飯塚・田川といえば炭鉱全盛時に栄華を極めた街であり、気は優しいが力持ち、荒くれ男ではあるが高倉健を代表とする義理人情に厚い男をイメージするところである。昨年亡くなった高倉健さん、地元である北九州でも追悼して映画が上映されるなど、惜しむ声が多かった。衛星放送でも高倉健特集を放映しており私もビデオに撮り込んで、「網走番外地」「緋牡丹博徒」「昭和残侠伝」を観た。私にとってはノンポリで不毛の青春を過ごした思いが強かった感がするけれども、学生時代に熱い血潮を漲らせて観た思い出の映画でもあり、これらの作品は懐かしくて眼頭が熱くなったりした。その他にも「幸せの黄色いハンカチ」や「鉄道員」「ホタル」など彼の代表作と言うものをこの3か月で鑑賞した。
これらのシリーズを観て感じたことは、高倉健は北海道が良く似合っていると思ったこと。それに違和感なく筑豊が重なっていることだ。夕張の街並みなんてまさに飯塚や田川の炭住風景だ。もちろん、大雪山の冠雪した山並みは雄大で筑豊には無い。夕張に住む人たちにとっては心の糧になっていると思う。
このように飯塚は荒くれ九州っ子のイメージが強いが、実は九州の玄関口、小倉と長崎を結ぶ長崎街道の宿場町で、飯塚宿として古くから栄えてきた。オランダから入った砂糖菓子を江戸に献上するのにこの道をたどったのである。だからこの街道をシュガー街道と名付けて街を再発見しようとしている。飯塚宿はシュガー街道の中でも特に栄えた宿場であり、お菓子も「千鳥屋」、「ひよこ本舗」、「成金饅頭」と老舗が軒を連ねている。このため女性にとっても思い入れが深い街なのだ。
飯塚の街はJRウオーキングを歓迎していた。
さて、先週のJRウオーキングはこの飯塚が舞台だった。雛(ひいな)のまつりウオーキングだ。2014年度のウオーキングも2月末で一応締め切り。私はこの日までにスタンプが29個であり、30個の区切りまであと1個。何としてでも参加せねばと気合を入れていた。
前夜から春一番が吹き荒れて、ウオーキングが開催されるのか一抹の心配はあったが、朝6時の時点で風は止んで雨が少し残っていた。小倉駅からJRに乗り、折尾・直方を経由して飯塚駅へ。コース地図をもらってスタートしたのが9時前。小雨が降っていたためか、参加者はそれほど多くなかった。駅前通りを直進して遠賀川(犬鳴川と彦山川)を渡って旧市街に。朝が早いためか、商店街はまばらではあったが、千鳥屋本店やひよこ本舗は店を開けていてウオーキング客にお茶の接待をしてくれていた。
アーケード内にあるひよこ本舗などの店々。
時流の波に押されて、どこでも商店街は閑散としているが、飯塚宿の雛祭り、各所に雛が飾られていて、伝統と言うか趣きが感じられて良かった。もう何度も訪れている街なのだが、何度通っても飽きない。史跡を思い起こさせる街並みが珍しいのだろうか。
スタンプ30個でGETしたウオーキングポーチ。ペットボトルケースの方が何となく格好良い。
距離が短かったので10時過ぎに新飯塚駅のゴールに到着、30個目のポイントをGET。賞品のウオーキングポーチを頂いた。ところが期待が大きすぎたのか、このポーチを手にして少々がっかり。なんとなく安っぽくて収納も大してできない。昔の20個賞品のペットボトル入れの方が高級な感じがする。とはいえ今期のウオーキングも無事に終了。3月からはまた新たにスタートする。元気で歩きたいものだ。