コロナ禍でダンナにイラッイラが募っている
奥さま、必見?(笑)
「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」69点★★★★
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ブリット=マリー(ペルニラ・アウグスト)は
スウェーデンに暮らす63歳の女性。
結婚して40年、
専業主婦として夫(ペーター・ハーバー)の食事を作り
アイロンをかけ、家の中をキチンとすることに、人生を費やしてきた。
が、
ある日、思わぬことから夫の長年の裏切りが発覚。
ぶちキレた彼女は、荷物をまとめて家を出て
仕事を探し、住む場所を探す。
が、40年ぶりの職探しはなかなか難航。
そこで見つけたのは
小さな村の、サッカーチームのコーチで?!
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スウェーデンの、ごく普通の主婦だったヒロインが
夫の浮気発覚で「覚醒」し
荷物をまとめて家を出て
新たな人生を踏み出すことに――?!というお話。
シチュエーションは、ままある気もしますが、
ヒロインがあまりにもな仏頂面(笑)の63歳、というのが
なかなかおもしろい。
さらに、新たに見つける仕事が
田舎の町でのサッカーコーチというのも意外(笑)
子どももいなくて、ましてサッカーのルールすら知らないブリット=マリーですが
それでも子どもたちのあしらいがうまい。
キャラの強さと、「年の功」の力なんでしょうか。
しかも、その田舎の町が
移民が多く、貧しい困難地区、というのが、また意味を持っている。
そんな世界で、はぐれものであるヒロインや子どもたちは
互いをなんとなく支え合うんですね。
なにより
「いい妻でいなきゃ」の束縛から逃れた彼女が
新たな世界で生き生きとしていく、その開放感に共感できるのがいい。
いい雰囲気の彼氏も出来そうな予感?とかあるんですが
でもね
そこから先に彼女が選択する道も
また意外にひねってあって
うむむ、と思わされる。
いま、「この状況に、耐えきれない!」となってる人に
この映画、ちょっとした息抜きと
問題への新たな画角を与える気がするんです。
主演のブリット=マリーを演じるは
あのビレ・アウグスト監督の妻でもあるペルニラ・アウグスト。
そう、「リンドグレーン」(19年)主演のアルバ・アウグストのお母さんでもある、
しかも、本作の共同脚本は義理の息子でもあって
アウグスト一族、すげえ(笑)とか思うのでありました。
★7/17(金)から新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。