ここのところデミタスカップの紹介が続きました。デミタスカップにつきましては、まだ、1~2点所蔵していますが、デミタスカップの紹介は、この辺で一旦休止し、これからは、これまでのデミタスカップの紹介の過程で話題となりました、ヨーロッパの「古伊万里写」や中国の「古伊万里写」を6~7点紹介したいと思います。残り1~2点のデミタスカップにつきましては、後日、追々と紹介していきたいと思います。
まず、最初に紹介するものは、「イギリス製 古伊万里写 草花文皿(額入り)」となります。
これは、昭和60年に、地方都市のデパートで開催された「骨董市」で買ったものです。
私の古伊万里コレクションは、昭和49年に江戸時代前期の「伊万里 染付 草花文 油壺」を1,000円で買ったのがスタートですから、この昭和60年では、私の古伊万里のコレクション歴も10年を過ぎたことになります。
その間、いろいろと勉強も重ね、本も読み、ヨーロッパでは古伊万里に憧れてその写しを作るようになっていたことを知っていました。
そんなことから、この「イギリス製 古伊万里写 草花文皿(額入り)」を見たとき、「あぁ、これが、本などに書かれている、例のヨーロッパの古伊万里写か!」と思ったわけです。それで、さっそく、参考資料とすべく、購入におよんだわけですね。
ところで、買う時点で、これが、何故、イギリス製だと分かったかですが、それは、売主が「これはイギリス製です」と言っていたからに過ぎません。売主の言っていることを単純に信じたからに過ぎません(~_~;) と言うのも、次の写真にもありますように、額に入っていて、その場で中身を取り出すのが困難でもあったものですから、ガラス越しで皿の表面を見ただけで判断せざるを得なかったからです。
イギリス製 古伊万里写 草花文皿
額に入ったところ
ただ、この皿につきましては、「ヨーロッパの古伊万里写を買った!」というだけで満足し、中身の皿に特に関心があったわけでもなかったものですから、口縁にあったソゲ傷を補修して見苦しさを無くしてから、間もなく、額に入れて押入れの中に放置してしまいました(~_~;)
それで、今回、紹介するに当たり、約36年ぶりに額から取り出して写真を撮ることにしました。
表面
口縁に2箇所、ソゲ傷がありますが(1時と7時の方向)、私が補修しました。
裏面
口縁に3箇所、ソゲ傷がありますが(1時と3時と8時の方向)、私が補修しました。
高台内の拡大写真
「PATENT IRONSTONE CHINA(特許 白色硬質陶器)」の刻印があります。
上の写真から分かったことですが、高台内に「PATENT IRONSTONE CHINA(特許 白色硬質陶器)」と、英語の刻印がありますので、この皿は、やはり、売主が言っていましたように、イギリスで作られたようですね。
また、指で弾いてみますと、キンキンという金属的な音がしませんから、これは、磁器ではなく、「 IRONSTONE CHINA(白色硬質陶器)」とありますように、陶器なようですね。
なお、イギリスの特許制度には長い歴史があるようですから、「PATENT」と刻印されているからといって、新しいものとは思えないと思います。日本の場合は、「特許制度」は明治からのようですけれど、、、。
以上のことから、この皿は、イギリスで、18世紀に、古伊万里を写して作られた陶器であることが分かります。この時点では、イギリスでは、まだ、磁器は作れなかったのでしょうか、、、?
生 産 地 : イギリス
製作年代: 18世紀
サ イ ズ : 口径;24.2cm 高さ;2.2 cm 底径;15.0 cm