ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

息もできない

2010-01-17 07:04:24 | あ行
世界で大絶賛、という韓国映画


「息もできない」57点★★


家族に恵まれず
愛を知らずに育ったチンピラ青年(ヤン・イクチュン)
やはり家庭に問題ある
女子高生(キム・コッピ)

そろりそろりと手を差しのべあい
心を通わせていく様を描いた作品です。


見終わった瞬間、
あ、これは
韓国版「ホットロード」(by.紡木たく)だと思いました。


悪くないんです。


まず主人公のヤン・イクチュン(34歳)が
自ら監督、脚本を書いたデビュー作というのがすごい


自伝的要素が相当入っているらしく


描かれる暴力も叫びも
皮膚感覚に訴えてくるような
じっとり湿った空気と
それに拮抗する乾きをともなっていて

そこにオリジナリティがある。


各国の映画祭で25以上もの賞に輝いたというのも
うなずけます。


ただ
荒削りなのはいいけれど
130分ってけっこうつらかった。


ラストの展開が読めてしまうのも残念。


でも実は見た直後は、もっと点が低かったのだ。
しかし思い出すにつれ
次第にじわじわと何かが
体のなかで這い上がってくるんです。


「母なる証明」もそうだったんだよなあ。
韓国映画ってこういう感じ、多いです。


★3月下旬(予定)シネマライズほかで公開

「息もできない」公式サイト
コメント (6)
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