二週間ほど前にお世話になっている影竿さんから男女群島日帰り釣行の案内が飛び込んできました。
上物、底物だと男女の釣果は他にはないサイズに型はご存知だと思います。
しかし、いくら男女といえど魔物があり全くダメといった事も珍しくはありません。
海域は黒潮がアタる南方とは違った俺から言わせれば神の領域。
天候も変わりやすくシケ始めれば波はウネリと化し容赦なく這い上がってくる。
携帯も繋がらず海に落ちれば爆流もあるので危険だし流されっぱなしになる。
オーバーな表現だとは思われるかも知れないが命掛けての釣行になるのです。
男女の磯は岩盤が硬く、スパイクでも効きにくい。
斜面も多く、釣り座は極僅か。
クーラーなど場所にもよるが持って上磯は出来ない。
道具も最小限にしないと滑って海へ落ちてしまう。
ロープとハーケンで固定したりします。
男女釣行にはまず、金銭面、期間、天候、などで行きたいが中々思いだけで先に進まないのが現状だと。
もし行くならばクロや底物といろんな釣りを踏まえて一緒に合間に他の釣りをしたりするのが普通。
今回は野望を抱きエギ竿のみで男女釣行へと日本初、男女群島エギングで行ってまいったのです。
そもそも男女自体に烏賊がいるのかと思いでしょうが、僕の情報だと赤烏賊系の6キロクラスは居るのではないかと。
実際、JAPANレコードサイズに近い五キロサイズを上げている方も知っています。
噂では網に七キロとか。
夢幻の島なんで居てもおかしくはありません。
しかし烏賊が生息するにあたり非常に厳しい環境だとはすぐにわかりました。
産卵から育つまで大型回遊魚が多い地域なので天敵は多いはずなんです。
育ったとしても青物はもちろん、サメやアラ、巨大エイ、時期になるとカジキ、マグロなど食われてしまうのもあります。
夢は増すばかりで型を狙うならば今の水温、ましてやや遅いくらいと思いチャンスが舞い込んで来たので決断。
本土の型狙いになるならば春烏賊になるのですが回遊の磯はまた違うのです。
いつも言ってますが行かないと釣れない、釣りに行く行かないの意味じゃなく思いがありそれに追い掛ける事を現実に出来るかとの意味合いで俺は言っていました。
大型を追う方はこの思いが強く野心があると言っていいでしょう。
前おきはこのくらいで。
★★★★ ★★★★★★★★★★★★★★★★
今回のタックル
エギ竿 89H ・ 86M ・82HMH(SNIPER)
リール 3000~2500番
ライン PE1号~08号
リーダ 3号~5号
エギ竿は切り立つ磯壁がありロングよりはショートなエギ竿が使いやすいと思います。
遠投する必要性もないし大型をとるならばショートが取り回しも良いです。
ラインは太め、リーダーは根ズレ対策で。
今回お世話になる渡船 ひりゅう さん。
船長に事前に調べていた烏賊が居そうなポイントを説明。
過去に烏賊が釣れたのを聞いてみたが頭を抱えていらっしゃいました。
船長も烏賊釣りに釣行する方は初めてとの事もあり釣れるか半信半疑だったと思います。
ポーターの方もたまにはエギングされるみたいで実際には男女ではと言われてました。
今回、15名参加。
ルアー二名。
エギング二名。
上物、底物11名。
本来、まだ行く方がいたみたいですが地震の影響で数名キャンセルがあったみたいです。
津波注意報も解除され船も出船OK。
猛者達が早くから集まりいい緊張感。
午後11時、出船前の女島灯台付近の天気状況は南東6mの風。
予定していたポイントが東に集中していたので今回は断念。
船長に相談し海の形状と水深、潮の速さなどを丸めて中々上がれない西側磯へ。
