温泉施設の業績向上を考える(その2)

2011-11-20 00:22:17 | プロフィール


前回のブログで利用者の一人当たり入館料が際限なく低下していることが業績悪化の大きな要因となっていると指摘しました。その一つの原因に年間利用券があります。年間利用券とは年間4万円で1年間温泉施設を自由に利用することができるという制度です。

こうした年間利用券を利用されている方々の利用実態はこれまで明らかにされることはありませんでした。私は以前各施設ごとの年間利用券利用者数をお聞きする機会がありました。そこでこうしたデータをもとに年間利用者の温泉施設の利用実態を調べてみました。

上記の表をご覧ください。湯楽館では入館者の3割、入館料の13%が年間利用者となっています。ゆうふる田中では入館者の5割、入館料の2割が年間利用者であり、御牧乃湯では入館者の5割、入館料の24%が年間利用者となっています。

私が思っている以上に年間利用者の温泉施設利用が進んでいることがわかりました。私がお聞きした方は銭湯代わりにほとんど毎日温泉を利用しており、年間利用日数は300日にも及ぶとおっしゃっていました。しかし入館料はいくら利用しても年間4万円です。

4万円を300日で割ると一回あたり133円となります。すなわち500円かかる温泉の利用が133円で利用されていることがわかりました。こうした利用者が全利用者の半分に及べば経営が厳しくなることは自明の理です。

たとえばゆうふる田中の場合年間利用者数は27万5千人です。この方が全員500円の入館料をお支払いいただけるのならば1億3750万円が収入になります。しかしこのうち半分の方が年間利用者とすれば8700万円にしかなりません。一人当たり入館料に直せば316円となります。

  年間利用者 27万5千人÷2×133円=1828万円
  一般利用者 27万5千人÷2×500円=6875万円
  入館料   1828万円+6875万円=8703万円

  一人当たり入館料 8703万円÷27万5千人=316円


温泉施設の経営問題の原因がどこにあるのか見据えてしっかりとした対応策を立てる必要があるのではないでしょうか。

温泉施設の業績向上を考える(その1)

2011-11-19 22:56:50 | 議会活動


東御市には4つの温泉施設があり、第3セクターである東御市振興公社が運営を受託しています。上記はここ4年間の温泉施設の業績推移です。

〇入館者数は79万人前後で横這いでしたが、昨年は75万人と約4万人落ち込んでいます。
〇これに対し入館料(収入)は平成19年の3億3千万円から下降線を辿り、平成22年には2億7千万円と6千万円落ち込んでいます。
〇こうした状況において一人当たり入館料は平成19年の427円から平成22年には360円になっています。


経営を考えるには量的拡大と質的拡大が必要です。すなわち売上高を伸ばすと同時に、顧客単価の増大に取り組むことが重要です。しかるに東御市の温泉施設においては顧客数の減少と顧客単価の減少が同時に進んできていることが大きな問題になっています。

その中でも顧客数(入館者数)の減少は昨年から顕著になってきましたが、顧客単価(一人当たり入館料)減少は3年前から着実に進行してきていました。ここ4年間で一人当たり入館料は70円近く低下してきています。

そのために必要とされる経費がまかなえず委託料という形で、一般会計から8千万円から9千万円もの資金が投入されています。しかし現在の状況下では入館者数が増えることは期待できそうもありません。一般会計からの繰り入れはさらに拡大することが予想されます。

そこで疑問が生じてきます。そもそも温泉施設の入館料は湯里館やゆうふる田中、明神館は500円、御牧乃湯は400円となっているのに、なぜ一人当たり入館料は昨年において360円だったのかということです。

すなわち温泉を利用する皆さんの中に、500円という規定料金で入っていない方が大勢いらっしゃるのではないかという疑いが生じてきます。この問題を解決しないと今後いくら入館者数を増やしても、一人当たり入館料が際限なく低下すれば業績向上にはつながりません。以下は次回へ続きます。

くるみコンテストが行われました

2011-11-19 14:15:55 | 議会活動
11月19日は朝からあいにくの雨となりました。そんな中、わが家から程近い道の駅「雷電くるみの里」でくるみコンテストが行われました。

くるみは東御市の特産で全国一の出荷量を誇っています。このコンテストはくるみをさらに普及させようという目的で、日本くるみ会議と東御市との共催で行っているものです。昨年からくるみを使った料理コンテストが行われ、今年はさらにお菓子部門が新設されました。

