首相が防衛費5年間で43兆円の予算化を公言しその財源の一部として増税案を打ち出した瞬間から自民党内はハチの巣を突っついたような騒ぎになっていた。
「そんな話は一切聞いていない」「あまりにも唐突だ」と自民党所属のうち7割ほどの国会議員が不満と怒りを表明していた。
ある閣僚などは「罷免されてもいい」などと居直っていたくらいである。(笑)
ただ今回の一連の動きは首相にとって全て計算済みだったのではないかという気がしている。
長引く内閣支持率低落、優柔不断と叩かれるキャラクターを打開するために何かしないといけない。
ということで思い切った大勝負を仕掛けたという見立てなのだ。
増税案が国民の不評を買いその成り行きで選挙の勝敗を恐れる議員たちが反発するのは承知のうえだ。
「防衛費の負担は国民の責任(直後に『我々の責任』と修正されたが)」と正論を繰り出したのもシナリオ通りだ。
首相はこれで一息ついたようだがまだ内閣支持率好転までには至っていない。
更なる大勝負はあるのか、それとも小技で加点を重ねる方針なのか、次の一手に関心が集まる。
打たれ強い首相の真骨頂だ。