俺は男女にはたしか今回9回目の釣行。
上物、底物では来ていたんですが西側は今回二回目。
出船から三時間半。
五島列島を過ぎたくらいより波が出て来て風も強くなってきさた。
本土予報では南2mの微風だったんですがやはり男女は違います。
先ずは男島に接岸。
サーチライトに照らされた異様な重圧感が目の前に現れました。
鳥やコウモリが飛び交います。
俺に今回付き合ってくれたヨッさん。
ヨッさんは男女はバージンエリア。
いい緊張が伝わります。
俺は思うのですが荒磯にカタカナでエギングと言うのも俺はあまり好きではありません。
餌木竿に餌木師と古風な呼び名が合うような。
風向きで切り立った男島には無理なので南下し、最後に女島の南西側のなだらかに落ちる水深と女島南の鼻から差し込む反転流が入るポイントにヨッさんと二人で上磯。
女島に四角の山がついたような岩盤磯。
やはりスパイクが効きにくい。
瀬の北側角から始めるが風の舞い込みが南東が実際吹いているのだが北から吹いてくる。
下げ止まり近く、早朝四時スタート。
釣り座はヨッさんが北角に割れこむ海溝横から。俺は北角から内側に入るワンド周辺。
今は無きヤマリヤ四号BASICタイプIIよりスタート。
水深8m前後より沖は計れない位深い。
一投目からしばらく無反応。
アプローチは冬のやり方でボトムより拐うやり方。根掛かり覚悟で巨大ゴロタがある場所をボトムダートからストップステイで待つが来ない。
潮は北方向、沖を向いて9時から3時方向と真横の緩やかな流れ。
水温は本土と違いかなり暖かい。
居ないのか!
ヨッさんもダメなようだ。
しばらく海を休め、早い朝食。
荷物を軽くする為に昼飯合わせてパンを三個と飲み物二本。
釣れるジンクスの焼そばパンを一個食い、ヨッさんが他に移動したので最初いたヨッさんポイントへ入る。
潮目がハッキリ出てきた。
飯食いながらアプローチを考えていたのだが天敵が多い所なので元々が警戒心が強いのかと思い静かに誘う方が有効なのかと。
よって投入あと、上層で手前に引き抜くアクションよりテンション掛けながらサイドに流し足元までカーブでフォールさせそのまま浮かせのステイで待つやり方。
左投げ投手が振り投げる腕の動きがエギのラインと考えて頂いたら分かると思います。
ドンピシャでステイ掛けた瞬間にアタリ。
結構、重々しい引き。
男女群島烏賊師、記念すべき一杯目いましたが狙いはこのサイズではない。
しかしこの烏賊、やはり赤っぽいしエンペラは硬く身が厚く表面が硬い。
叩くとコンコン音が出る。
見た目700位だか重量感がある。
ヨッさんも戻ってきてやり始めるが潮が遠のきアタリが来ない。
俺は角から沖へ送り込みテンションかけ流れの中で浮かせて待つとヌーンとティップを持って行かれた。
シッカリ掛かり、やり取りするが最初はそうなかったが途中より今ままでとは違う引きで猛烈に底へ引き込み瀬が出ている方へラインを持って行かれ根ズレを起こしラインから飛ばされてしまった。
間違いなく烏賊の引き。
居るぞーと思いやり直すが風が一段と酷くなりアプローチしにくくなる。
ヨッさんも餌木チェンジしたりアプローチ変えたりするが潮が遠のいたので厳しい。
しばらく俺は休憩しながら磯の山を登り風裏、四角南側を見に行った。風もさえぎられハエ根があるが目の前に瀬が一つ、何とか出来る。
ただ上から下るのに荷物を持っては危ない。
餌木竿と餌木ケース、最小限の荷物をライジャケのポッケに入れ今回ギャフじゃなくタモを持って二人で夜明け前に荷物を置いて移動。
