栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

釉薬の色について

2007-11-15 13:56:00 | 陶芸
粘土はなにから出来ているのでしょう?

もとをたどると、石なんですね。

色んな石が風化して、細かくなって長い年月かけて出来たものなんです。

その中には

長石とか硅石とかカオリンとかの成分がまじっているんです。

さらに鉄や銅などの金属類もまじっています。

この混じり加減でいろんな粘土があるわけです。

ここまで読んで、釉薬の本に書いてある

長石何パーセント

硅石何パーセント

石灰何パーセント・・・

と言う原理が見えてきますね。

自然にある材料はいろんな成分が混じりあったものが多いんです。

しかしそれだと、安定して再現が出来ませんので

一度分析して再構築できるようにしたものが

釉薬の成分表なんですね。

粘土+灰という釉薬も分析して組み立てると

長石+石灰+硅石+・・・・という風になるわけです。

さてここから第二ステップ

釉薬(ガラス)の基本になるもの

これが昨日書きました粘土です。

それを融かしてくれるもの

灰です。

もう一つ融け方をコントロールしてくれる灰(稲・竹の仲間)があると安定感が増します。

この三種類の配合を動かすことで、透明なガラス・マットなガラス・乳濁なガラスが出来てきます。

結晶の出るガラスもありますが、これはマットなガラスの仲間だと考えてください。

ここに色の素を入れます。

色の素・・・?

金属です。

鉄とか銅とかチタンとかマンガンとかそんなものです。

この金属類はだいたい釉薬の1割以下の分量で良いですね。

少しで色の出るものといっぱい入れないと出ないものがありますが

おおむね1割以下です。

金属は1000度以上の熱で溶けてきます。

金属によりますがね。

土やガラスは金属より熱に強いですから

釉薬に金属類を入れすぎると、流れたり、ぶくぶくになったり、問題が出てきます。

窯の中は熱の嵐のようになっているわけですので

ガラスの海の中に浮かぶ金属君は

ガラスに飲み込まれて、色になったり

表面をただよって結晶になったりするんです。

鉄はガラスと混じりあいやすい金属で

少しだと薄い茶色になりますし、いっぱい入れると黒くなります。

銅は蒸発して行きやすく、色がとんだり、となりに移ったりしやすいです。

窯を焚いていると、銅が入っていると、炎が緑になるんです。

蒸発して逃げていってるんですね。

チタンなどは、白い色になりますが、これは面白いやつで黄色くなったり青くなったりすることがあるんです。

窯の種類、焼き方、温度などによって色の出方、ひかりかたなど違ってきますので

テストしてみてくださいね。

次回は塩の釉薬についてちょっと・・・

益子陶器市コミュもよろしく。




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