東北・関東を襲った未曾有の災害、それに輪をかけたように降りかかってきた原発の事故。まさに国難だ。地震大国日本としては、少々の地震に対しては免疫があったようだが、大津波と云う怪物への備えがなっていなかった。木造家屋の何ともろい事か、改めて思い知らされた。被災地の皆様には深い哀悼の意とお悔みを申し上げると共に、福島原発区域の方達にはわずかでも望みの炎を絶えすことなく、前向きな姿勢を取り続けて欲しいと願っている。
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悪夢と云うべき3月11日以来、テレビの前で釘付けとなって、事故の推移を見守っていた。大津波が街を根こそぎ浚ってゆく悪魔の舌のような水の脅威を肌で感じて、それこそ身震いがしていた。そして、福島原発。人知を超えた神の采配という輩もいるが、あまりにも情け無い対応力に腹立たしささえ覚える。電源が壊滅したのが原因と言っているが、それだったらまず何をすればよいのか。緊急停止はなされたのだから後は冷却とすぐに分かりそうな筈。6基のリアクターが順に熱を持って次々にメルトダウンしてゆくさまは、まさに無能を示している。それに、保管していた燃料棒さえも冷却不能になっているというのだから。
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会社のいこい広場の紅梅。春の日差しに包まれて、と報告したいんですが・・・。
テレビ桟敷で様子をみていると、どうも原発の最高責任者が事態を重視していなかったような気がする。「緊急停止したからもう安全だ」、位の軽い気持ちだったのじゃないか。それに、責任者を補佐する技術屋さんが居なかったのでは無いだろうか。定期点検中で安全に格納していた筈の燃料棒にしたって、熱問題が明らかになって、「実は・・・」と発表したり。(それも日を置いて、何と2基分があると知らされた)
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危機管理と云うか、事故シミュレーションがなっていないと言わざるを得ない。原発の問題で、「炉の緊急停止」の次は「冷やす」ことだと分かっているのに。 全6基の冷却を最初のうちから行動していればもっと違った結果になっていただろう。一号機が水素爆発を起こした段階で、この原発は全機がもう使えない!と判断して早めに対策を取るべきだったのだ。何とか大丈夫だろうと、高を括っているうちに次から次へとまるっきり同じプロセスでメルトダウンしていったのだから、判断が甘かったのは間違いない。
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放射能が洩れ始めてから対策を打とうにも、ロボットが作業するのじゃないから思いのままに手は打てない。ますます苦しくなるばかりだ。最悪のシナリオは保管している燃料棒までもが臨界に達するかもしれない。原爆を育てている様なものだ。チェルノブイリは1基だったが今度は6基。まさに東北・関東どころか日本全部が放射能の餌食になってしまう。アメリカから発電機車を運び込むとか言っているようだが、考えられる全ての対策を取って、何としてでも最悪のシナリオを迎える事が無いようにしてもらいたい。奇跡が起きるのを待つしかないのだろうか。
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それにしても、技術屋が居ないと言いたい。原発を立ち上げた当時の技術屋だったら、今度の事象を正確に汲み取って素早く対応が出来ていたと思うのだ。一つが事故に合えば、他の機器は?と誰もが思うに違い無い。現在の原発屋は先人の真似ばかりで、自分で考える事がなく、技術の継承も出来ていないから、いざと云うときの対応が出来ないのだと思う。原発のプロが居ないのだ。
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日本人の叡智を結集して何とか事態を収拾して欲しい。切に願うのみだ。
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