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11月に入ってはやいものでもう6日になりました。この間約1週間と言うもの更新してきませんでした。ご覧いただいている皆様にお詫び申し上げます。この間、さぼっていたわけではなく更新できない事情がありました。
11月1~2日は幕張にある市町村アカデミーという施設で市町村議会議員特別セミナーに参加。3~4日は久しぶりに家族旅行。5日は議会だよりの配布、そして6日は講演会の受講と六分水の虫干しと行事がたて続いており更新することができませんでした。この間のできごとについては順次掲載してまいります。
まず市町村議員特別セミナーのことからお話いたします。このセミナーは議員の資質向上を目指し市町村アカデミーが毎年開催しており、東御市議会は新人議員を中心に毎年2名ずつ派遣しています。今回は私と阿部議員の2名が参加しました。北海道から沖縄まで全国から256名の議員さんが参加されていました。長野県内からは小諸市さんや安曇野市さんが参加していました。
セミナーは初日は朝日新聞編集委員の星浩さんの「これからの政治の行方」という講義と、宮城県涌谷町医療福祉センターの青沼孝徳さんの「大震災と地域医療の連携」という講義をお聞きしました。夜は交流会となり多くの議員さんと意見交換をすることができました。
二日目は法政大学教授で議会改革の論客である廣瀬克哉教授の「地方議会の役割と改革の行方」という講義を聴講しました。その後「地方議会の役割を考えるー福祉・医療の分野から」と題したパネルディスカッションを聴講しました。廣瀬さんがコーディネーターでパネリストは西吾妻福祉病院管理者である折茂賢一郎さん、東京有明医療大学間の学部准教授である千葉喜久也さんのお二人でした。
1泊2日のセミナーはとても刺激的でした。その中でも「地方議会の役割と改革の行方」を講義された廣瀬教授の講義は私にとってあらためて議会改革の重要性を認識し、取り組みへの決意を固めるものとなりました。
廣瀬教授は議会の使命(ミッション)とは何かと問いかけます。そして全国で始めて議会基本条例を制定された北海道栗山町の条例前文を紹介します。
「議会は、その持てる権能を十分に駆使して、自治体事務の立案、決定、評価における争点、争点を広く町民に明らかにする責務を有している。自由かっ達な討議をとおして、これら論点、争点を発見、公開することは討論の広場である議会の第一の使命である」(栗山町議会基本条例前文)
私は議会の役割とは、議会に提出された議案を審議して決定することだと思っていましたが、議決以上に討議結果を通して論点・争点を発見し、それを市民の前に明らかにすることだというのです。
そして議会における討議を通して論点が広く社会に伝わること、それによって世論が形成されること、その民意に耳を傾けながら結論を出すことが本来の民主主義であると指摘されていました。
こうした点から考えると東御市議会の活動で気のついた点がいくつかありました。
9月議会においては、田中保育園の建設場所選定にあたっては加沢区から陳情が出されるなど様々な議論が出されました。従来だと議員の間でも意見の異なった事案については「市議会だより」への掲載を見合わせるなど慎重な取り扱いが主流でした。しかし議会での討論の様子を市民に伝えることが大切だということで、11月発行の「市議会だより」では2ページにわたってこの議論の内容を詳細に伝えることになりました。
まだまだわかりやすく伝えるレベルには達していませんが、市民の前に論点・争点を提示するという点では一歩前進であったと思っています。
また先日行われた議会報告会の報告の仕方についても課題があったと思いました。何を報告するのかあきらかでないため、ややもすると行政の二番煎じのような報告になりがちです。
本来の報告会は市民に対して議会で議論された事柄の論点・争点を明らかにすることなのです。「この議案についてはこうした問題点があり、それについてはこのような議論が出された。その結果デメリットよりもこうしたメリットがあることから議会としてはこのように決定した」といった按配です。むろんこうした報告ができるためには委員会質疑で十分論議し、討論していることが前提です。
また東御市の場合、議案の審議結果は全員一致の賛成が大多数です。こうした状況についても廣瀬氏は問題だと指摘しています。すべて丸呑み議会でもオール否決議会でもなく、問題があれば修正して議決することが必要だと述べています。
確かに東御市議会では議案を採決するにあたり時として「付帯意見」をつける場合があります。これなども法的拘束力のない「付帯意見」などでよしとするのではなく、さらに一歩踏み込んで議案の修正をすることも必要ではないでしょうか。
いまこうした議会基本条例を制定している地方議会の2割にせまるところまで来ています。議会改革については、東御市議会においても議会報告会の開催とか、一般質問における一問一答の導入など一定進んできてはいます。しかしそれが制度化されておらず慣例で行われているに過ぎません。本当に市民に責任を持った改革を行うのであれば、議会基本条例などできちんと条例化することが必要です。
二日間実りの多いセミナーでした。派遣していただいた市議会の同僚の皆さんに感謝申し上げます。