このところ出かけることが多かったので、今日は久しぶりの出社だ。回覧書類などをチェックしていると、同じようには早く出勤してきたSさんが、私のところに来て、「永い間お世話になりました」と言う。おまけに、なにやらお菓子らしい紙包みまで頂いた。 何事かと聴くと、今月で60歳で定年という。 わが社にはシルバーさんやパートさんの肩書きで入っている人が多いが、どうも彼女は関連会社の職員資格のため、社員と同じ60歳定年に該当するようだ。 そういえば、最近は休みがちだったなと思ったが、あまった有給を消化していたのだろうか。
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<o:p> Sさんから頂いたせんべい「磯おどり」。プレゼントするのが逆の立場なんだけど!</o:p>
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彼女が働き出して、もう20年近くになると思う。私が課長時代にパートさんとして雇用された。設計図書類のコピー配布がメインの仕事であるが、面倒で複雑な業務をミスなく、きちんと配布記録も取って、てきぱきと時間を掛けずに処理して、実に頼りがいがある人なのだった。すらりとしたスタイリストで、私より足が長い。面倒見も良く、我が部の庶務担当の若い女性にあれこれと親身になって世話をしている人でもある。
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また、彼女は真面目でしっかり主張を持った人でもあり、5年位前に何の落ち度もないのに急に止めさせられたことがあって、その不当な振る舞いに対して、弁護士を立てて会社と交渉して、見事に会社側を謝らせた逸話もある。 彼女が在籍していた会社の常務の方が明らかに間違っていると誰もが思っていたので、当然の結末ではあるが、彼女に拍手喝采を送ったものだ。
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私は、彼女たちの性格と働きぶりに感謝していて、出張や旅行などに行った折に、安くて恥ずかしいけれども、お土産などを買っていた。彼女たちの笑顔を見たいのが本音だったかもしれない。旦那さんがボートを持っていて、休日には必ずといって良いほど釣りに出かけており、アジやイカを貰ったこともあったり、仲良くさせてもらっていたのに、居なくなるのは残念だ。
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午後3時に部員全員が集合して、Sさんとのお別れイベントが催された。彼女にとっても生活の一部になっていただろうし、本当にお世話になりました。最後に、腕いっぱいの花束を抱えて、涙目ながら彼女らしく落ち着いて細やかな心情の語り口の、しっかりした挨拶で締めくくられた。
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今春に、やむを得ずに退社したOさん、今度のSさんと懇意にしていた人たちが居なくなるのは寂しい。それに、ヨットのO君も今日で正式に退職だ。それぞれ自分の道を歩んでいくことだろうが、元気で頑張って欲しい。
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