これを契機にさらにくるみ栽培が盛んになることを念じています。


くるみコンテストの会場にはみごとなくるみが並びました。


昨年から始まったくるみ料理コンテストは今年から料理部門とお菓子部門に分かれて実施されました。おいしそうな作品が並びました。


あいにくの雨のため表彰式は道の駅の構内で行われました。

湯の丸スキー場安全祈願祭でした

2011-11-18 20:27:57 | 議会活動


11月18日には湯の丸高原で湯の丸スキー場の安全祈願祭が行われました。スキー場の第一ゲレンデに東御市の関係者の皆さん、観光協会などの皆さん、嬬恋村の皆さんが集まり、神官さんのお払いを受けた後、リフトのテープカットが行われました。

この春はスキー場の来場者も東日本大震災の影響で前年度9%減、15万人台で振るわなかったそうです。一昨年は17万3千人でした。今年度はいい年にしたいものです。

もともと長野県の東部地方、東信は佐久スキーガーデンパラダ、軽井沢プリンスホテル、そしてここ湯の丸高原スキー場は長野県内のほかのスキー場と異なり好調を維持して来ました。その要因は都心から近く日帰り県内にあること、高速道路でのアクセスが良好であること、人口降雪機などの設備が整っていることなどがあげられます。

まさに最近のレジャーの傾向である「安・近・短」の志向にあったスキー場であるということができます。しかしこうした客観的な条件を活かすことができるかどうかは地域におけるスキー観光への取組み次第です。湯の丸スキー場がさらに発展することを願っています。

産業建設委員会の視察その1

2011-11-15 21:07:17 | プロフィール
11月14日から16日まで産業建設委員会の視察でした。例年ならば春に実施しているのですが東日本大震災に伴う視察の自粛で11月になってしまいました。今回の視察地は岐阜県の美濃市、愛知県の田原市、そして静岡県にある中部電力浜岡原子力発電所でした。

美濃市は岐阜県中部に位置する人口2万3千人、8千世帯のまちです。古来飛騨地方への物資の集積地として栄え商業都市として発展してきました。こうした歴史的背景から中心市街地には古い建物が多く残っていました。

こうした町並みは平成11年5月に重要伝統的建造物郡保存地区として国の指定を受けています。一方美濃市は美濃和紙1300年の伝統のある町です。これにちなんで「美濃和紙あかりアート館」を建設し、「美濃和紙あかりアート展」を実施しています。こうしたことから「和紙とうだつの上がる町並み」として活性化に取り組んでいます。

東御市においても海野宿の活性化が課題となっており、昨年市が買い取った大熊邸を改修し宿泊施設の建設が検討されています。そうした中で美濃市の取組みが参考になればと思います。

美濃市の重要伝統的建造物保存地区は海野宿と異なり、町並みが目の字の形に平面的に展開しており、うだつがある建物も19棟に及びます。この間道路・側溝の整備、電柱の地下埋設、ポケットパークの設置など町並み整備を進めてきています。あわせて伝統的建造物の修景事業も進め、平成11年から88件となっています。

こうした中で町並みを訪れる観光客も増加し10万人を越えるまでになりました。課題は観光客の滞在時間が短いことだそうです。町並み以外に観光スポットを整備することが必要だということで道の駅も整備し、周辺地域も歩いてもらえるようにしたいとのことでした。現在スローフードや地産地消の取り組みを進めているそうです。

私達が視察をしている時もカメラを片手に大勢の観光客の皆さんが来ていました。滞在時間の短さなど同じ課題があると感じました。


商家には軒並みうだつが上がっていました。


見事に修復された町並みをバックに写真を撮りました。

駅伝大会がありました

2011-11-13 23:59:43 | 雑感

13日は恒例の市内一周駅伝大会です。私の住んでいる中屋敷区は駅伝が始まってから1回も休むことなく公民館として参加しています。昨年から有志による駅伝クラブができました。メンバーは小学生から大人まで幅広い層が結集しています。駅伝コースには大勢の区民が応援に駆けつけ、選手に熱い声援を送っていました。


午後は干柿づくりです。わが家には柿木がありますが残念なことに渋柿です。このままでは渋くて食べられません。そこで皮をむいて干柿にすることにしました。


軒下に柿のすだれができました。おいしい干柿になればと思っています。

冬はもうすぐそこまできています。畑の始末、植木の手入れなどやるべきことは山ほどあります。なかなかはかどりません。明日からは議会の視察で3日ほど留守になります。

松代地下壕を見学しました

2011-11-13 07:46:37 | 議会活動

11月11日、知人に誘われて長野市の松代大本営地下壕を見学しました。以前から一度訪れてみたいと思っていたのですが、なかなかそんな機会もなく今日に至っていました。今回ちょうど時間がとれたので思い切って参加することにしました。主催は生協の平和クラブの皆さんでした。バスの中は私ともうお一人の男性を除いてすべて女性でした。