タモにした理由は大型と餌木に魚がかかる可能性もあるのでタモにした。
それに渡船に荷物を入れるので出す時にギャフが飛び出したら危険。
クーラーも持っては上がれない所も多いのでドンゴロスを使用。
麻袋なんですが海水に漬けると結構冷えて乾きにくく自然クーラーと同じ役目をする。
磯師の御用達アイテムの一つ。
夜明け前に俺は女島本土側の近く、ヨッさんが沖の壁側に釣り座。
烏賊の生態、通常ワンド外より中のベイトを待ち構えるのだがここ生態を考えるとかなりの天敵が居る為に身をひそめての生態がおおいのでわと。
切り立つ直下型の磯は切り立つ角など烏賊のルートになったりしてないだろうか、本土でも激流の当て潮でも直下の足元付近にルートがあり集中でアタッてくるポイントもある。
男女の夜と言えば足元、瀬際のフカセ釣り。
大型のクロが釣れるのは上物される方はご存知だと思います。
ノリの餌と身をひそめるのもあるんでしょうね。
そういうのも念頭におき、あえて内を狙う事に。
ただ投げて釣れればいいですが、最初のポイントで考える釣りをやらないと釣れないのはハッキリしました。
過去に男女の烏賊の釣果を聞かないのがこの事が理由なのかも。
ゆっくりと夜が明けていく。
女島壁側を狙う。
ゆっくりと4時から11時方向へ潮目が動いている。
はやり水深があるが手前は瀬がありもう一度落ち込んでハエ根が張り出している。
ゆっくりシャクって待ちではアタリが来ない。
上げ潮に変わり水温も2~3度落ちたようだ。
中層よりティップを使ったピッチで叩いてゆっくり落とす。
ハエ根と沈み瀬の間でテンションをかけフォール後の止まった瞬間にアタリ。
最初のよりは型がいいやつを追加する。
コイツもキロちょっとの赤イカ系。
右には瀬があり型が来ると獲りにくい。
この後、同じアタリがあったところで同じアタリできた。
最初はヌーンと重々しい引きだったのだがヨッさんにタモのお願いを叫んだ時、大型特有の浮きに上げた時に強烈な底へ突っ込むジェット噴射。
バット付近がメキっと音がしてドラグもギュッ、ギューっと鳴り響いて穂先が海面へと突っ込まれノサレて根ズレでPEをやられバラシてまった。
くそー!!。
このチャンスがいつ来るか分からんのにやってしまった。
ヨッサンも同じポイントでやるが中々続かない。
一段と風がココまでも回り込むようになり元の場所に移動。
先にヨッサンは戻ったが俺は悔しく同じポイントを何回も見た。
また斜面を登る。
途中アラのポイントも。
元の場所に戻り、最初のポイントへ。
ヨッサンが小声で叫んだ!
デカイカが居る!
浮いている様だがすぐに瀬の中に隠れたと。
サイズを手で表現していたが胴寸で50近い4キロクラス。
とっさにエギを二人で入れたが全くダメ。
しばらくすると何か巨大なものが浮いてこっちにやってきた。
ナンだろうと思ったら海の守護神 ウミガメ・・・・。
男女でウミガメはよく見るのだが守護神どころか現れたら全く魚も釣れなくなる疫病神。
しかしヨッサンが見た烏賊は冗談でカメに見間違えたのじゃないかと言ったがウミガメが現れたので隠れたと考えた方が正解なのかも。
この後、船の見回りが9時までなんで瀬代わりする事と判断。
回収に来た船に乗り北上しながら風景を楽しむ。
男女の景色は重圧感とすごいオーラがある。
武者震いしそうなポイントばかり。
底物の血が騒ぎ出しそう・・・。
影竿さんのぎっちょさん。
今回、ルアー1本で釣行。
大型回遊狙い。
名磯を見ながら朝方バラした余韻が頭をよぎる。
日中に来るのかと不安さえあった。
俺らはクロキ島、クロのタンポのワンドへ。
次編へご期待!