栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

素焼き講座

2009-11-28 20:49:39 | 陶芸
粘土を扱ったあと、手を洗います。

そのバケツの水を捨てるとき

細かい粘土の粒子が煙のように流れていきます。

粘土はどうやら細かい粒の集まりのようです。

水が多いと泥になり

水がなくなると、石のようになります。

そのちょうど良い水加減の時

自由な形を作る事が出来ます。

粘土と呼ばれる状態の水分量は

15パーセントから30パーセントと言われています。

形を作って、乾燥していく時

この水分がなくなっていくに従って

粘土も縮んでいきます。

さらに素焼きをすると

粘土の粒と粒の間に入っていた水までも

外に飛び出していきます。

豆腐が高野豆腐に変わっていくのと似ていますね。

「素焼き」というのは、ちょうど高野豆腐になったような状態なんです。

うわぐすりというのは

火に溶ける石の粉や灰や粘土で出来ていて

それを水にといた状態です。

その中に素焼きを入れると

スポンジ状態の素焼きはドンドン水を吸い込むわけなんです。

その勢いでうわぐすりの成分が素焼きの表面にくっついていくんですね。

素焼きは水を飲みたかっただけで

うわぐすりが欲しかったわけではなかったんです。

それでくすりがけの済んだ素焼きを

誤って落として割ったことがあります。

素焼きの生地の中には水しか入ってなくて

うわぐすりは、表面にはりついているだけなんですね。

水の粒とうわぐすりの粒の大きさが違うということが

このことから想像できます。

空気は通るけど、虫は通らない網戸みたいな感じですね。

炭も同じような状態で

水を濾過する原理というのは

高野豆腐と網戸の原理だったわけです。

今日の素焼き講座は

やわらかいのか、かたいのか、わからない内容でした。(笑)