30分ほどで松代の象山神社に到着。地下壕の入り口で用意されているヘルメットをかぶり、ガイドの女性の案内で構内を見学しました。地下壕に入るための費用は必要ありませんでした。

地下壕は天井も高く巾も広く私が思っていた以上に広大でした。総延長は約6キロ、そのうち500メートルが公開されています。壕の壁は当時のままで削岩機のあとも生々しく残っていました。

こうした地下壕はここ象山の大本営地下壕のほか、舞鶴山の天皇皇后御座所、皆神山の食料貯蔵庫など松代周辺に3つあるそうです。工事に着手したのは1944年、終戦の前年の11月11日でした。「1」並びの縁起を担いだものとのことでした。この日の見学会もこの日にちなんだものです。

ガイドの方のお話では沖縄の地上戦をあそこまで長引かせたのは、地下壕の工事がまだ終わっていなかったからだそうです。そうした意味で沖縄戦と松代大本営はつながっているとのことでした。

「国のため 重きつとめを果たし得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき」という短歌を残して硫黄島で亡くなった映画「硫黄島からの手紙」で知られる松代出身の軍人、栗林忠道中将が戦ったのはまさにご自分のふるさとに建設中の松代地下壕のためだったんですね。

地下壕見学の後、地下壕で亡くなられた方々の慰霊祭にも参加させていただきました。

私の3年目の通知表は?

2011-11-10 23:52:57 | 議会活動
今年も通知表を作成する季節になりました。3年前の11月9日は私がはじめて挑戦した市議会委員選挙の投票日でした。あれから3年たちました。この間私は毎年自分の議員活動を自己評価してきています。今年も3年目の評価を行います。

評価項目は3つです。第一に「市民の声に耳を傾け、その願いを市政に届け、その結果を伝える」ことです。第二に「市民に開かれた議会」実現のために努力することです。第三に「市民ともに歩む市政」実現のために努力することです。

【評価項目1】市民の声に耳を傾け、市政に届け、その結果を伝える

この1年間、私はすべての議会で一般質問に立ち、12項目について市政を質しました。質問項目の内容は下記の通りです。

12月議会
・「協働のまちづくり」実現のために市民の意見を吸い上げるしくみが必要ではないか
・市民力で「B級グルメ」を推進し、新しい食文化を育て、地域活性化に取り組もう。
・景気後退の中で市民の安心と安全を確保する取組みが必要だ。

3月議会
・あるべき入札制度についてどのように考えるのか。
・公共工事の発注にあたっては地域内の多くの建設業者が潤うように配慮すべきだ。
・これからの街づくりのために内部循環型の経済の仕組みをつくるべきではないか。

6月議会
・市庁舎増改築工事入札における落札率についてどのように考えるか。
・東日本大震災・大津波・原子力発電所事故の東御市への影響はどうか。
・協働のまちづくりをどのように進めるか。

9月議会
・これからの東日本大震災・福島原発事故被災者支援をどう進めるか。
・市民を巻き込んだ太陽光発電の普及をどのように進めたらいいのか。
・料金等の口座引き落としデータの未送信という不適正な事務処理はなぜ生じたのか。

この他「お困りごと相談所」での生活相談、「議会だより」の発行、ブログ「若林みきおの議員日誌」で情報発信に取り組んできました。また4月からは新たにホームページを開設し、より体系的な情報発信を進めてまいりました。こうした活動結果を評価して5段階評価で「3」としたいと思います。

なお評価基準の目安は下記の通りです。

「5」-課題が十分達成でき、まわりにも大きな影響を与えた。
「4」-課題が達成できたが、まわりへの影響は限定的であった。
「3」-課題は達成できたが、まわりに働きかけたが影響は与えられなか
    った。
「2」-課題は達成できず、自分だけの動きにとどまっていた。
「1」-課題に挑戦できなかった。

【評価項目2】市民に開かれた議会実現のために努力する

この1年開かれたガラス張りの議会を実現するために力を尽くしてきました。とりわけ昨年11月からは市議会の広報調査特別委員長として、同僚議員の皆さんのご協力のもと、読みやすく親しみの持てる「市議会だより」めざしてこれまでに4号を発行してきました。

具体的には大きな見出し、大胆なレイアウト、市民の疑問に答える企画などに取り組んでまいりました。市民の皆様は実際に手にとられてどのような印象をお持ちでしょうか。先月は京都府南丹市議会の皆さんが市議会だよりの視察にお見えになりました。私が議員になってから市議会だよりの視察を受け入れは初めてのことです。

