東御市には4つの温泉施設があり、第3セクターである東御市振興公社が運営を受託しています。上記はここ4年間の温泉施設の業績推移です。
〇入館者数は79万人前後で横這いでしたが、昨年は75万人と約4万人落ち込んでいます。
〇これに対し入館料(収入)は平成19年の3億3千万円から下降線を辿り、平成22年には2億7千万円と6千万円落ち込んでいます。
〇こうした状況において一人当たり入館料は平成19年の427円から平成22年には360円になっています。
経営を考えるには量的拡大と質的拡大が必要です。すなわち売上高を伸ばすと同時に、顧客単価の増大に取り組むことが重要です。しかるに東御市の温泉施設においては顧客数の減少と顧客単価の減少が同時に進んできていることが大きな問題になっています。
その中でも顧客数(入館者数)の減少は昨年から顕著になってきましたが、顧客単価(一人当たり入館料)減少は3年前から着実に進行してきていました。ここ4年間で一人当たり入館料は70円近く低下してきています。
そのために必要とされる経費がまかなえず委託料という形で、一般会計から8千万円から9千万円もの資金が投入されています。しかし現在の状況下では入館者数が増えることは期待できそうもありません。一般会計からの繰り入れはさらに拡大することが予想されます。
そこで疑問が生じてきます。そもそも温泉施設の入館料は湯里館やゆうふる田中、明神館は500円、御牧乃湯は400円となっているのに、なぜ一人当たり入館料は昨年において360円だったのかということです。
すなわち温泉を利用する皆さんの中に、500円という規定料金で入っていない方が大勢いらっしゃるのではないかという疑いが生じてきます。この問題を解決しないと今後いくら入館者数を増やしても、一人当たり入館料が際限なく低下すれば業績向上にはつながりません。以下は次回へ続きます。