝利を収めるだろうと思われていました。しかし、蓋を開けて見ると、小柄なウシクがジョシュアの体格と強打に全く怯むことなく、真正面からジョシュア以上の柔軟なボクシングとスピードでライバルを圧倒。明白な判定勝利を収め、クルーザー級に続いて2階級目の王座獲得に成功しています。
ウシクはこれまでに、クジストフ グロワッキー(ポーランド)を破りWBO王座を獲得。マイリス ブリエディス(ラトビア)を退けWBC王座も吸収。そして王者ムラト ガシエフ(露)にも勝利を収め、4団体のクルーザー級王座を統一しました。驚くことにウシクは、今回のジョシュア戦を含め、タイトルを獲得したすべての試合を敵地で行ってきました。2013年にプロデビューをして以来、常に高い評価を受けてきたウシクですが、今回の勝利によりそのステータスはさらに上がる事でしょう。
ウシクは、今回の対戦契約によりジョシュアとの再戦もあります。しかしジョシュアより大きく、さらに柔軟なボクシングが出来るタイソン フューリー(英)や、ヘビー級らしい豪快なボクシングを披露するディオンティー ワイルダー(米)との対戦も見てみたいですね。
なおこの試合には、7万人もの大観衆が会場に詰め掛けました。
新王者が誕生した最重量級の2021年9月26日現在の王者たちの顔ぶれを確認しておきましょう。
WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数0)
WBA(レギュラー):トレーバー ブライアン(米/0)
WBC:タイソン フューリー(英/0)
WBC(暫定):ディリアン ホワイト(英/0)
IBF:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/0)
WBO:オレクサンデル ウシク(英/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:デムシー マッキーン(豪/0)
日本:上田 龍(石神井スポーツ/0)
ウシクは今回のジョシュア戦に220ポンド(99.79キロ)の体重で臨んでいます。WBCが新設を試みているブリッジャー級は224ポンド(101.6キロ)を上限とするクラスです。ウシクの勝利により、この訳の分からないクラスが如何に不要かが明確になりましたね。