退職後、音信不通に近かった遠賀のAさんから電話があった。懐かしい声で元気そうなので安心した。タケノコが最盛期なので、来い! という。私もGWの定例行事として、どうしようかと考えていたところだったので、即座に伺うと答えた。
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はまさんに連絡取って、日曜の朝、張り切って出発した。 途中、お土産のビールやら弁当を買って、Aさん宅に着いたのが10時。Aさんが待ちかねていると思っていたのだが、玄関先から声をかけても、返事がない。TVの音はしているし、車は置いてあるので、居るはずなのだが?
仕方ないので、メモを書いて分かりやすい所に置き、かって知ったる倉庫からタケノコ掘りの道具類を取り出して、はまさんと二人で山に入った。
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例年通りの場所に、昨年と同じようにドラム缶とクドがあった。毎年のことだが、このドラム缶でタケノコを茹でるのだ。横の谷川でドラム缶を洗って、水を入れて、枯れた孟宗竹を集めて火をつける。毎年のことで手慣れた行動だ。火が燃え立ってからタケノコ掘りだ。専用の鍬とコンテナを持って山に入る。ちょっと入ったところで、もうタケノコがわんさと顔を出していた。探す手間は全く不要だった。その場で竹の皮をはぎ、コンテナに入れる。あっという間にコンテナいっぱいとなった。
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空き地に戻って、ドラム缶にタケノコを投げ込んで本格的に茹で方開始! Aさんがいつも準備する灰汁抜き用のトウガラシがないので、スーパーに買いにゆかねばと車を出す準備していたら、なんと妻が糠を準備して持たせてくれていた! これにはびっくりした。 まさか、こんなことまで想定していたとは。
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これですっかり安心、茹で方に専念できた。1時間ほど茹でた昼過ぎに、軽トラが上がって来る音がした。Aさんだ。メモ書きを見て、駆け付けたのだ。どうも酒に酔って居間で寝ていたようだ。半年ぶりの再会だが、お腹が出ていた。私を見て髪が真っ白くなった。という。互いに半年間の変身に驚いた。
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Aさん、寂しかったのだろう。毎日、暇を持て余していたようだ。畑仕事はあるが、冬場だったので農閑期だし、山仕事も一人では危ないので控えていたのだ。しきりに会社の現状や知人たちの現況を知りたがる。積もる話に花を咲かせた。
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4時半すぎにタケノコ狩りは終了。後片付けをして、八朔も山のように車に積んで辞去した。Aさん、耳が遠くなって電話が不自由らしい。これからは定期的に様子を見に訪れなくては。