ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

サベイランス

2010-01-04 15:18:53 | さ行
あーあ
もう仕事始めだ~。ちえっ

で、今日は超ダウナーになった映画を。


「サベイランス」34点★


デヴィッド・リンチ製作総指揮×娘のジェニファー・リンチ監督
という親子鷹コンビによるサスペンス。


いや~ヒネて育っちゃったのね・・・娘。
もう、とことん不快になりました。


サンタ・フェの田舎町で凶悪な連続殺人事件が発生。

解決に出張ってきたFBIの男女捜査官コンビ
エリザベス(ジュリア・オーモンド)と
サム(ビル・プルマン)は

殺人現場に居合わせた3人の目撃者
事情徴収をすることになる。


だが彼らの証言は微妙に食い違い、
そして明らかになる意外な犯人像とは――?


犯人の意外性は反則技ではなく
まあギリギリの線。

しかし反吐が出そうなエピソードに
神経に障る音、
微妙にタイミングをはずしたセリフ回し・・・など


とにかく人間の不愉快な部分を増幅させ
イライラさせる目的で作ってあるんですわ。



孤立した田舎町で起こる事件、
登場人物は全員どこか挙動不審、

やたらコーヒーが出てくる・・・といったところは
完全に「ツイン・ピークス」を意識してるし

本当にこの親子は似ているのかもしれません。


資料を見ると
ジェニファー・リンチは
22歳のとき「ツイン・ピークス ローラの日記」で作家デビュー。

24歳で「ボクシング・ヘレナ」で監督デビューしたものの
内容の過激さから物議を醸し出し、

その後は交通事故にあったりなど
なかなか波瀾万丈の人生を送り

この作品が14年ぶりのカムバック作なんだそう。


ううむ。

普通、親と同じ道を行くって
もうちょっと照れっつうか逡巡が
あるもんじゃない?

ジェニファーって、そのことをまったく否定もせず

まあ14年の間にいろいろあったのだろうけど
その結果、ここまで親と似たような
不条理で屈折した作品を撮るとは


好きじゃないけど
ある意味、根性入ってると認めざるを得ません。

あるいは職人気質とも言うべきか・・・

親子の血と業について
考えさせる作品ではありました。


★新春、シアターN渋谷で公開。

「サベイランス」公式サイト
コメント (5)
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