開かれた議会実現のために読みやすく親しみの持てる「市議会だより」を発行することができ、さらに市議会だよりの視察先として評価されるなどまわりにも影響を与えることができたことを評価し、「4」としたいと思います。

【評価項目3】市民とともに歩む市政実現のために努力する

この1年で大きく変わったのは新人議員4名で新しい会派「太陽と風の会」を結成、市民に開かれた議会をめざして改革を進めてきたことです。東日本大震災にあたっては被災者支援を市長に要請しました。

4月には長野県北部地震に見舞われた栄村を訪問し被害状況を視察、5月には宮城県石巻市、南三陸町、気仙沼市を視察し、6月に市民への視察報告会を開催しました。会派として市民に対し直接報告会を開催したことは初めてのことではなかったでしょうか。

こうした経験をもとにして東御市における防災計画、自然エネルギーの普及、被災地への継続的支援活動などについて質問を行いました。

こうした活動は主に会派として行ったものですが、私は会派の中においてこうした取組みに対し積極的に働きかけてきました。こうした点を評価して「4」としたいと思います。

当初掲げた目標達成するにはまだ道半ばではありますが今後とも力を尽くしてまいりたいと思います。皆様の支援をよろしくお願いいたします。

「市議会だより」が発行になります

2011-11-10 04:06:11 | 議会活動
先日議会広報調査特別委員会が開催され、市議会が発行している「市議会だより」31号が校了となり11月16日に発行されることになりました。ご覧いただき、ご意見などお寄せいただければ幸いです。

今回の「市議会だより」の大きな特徴は田中保育園建設問題を取り上げたことです。現在東御市においては1小学校区1保育園という方針のもと、老朽化した保育園の統合・改築が進められています。すでに祢津保育園は完成し、滋野地区・和地区では2つの園を1つに統合・新築計画が進展しています。

これに対し田中地区では保育園の建設場所をめぐり建設検討委員会では候補地を一つに絞りきることができず、田中駅南口を押す多数意見と現地建て替えを支持する少数意見の2案を答申、最終判断を市長に委ねることになりました。

こうした中で市長は田中駅南口に決定し9月議会に調査費を計上してきました。これに対し加沢区は田中駅南口の問題点をあげ、住民合意を尊重してほしいという陳情を提出してきました。

9月議会においては田中駅南口の調査費、加沢区からの陳情をめぐって慎重に審議をし、最終的に陳情については不採択とすることを決めました。

多くの市民の皆さんにとっては田中保育園建設問題はあまり関心もないことかもしれません。私たち議員の中にも大きく取り上げるのはいかがなものかという慎重意見もありました。一方、取り上げるのであれば市民の皆さんの誤解を招かぬようにしっかりと伝えるべきだという意見もありました。

私は加沢区からの陳情は他の陳情とは異なり、加沢区の総意として署名まで添付して提出されていること、協働のまちづくりにおける住民合意のあり方としても重要であること、議会においても修正案が提出されるなど大きな問題となったことなどから「市議会だより」に掲載すべきであると判断しました。

私たち議会が「市民に開かれた議会」をめざすのであれば、議会で行われた議論の内容をできるだけ市民の前に広げてお見せすることが必要だと思うのです。

今回の「市議会だより」においては、田中保育園をめぐる経過、加沢区からの陳情の内容、社会福祉委員会における審議と決定、本会議における討論の内容、これにかかわるそれぞれの議員の賛否の状況が掲載されています。来週後半にはお手元に届くことと思いますのでご覧いただければと思います。

私はこれからも「市民に開かれた議会」を実現するために、読みやすい親しみの持てる「市議会だより」目指して努力を続けてまいります。

12月議会の予定が決まりました

2011-11-09 14:49:10 | 議会活動
12月議会のスケジュールが発表になりました。12月6日から22日まで17日間です。以下にスケジュールを掲載します。私は今回も一般質問を行う予定ですのでよろしくお願いいたします。

・12月 6日(火)9時 本会議・議案上程
・12月 9日(金)9時 全員協議会
・12月12日(月)9時 一般質問
・12月13日(火)9時 一般質問
・12月16日(金)9時 本会議・総括質疑
・12月19日(月)9時 常任委員会審査
・12月20日(火)9時 常任委員会審査
・12月22日(木)1時30分 本会議・採決

上記のスケジュールの間は休会として議案調査となっており、上程された議案を調べ必要に応じて関係部署へのヒアリングにあてる日となっています。

日めくりカレンダー