クリスマスプレゼント。フクロウのペン立て、私をじっと見つめてくれています。
クリスマスも無事に終えました。イブの宵は暖かい家族に囲まれて、美味しい料理を楽しんだことと思います。雪国ではホワイトクリスマスだったようで、木枯らしが吹きすさぶだけの殺風景な九州とはえらい違い、素敵な夜だったとうらやましい気分です。
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クリスマスイブの土曜日、今年一番の寒気が押し寄せてきた。と言っても雪は降らず、木枯らしが吹き渡る寒々とした乾いた音だけがいやに響いていた。根が怠惰な私、重苦しい空を見上げて、その日はフィットネスに云った後はゆっくりと休む事に決めた。孫達はそれぞれの家庭で祝っている事だし、私達二人だけだから静かなイブを味わおうと。
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ところが、何故か妻は大張り切りで窓ガラスの掃除やカーテンの洗濯など、小まめに動き回る。居間でエアロビで疲れた身体を憩うべく、うとうとしていた私はそれこそ腰が落ち着かない。 こんな日くらいのんびりしたい私は「年末なのに大掃除もしないで・・・」と言いたそうな妻の冷徹な目に屈することなく、あくまでもノンビリを目的に書斎に退散した。妻は孫達が来ないので、邪魔されずに捗るという気持ちなのだろうけど。
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何となく妻との間に違和感が有ったのだが、夕食には今年も鳥料理が出てきた。私が密かに買っていたショートケーキを並べると、妻も笑顔が戻ってきた。やはりイブには笑顔が良く似合う。テーブルにクッキーやショートケーキを並べ、香りが出るろうそくを灯すと、それなりにイブらしくなった。このところ愛飲しているスペイン産の白ワインは酸味が薄くて飲み易く、浅田真央さんのフィギュアSPを観る頃には気持ちよくすっかり酔っ払ってしまった。
<o:p>慌ててカメラで写しました。白い斑点は全部火の粉。</o:p>
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さて、その夜。9時過ぎには寝た私だが、夢の中でサイレンが鳴る音が近づいてくる。それに人声も。「あっちだ!」 「向こうだ!」などと騒いでいる。暴走族がパトカーに追われて逃げ込んだのかもしれないと夢うつつにまどろんでいたのだが、あまりに騒がしいのでベッドから起き出してカーテンを開けた。すると目に入ってきたのはものすごい数の赤い火の粉だった。何事かと西側の窓を開けると、北方向の数軒先、直線距離で30mくらいの家が真っ赤に燃えていた。2階の窓からすさまじい炎が噴き出ている。そこから北風に乗って無数の火の粉が飛んでいたのだった。これは危ない、延焼するかも、と慌ててガウンを羽織って居間に降りると、妻も殆ど同時刻に気付いていて、二人して外に出た。
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夜空には火の粉が舞い、その火の粉が我が家の庭などに落ちてくる。それを足で踏み消しながら、水を撒くべきだろうかなどと思案したのだが、ほどなく消防の散水が始まったようで、黒い煙が押し寄せてきた。ものすごい臭いで衣服に付くと大変だと、すぐさま家に入り込んで鍵をかけた。3階の窓を少し開けて様子を見ると、黒煙がモウモウと上がっており、炎は収まったようで一安心したのだが、落ち着いて時計を見ると11時半、まだまだ宵の時刻だった。
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翌朝、見に行った。現場は消防がチェックしていたが、火災元が全焼、両サイドの2軒が半焼だった。幸いにも怪我人は出なかったようだ。同じ町内、妻の友人宅も火元の真ん前。運よく延焼を免れたと恐ろしかった当夜のことを話していたと聞いたが、これだけで収まってよかった。北風が強くて、この町一帯が焼け野原になったかもしれないのだから。
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