どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「アーティスト」

2012年04月19日 | 映画
レイトショーでアカデミー賞受賞作サイレント映画「アーティスト」を鑑賞。アカデミー賞受賞作と僕の好みは大概がズレてる為、あまり期待はせずにいたのですがサイレント映画というのに惹かれて見に行きました。
良い映画でした。実に良く出来てるけど、この映画と比較するなら今回のアカデミー賞では「ヒューゴの不思議な発明」の方に僕なら受賞させるなぁと感じた。
サイレント映画で無駄な台詞や音が無い分、映像に集中出来て表情の芝居とか動きから色んな事を感じたり想像出来たりして主人公に感情移入も出来たんだけど、ベタというか物語は良く出来てるけどなんか優等生すぎて鼻に付く感じ。
主人公の気持ちとかに共感も出来たけどもあまりにもセンチメンタル過ぎるというかなんというか繊細すぎて見ていてもっと前向きになれよ!とかなんでそんな風に落ち込むのよ!負けるな!という別の気持ちの方が大きくなり、なんか気持ちよく見れませんでした。後半で○○○しそうになる展開では盛り上がる感動的な場面なんだろうがおいらはオイオイって感じてました。サイレントで感情を表現する見せ方や展開はとても良かったんだけど、その方向性が前向きでないのがあんまりでした。どうせなら主人公がサイレントにこだわって頑張る姿を見せてくれた方が僕としては気持ち良く見れた気がする。犬がとても可愛かったけどCGキャラみたいでこちらも優等生すぎた気もした。女優さんはそんなに優等生っぽく描かれてなくて自然体な所もありとてもチャーミングであったと思う。
評価出来る所はこの時代にあえてサイレント映画を蘇らせた点であり、その心意気と出来映えには素直に拍手を送りたい。サイレント映画の良さを若い人に伝えれたなら良いが、昔を懐かしんだ評論家の評価ばかり高かっただけならアレですね。そういう意味では「ヒューゴの不思議な発明」の方が最新の3D映像を効果的に使いつつもサイレント映画の良さを直接的にではないけど上手く出して見せてくれて感動させられたな。僕にとってはだけど・・・
サイレント映画で過去に良い映画はもっとありますよね。僕が好きなサイレント映画は「メトロポリス」チャップリンの映画、そしてマニアックな所ではアンディ・ウォーホルの初期映画です。


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