ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ゴールデンスランバー

2009-12-03 15:12:59 | か行
これ、おもしろかったですよ。

「ゴールデンスランバー」80点★★★

首相暗殺の犯人に仕立て上げられた
無実の男(堺雅人)が
舞台となる仙台を逃げ回るという話。


濡れ衣や誤解といった素材はうまく扱わないと
じりじり、イライラするばっかりだけど
この映画はうまかった。

だってこんなにシビアな状況のなかに
なんで笑えるところがあるかな?(笑)

主人公の敵は国家レベルだし
どんなに無実を訴えようと言い訳無用で即射殺。
そんな話なのに、軽妙で軽快。

その空気の中に時々出てくる
シリアスな恐怖が際立つし
スリルもちゃんとあってバランスがうまい。

これをとことんハードボイルドにやると
「笑う警官」になるでしょうな。


この軽快さはやっぱり原作・伊坂幸太郎の持ち味なのか?
と、気になって実はいま本開いてます。

やっぱり、原作の持ち味が相当上手に生かされてますね。
セリフはほとんど本のままだし。


でもまだ本は途中だけど
やはり映画には脚本と演出、そして役者の相乗効果からなる
映画ならではの醍醐味がありました。

中村義洋監督、同じ堺雅人×竹内結子の
「ジェネラルルージュの凱旋」もおもしろかったしな~
上手ですね。

ハリウッドのアクションサスペンスには
絶対にこの気の抜けた笑いや
緊張と弛緩のバランスは生み出せない。

ドタバタになるかとことんシリアスになるかだな。

ニッポン映画の美点といえる作品です。


★2010年1/30から全国東宝系で公開。

「ゴールデンスランバー」公式サイト

コメント (6)
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