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映画「仮面ライダー1号」

2016-04-10 | ライダー!
見てきました。誕生45周年記念「仮面ライダー1号」。



いやはや、『藤岡弘、ここにあり!』ですね。そして単なる懐かしき特撮ヒーロー映画、単なるライダー映画ではなく、「藤岡氏自身の生きざま」が見えた映画です。

45年前に仮面ライダー/本郷猛としてブラウン管に登場。一躍メジャーになって主役級の俳優として、或いはハリウッド映画の主役として進出した国際派俳優。
一方で経済的理由や社会的不安によって或いは紛争地域であるがゆえに、貧困な生活を送っている人々、命を落とす子供たちを間近で見て支援を続けてきた藤岡氏のその行動は、「世界征服をたくらむ悪の組織と戦う仮面ライダー」と重なっているわけです。

「生命」。これがこの映画のテーマであり、劇中本郷猛の口から語られる「生命とは愛の連鎖」は、まさに藤岡氏がこの45年で培った考え方=哲学であり、人生論です。

生命の重さが何たるかが分かったうえで見るこの映画。ラストの「生きて生きて生き抜く」のメッセージには熱いものが感じられますし、これは単なる子供向け作品ではなく、社会の中で戦い、苦悩し、出口の見えない日々を送っている・・・かもしれない我々世代への応援歌である、と間違いなく言えます。
ゆえに、いい大人がこれを見て涙腺が緩んでしまう。もうちょい頑張ろうと思う。



造形的には・・・まぁ、「平成の空気」というか「流行」というか「今どきのデザイン」というか・・・。
2005年に制作された仮面ライダーリメイク版ともいえる「仮面ライダー THE FIRST」続編の「~NEXT」、2015年に公開された「スーパーヒーロー大戦・仮面ライダー3号」を踏襲しています。つまり身体はサイボーグ、ライダーの最大の特徴ともいえる大きな目はひと回りも小さくなりインパクトが弱く感じます。
小回りが利くいう利点があった愛車サイクロンも「FIRST」「NEXT」そして今作品でも大型化されていますし。



平成の現代に蘇った「ライダー1号対地獄大使」。
40年前のドラマでは地獄大使がショッカーを裏切り、一時はライダーに寝返るエピソードがありました。今作品でも旧態依然のショッカーを離れ、新たに結成され出現したノバ・ショッカーを倒すべく、地獄大使は不本意ながらもライダー1号と共闘するくだりは40年前を彷彿させ、我々世代をニヤッとさせてくれます。さらには老体となった地獄大使に「体を労われ」と一言を残す本郷のセリフにも長い長い時間経過を感じさせてくれます。その本郷も老体であるのは間違いないのですが・・・。
シルベスタ・スタローンのロッキー、舘ひろし&柴田恭兵のタカ&ユージ@あぶない刑事、ハリソン・フォードのハン・ソロ@スター・ウォーズ/フォースの覚醒、そして藤岡氏のライダー/本郷猛。いずれも若さを演出するのではなく、まさに「今のままの姿」を見せてくれます。そして魅せてくれています。

 
左:昭和の地獄大使/潮健児 右:平成の地獄大使/大杉漣

45年前のドラマ撮影で数多くいたスタントマンの1人であった金田治が、今作品では監督とだいうエピソードも、第三者でありながらも嬉しく思ってしまいます。

藤岡氏が撮影中に大ケガをして降板せざるを得ない状況から登場した新・仮面ライダー/一文字隼人(演・佐々木剛)。
2人目のライダーと言う意味合いで安易に名付けられた「2号」。ゆえに逆行して本郷猛のライダーは「1号」と呼ばれてしまった・・・これも「45年の仮面ライダー史の1ページ」ですね。
コメント (4)
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